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資源エネルギー庁長官賞受賞 弊社オートジョイ八王子 27年ぶりの快挙、何が評価されたのか |
資源エネルギー庁長官賞は、昭和49年SS業界の振興を目的として発足し、今年で37年目
になります。(それ以前は、通商産業省鉱山局長賞として8年間実施されていたそうです。)
そして同賞は、創設30年を迎えた平成15年に大幅に改正されました。すなわち従来の
応募SSを一括して比較する「総合評価方式」に替えて、部門別評価方式を導入し、
@経営内容が健全で A消費者に対するサービスの高度化を通して、石油販売業の
地位向上・発展につながる取り組みを行い B消費者や地域社会への貢献度が
高い活動を実践して、消費者の信頼と高い社会評価を得ているSSを表彰する
と大きく変化しておりました。そのお陰もあって弊社販売店の田辺石油様が、平成16年に
人命救助で表彰されたのは 2004年の2月企画でご報告した通りです。従ってそれまでの
私の勝手なイメージであった、
@ガソリン月間販売量 2-3百KL以上で A洗車収益 2-3百万円以上 B高い油外収益
C損益分岐点ガソリン粗利も低く3-5円以下、人件費比率も100%以上 E元売全国表彰の常連
等の諸条件は、元売の推薦を得るのに必要と思い込んでいただけで私の誤解と判明しました。
今回申請のきっかけとなったのは、燃料油脂新聞の募集要項をじっくり読んだことでしたが、
まずどんな表彰分野があるのかからご紹介しましょう。
(1)SSビジネス部門
@石油製品販売経営分野 (販売店等小規模事業者が対象)
石油製品を中心とする従来型のビジネス展開であっても、確固たる経営信念に基づく
地道で健全な経営努力が、周辺の地域や消費者等から好感を持たれているSS
Aカーケア・自動車関連分野
点検整備、オイル交換、板金・塗装、車検、洗車、新車中古車販売、レンタカー
TBASP販売、自動車関連リースなどのビジネスを展開して成功しているSS
B新ビジネスアイデア分野 (但し補助金受給物件は対象外)
商品開発や店頭サービスなどで、既存のSSにみられない新規性、独自性がある
ビジネスを展開しているSS
(2)社会福祉・地域貢献部門
@レスキュー(防犯・防災・交通安全・救命救急)活動分野
SSの機能を活かし、自主的かつ独自に、防災や交通安全と言った社会貢献性の高い
活動を普段から展開し、消費者や地域住民の社会生活に貢献しているSSで期間内に
表彰実績があるSS
A社会福祉貢献分野
SSの機能を活かし、高齢者や体の不自由なドライバー等、社会的弱者に配慮した
社会福祉対策、ボランティア活動を地域社会の中で自発的に展開しているSS。
B地域活性化貢献分野
SS本来の営業活動に加え、地域の活性化対策に取り込み、地域社会やドライバーに
貢献しているSS。また過疎地等の安定供給に工夫を凝らして積極的に貢献しているSS
C大規模災害対応活動分野
自家発電設備により電力の供給が遮断された時でも給油や給水の継続が可能であり
かつ非難情報や道路交通情報など緊急時に必要な情報提供を行えるSS
(3)環境貢献部門
地球温暖化対策、大気汚染防止、水質・土壌汚染防止、ゴミ・廃棄物処理など、
地域の環境保全に貢献出来る対策等を積極的に展開し、他の模範となるSS
昨年夏にこれを読んで、私も初めて気がついたのですが、田辺石油様が受賞された平成16年度
と比べても、新設が二つもあり、その表彰分野の意味合いも微妙に変わっていたのです。
上記分野の詳細説明や募集要項については、こちらの石油連盟のHPに、また平成21年度
の受賞SSは石油連盟HPにこちらに掲載されています。
平成16年度の表彰分野にはカーケア自動車関連分野はまだありませんでした。地道にやって
いる販売店を表彰するのは(1)の@でしたが、我々特約店クラスのSSが目指す賞は、
新ビジネスアイデア部門しかなかったのです。当社で言えば、懐かしのあずかロッカー
「配送物品受取代行サービス」的な事業でしょう。でもあれは、補助金の受給をうけての事業
だったので、申請資格はありません。また新ビジネスアイデア部門は、新規制や独自性が
問われるとのことなので、コンビニやコーヒーショップ、コインランドリーやクリーニングの取次
くらいでは、とても新規性や独自性があるとは言えません。また奇想天外なアイデアはあった
としても、実際に収益を上げているかは別問題でしょう。
しかし、何か新ビジネス始めないと、我々SS業界では、もはや生き残れないのでしょうか。
それではあまりに寂し過ぎます。現に弊社では、洗車を初めとするとカーケア部門で、一応の
成果をあげています。同じ洗車でも お客様の満足度が圧倒的に違えば、もはや別次元の
商品と言っても過言ではないでしょう。その意味では、平成16年度からSS業の王道である
この分野が復活したのは大変嬉しいことなので、今回申請を決意した次第です。
住所は 東京都八王子市楢原436-3 敷地面積(u)879.514m2 の フルサービス(自社所有)
計量器 アイランド 3基 ガソリン 6本 軽油 2本 灯油計量器1基 1本
タンク2本 レギュラー20KL ハイオク10KL 軽油 10KL 灯油10KL 二重殻タンク
フルサービス型 社員・男子 2.5名 アルバイト約 10名 乙種 4資格者4名 整備士3名
と列挙し続けても、その特徴は、よくお分かり頂けないと思います。
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まず敷地は260坪と余り広くありません。立地は、八王子駅から北西に4km、西八王子駅から
北に3km、片側1車線ながら通行量はそこそこ多い秋川街道に面したフルサービス型の
ある意味普通のSSです。普通でなのは、近隣SSが皆セルフになったり廃業したりして、
最も近いフルサービスSSが、同じ街道では近隣にはなく、違う街道にあるSSまで、道のりで
2Km以上もあるので、「フルサービスの過疎地」と言えるのかも知れません。
(右下地図参照 弊社以外のフルサービスはGとIのみ 既にBEFは廃止)
実は同SSも時代の潮流にのって、設備投資はせず実験的に、スタッフが給油のみを行う
「セミセルフ型」にしたこともありました。しかし近隣にフルサービスがなくなったのを期に
あえてフルサービスに戻すという経営選択をしました。その決断をさせてくれたのは、
お客様なのです。独自に行ったアンケートで、少なくとも弊社に来ているお客様からは、
「1-2円の安さよりも、垣見さんだけはセルフにしないで下さい」という悲痛なお声を聞いた
のです。「迷った時は、お客様に聞け」。元売のご意見も勿論拝聴しますが、
「変化する環境に顧客中心主義で対応する」これは弊社&このSSの基本モットーです。
表彰式で受賞SSが簡単に紹介されるのですが、そのコメントが表彰理由だとすれば
弊社は、洗車&特殊コーティング と 格安レンタカー が評価されたのだと思います。
でも少なくとも洗車は、ほぼすべてのSSがやっているのに、何故評価されたのでしょうか。
当HPの読者の皆様は御存じですね。垣見SSスクールの洗車スクールでご紹介している
「初めて買った自分の愛車の如く」のようにお客様の立場にたった MENUや価格設定、
品質、所要時間等々 あげたらきりがありませんが、要するにガソリン販売の片手間にやる
洗車ではなく、むしろ洗車をメインにしていること、それをちゃんとお客様にもお伝えした
ことではないでしょうか。結果、弊社のほぼ全てのSSは、ガソソリの売上粗利より洗車の
売上げの方が多い状態が、既に普通になっています。
この辺は、2010年の秋田石商様で同SSの福所長とともに行った洗車収益向上セミナーや
株式会社ビューテー様の東京支店及び広島支店で行った洗車セミナーでお話した通りです。
もう一つは、間違いなくSSでの格安レンタカー(ニコレン)だと思います。
SSにとって、今までのお客様は、灯油を除ければ、車やバイクを持っている方のみでした。
SSの隣にお住まいの方とは、お客様としてはご縁がなく、むしろ車の出入りとか、騒音とかを
考えれば、好まらざる隣人だったのかもしれません。
しかしこの格安レンタカーは、ある日突然全ての近隣住民をお客様にしてくれました。それこそ
車はもっていなくても、運転免許さえあれば、車を借りたい機会は幾らでもあります。
また環境問題から欧州で発祥したカーシェアリングシステムも、次世代の車社会の一つの姿
とマスコミ等で言われていますが、正にカ―シァリング並みの安い価格で、それ以上のサービス
を実現したシステムと言えるでしょう。実は、エネ庁賞の申請資料には過去5年分の実績を
出さなくてはいけません。2009年からSS業界に普及し始めた格安レンタカーですが、1年目に
して、消費者からも、そしてエネ庁からも認知されたのは誠に嬉しいことです。
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でも洗車は、ほとんどのSSでやっていますし、高収益を上げているところも沢山あります。
またSSでのレンタカーもニコレンだけでも500店を突破(1/26契約ベース)した程ですから
もはや決して珍しい事業ではありません。そうなると弊社オートジョイ八王子の一体何が
評価されたのでしょうか。突き詰めば、審査委員会にお伺いしてみないと分かりませんが、
申請書を書いている時、随所に顧客視点であるか、顧客満足を重視しているか、顧客の
意見をどう聞いてどう取り入れているか等の設問がありました。そうなのです。
元売がやる覆面CSチェックを受けているから大丈夫。それで良い点を取っているから
大丈夫というものではなく、本当のお客様のご意見を聞くことを重視していと感じました。
その意味では、顧客満足CSを販売促進の為の単なるツールではなく、経営や営業の
根本方針として取り入れたこともご評価して頂いているのではないか、それの全を列挙
するときりがないのですが、以下にご紹介して来た事が全て関係しているように思います。
10/10、業界問題時事解説、洗車収益向上、社員とESを語る
10/04、航空業界のANAのCS戦略に学ぶJXへの応援歌
09/04、格安レンタカー1、2、3、4、5
08/09、垣見SSスクール、洗車向上<CS<ES<コーチング
07/02、コーチング手法に学ぶ成功への秘訣
05/12、女子大再講演は社会貢献、05/07、女子初講演、幼児教育も心は同じ
05/05、「真のCS」大反響、社会貢献に発展?、新聞記事等紹介
05/02、真の顧客満足は、全従業員の心からのやる気と満足から生まれる
04/10、真の顧客満足度調査委員会 第1回活動報告
04/04、ES大反響!、業界記事、04/03、ESなくしてCSなし
03/11、ES委員会報告、03/07、渡辺昇先生(ES解説)
03/05、ES調査事業挑戦 、02/12、真のCSは、ESの徹底から
12月下旬。JX東京支店様より、内定通知を頂きました。そして同時にJX幹部の皆様から
お祝い電報等を多数頂戴しました。誠に嬉しいことなのですが、私は、とても喜べません。
というのも以前事務局の方から、「あくまでも内々定。消防法違反等での営業停止は勿論
弊社社員が警察のお世話になったり、或いは我々SS側に全くの過失がなくても、SS内で
お客様が人身事故等を起こしたら、、、、、、」。例えば甲子園野球で折角出場が決まって
いても、その学校の他の生徒が不祥事を起せば出場辞退を迫られる昨今です。今は、
喜ぶ時ではなく、益々気を引き締める、そしてその気持ちだけに終わらせない時なのです。
実際、年末の超多忙時、小さなヒヤリハットは、幾らでもあります。危機管理のピラミッドは、
270のヒヤリハットがあり、29の小さなトラブルがあり、そして1つの重大事故に繋がるそうです。
年末は、何とか掛け声だけで、無事乗り切ったものの、最後の試練が待ち受けていました。
オートジョイ八王子の所長が、二級整備士コースの缶詰授業で3週間SSを不在にするのです。
勿論2-3日の休日や4-5日の夏休みなら何の問題もありませんが、所長の20日間もの不在は、
会社としても初めて経験です。自信のある所長は「大丈夫です」と言いきって出かけるものの
心配症の私は、ある日覆面状態で見に行きました。その実態は、、、、、、
JX様が行っているミステリーショッパーズという覆面調査の8月成績は、堂々の100点満点を
取ってくれた八王子ですが、私が覆面状態で行った1月某日は、残念なから、厳しく見れば
60点のレベル。スタッフ同士のあうんの呼吸も今一歩。お客様をお待たせしてしまうのは、
多忙時なら仕方がないにしても、その事前のお詫びの声かけが不十分等々、どう見ても
普通のSSです。
本社に帰って早速対策を打ちました。新しく引き受けた環七馬込に常駐していた給油所課長を
急きょオートジョイ八王子付きにするとともに、その課長が行けない時は、所長経験もある本社
業務スタッフを派遣するなどしても、再び万全なSSに戻しました。
しかし今の業界のフルサービスは、残念ながら正社員は2-3名という少人数配置が普通です。
エネ庁賞を頂くSSでさえ、ここまで人件費を削らないと黒字にならないと言う、極めて余裕の
ないぎりぎりのところで運営せざるを得ないというのは、SS業界人として誠に残念な話です。
資源エネルギー庁長官賞の表彰は、平成23年1月26日、東京プリンスホテルに於いて
盛大に開催されました。表彰は、全国の37SSですが、例えば巨大元売の巨大支店である
JX東京支店でさえ、弊社1社のみですし、東京都だけを見ても全元売を通じても2SSだけ
ですので、私が申し上げのも変ですが、本当に狭き門と思います。
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左写真は、細野長官から表彰状を受ける福所長。 右写真は、全員での集合写真。
賞状を受け取るのも写真撮影も1社1名のみと司会の方からご案内だったのですが、
弊社は、社長ではなく「福所長」というところが、ESを重視する弊社ならではと思います。
ちなみにこの私も一カメラマンとしての同席を許され、本HP用写真が可能となりました。
今回の受賞は、色々な意味で本当に嬉しく思います。
新日石とJomoが経営統合してJXエネルギーとしても最初の受賞ですし、洗車で日頃お世話
になっている ビューテ―様、アイタック技研様、またニコニコレンタカーで大変お世話になって
いるレンタス様に対しても、本当に良いご恩返しが出来たのではないかと誠に嬉しく思います。
さて今ご覧頂いているSS経営者の皆様。弊社が受賞出来て、皆様にチャンスがないはずは
ありません。今年の夏も燃料油脂の紙面や石油連盟のHPに募集要項が掲載されます。
取引先の元売が推薦してくれるかはどうかは別として、まずは自分で取り寄せそれを読む
だけでも、自分のSSに何が不足しているかのヒントにもなると思います。その努力で毎年
改革を続けていれば、そのやる気と実績は、お客様に必ず評価されるでしょう。
そうなったらあなたのSSは、間違いなく近未来のエネ庁長官賞候補だと思います。
最後になりましたが、日頃弊社をご利用頂いているお客様。今回の受賞は皆様のご指示あって
の賜物と深く感謝する次第です。今後はその名に恥じないよう、より一層の努力をし、お客様が
素晴らしいカーライフを送る為の良きパートナーとしてお役に立てるSSになりたいと存じます。