格安SSレンタカー 7、8月好調報告
 ニコニコレンタカー好調報告とかなり厳しい辛い話も聞いて下さい
あなたは格安SSレンタカー関連企画の番目のお客様です。過去企画の
  同挑戦記 NO1 NO2 NO3 も是非ご覧下さい UP時15700。 文責 垣見裕司 Ver1

弊社直営全店舗で営業中

弊社は2009年3月よりセルフ河辺SS(青梅市)にて、格安レンタカーを始めました。
その後は4月に八王子長沼と八王子楢原に2店舗。そして9月は西東京市の南田無店。
12月は大田区環七馬込店をオープンし、そして本年6月には、西八王子の恩方という
当社ではもっとも田舎のSSでも初めました。
よく同業の皆様から「本当にそんな売り上げがあるのか」と聞かれます。ニコニコレンタカー
との一括契約は、最初の3店舗のみで、その後の契約は、売上が好調でなお且つ収益にも
結び付いているという何よりの証拠でしょう。特に7月と8月の売上げは、絶好調です。
今まで弊社HPでは、その具体的な実績発表は差し控えて来ましたが、本当に記録的な
数字が出ましたので、感謝をこめて、初めてご報告させて頂くことにしました。

7月、8月の売上げは絶好調です

7月は、6店舗合計24台の車両でスタートし、合計228万円の売上げとなりました。
7台と最も車が多い大田区の環七馬込は、何と58万円まで伸びました。
Sクラス二台で始めたばかりの西八王子恩方も14万円です。
但しこの恩方は、駐車場代が、かからないので、採算には十分合っていると思います。
そして計画30台が、何とか整った8月は、本当に素晴らしい実績となりました。
まず8台確保した馬込は100万円。八王子も過去の未収が入金しこちらも100万円。
河辺と南田無も50万円突破で、直営6店舗では、366万円と記録的な数字となりました。
6店舗合計の車両別の予約状況は以下の通りです。ちなみに稼働率80%は、
お客様からご覧になると、予約は全くとれないレベルです。        単位千円
8月稼働車種 台数 構成比 稼働可能 稼働日数 稼働率 貸渡日数 合計売上
Sクラス ヴィッツ等 16 53.3 479 386 81.0 224 1938
Bクラス イスト等 6 20.0 186 144 77.0 77 678
Mクラス ブルーB 2 6.7 62 45 73.0 21 259
Fクラス MPV 4 13.3 124 89 72.0 42 701
K1 ダイハツハイゼット 2 6.7 60 25 42.0 21 104
 合 計 台 数 30 100.0 911 689 76.0 385 3680

売上に締めるニコレン本部費の割合は  (9月6日に8月データに更新します)

売上が良くても本当に最終利益が上がっているのか、7月データで徹底分析しました。
   加盟一時金等の初期費用を5年均等払いにした金額 A
   後発加盟店3店舗の追加固定費             B
   運航サポート等変動経費                  C
   広告分担金                          D
    小 計                            E
   保険料                             F
   本部向け支払い総合計                   G
   車購入代金諸経費月割24-36か月            H
   駐車場代                           P
   格安レンタカー事業合計経費(人件費除く)       T
ABCDの合計Eまでの本部への支払いは、売上の約Q%。
各種保険代(自社でかけるより安価)を含むGでもR%なので、高くないと思います。
その他は車両費ですが、上質中古車で36カ月利用すると月額 H 万円。
駐車場代Pも含んで、最終利益が約S%となりました(但し人件費除く)。
8月も一部従量経費が増えるだけなので、利益率は大幅に改善されると思います。
経費については、極秘データにつきネットでの公表は差し控えますが、格安SSレンタカー
を本気でご検討の方は、社名、役職名、氏名、ご記入の上こちらより、ご連絡下さい。

悪い話もご報告

9月1日現在、30台が稼働する当社のレンタカー事業ですが、開始前から所有していた車は、
軽トラック2台だけなので、その他は、全部購入しました。まずこの我々として愛情を注げる上質
中古車を安価、適価で調達してくるのが、非常に大変です。その反面事故が意外に多く、この
1年半で何と3台の廃車となりました。その内の1台は、買って僅か3か月の優良車種でした。
そしてこの1年半の最も辛かった事は、ついに乗り逃げ盗難が発生してしまったことです。
格安レンタカー事業を始めた時から覚悟はしていましが、やはりつらいです。
現在進行形なので、これは一段落したら詳しく書かせて頂きたいと思います。

 

上記左写真は、河辺SSの日産キューブ。4月下旬、高速でトラックに追突される。
写真では、大した被害ではないように見えますが、バンパーと後部ドアのみならず、
シャ―シも一部歪んでおり、修理見積費が最取得価格を超えたので7月に廃車とした。
尚、本件は相手があり責任割合がはっきりしていて保険金額が入ったが、同程度の
車が買える金額ではなかったので、弊社の交渉が今一つ甘かったのかもしれません。
上記の右写真は、お客様が100%悪いケースで、この場合は修理費の捻出に苦慮します。

資源エネルギー庁SS表彰も立候補を検討

全国で講演をしておりますが、何か良いビジネスはないかと良く聞かれます。強いて言えば、
このレンタカーですが、それでも世帯当たりの車保有率が高い地方では成立しません。
しかし何か新ビジネスを立ち上げないと、このSS業界は生き残っていけないのでしょうか。
私は、弊社が命としている「洗車や特殊コーティング」でもガソリンのついでの「油外」などという
洗車の神様がいらっしゃったら、大変失礼にあたる言い方ではなく、洗車という王道でも
十分生き残っていれるのではないか。よって、SSとしては全く新しくない「洗車」と、少し
専門的な「特殊コ―テング」と、そして業界に登場してまだ1年の「SSでの格安レンタカー」で
申請してみよと思いました。後日本HPで報告がなかったら、断念もしくは落選と思って下さい。

番外編報告 JXエネルギーの「新新仕切り体系見直し」へ

さて本HPや講演等で「早ければこの9月に、遅くとも来年3月に見直しがある」と予告した
新日本石油改めJXエネルギーの「新・新仕切り体系」ですが、この10月から見直しになる
ようです。その内容については、弊社は第2者の立場にあるので公表は控えますので
業界新聞等でご確認頂ければと思います。もしその内容が、新聞を読んだだけでは、
「良く分からない」のであれば、情報の筒抜けだけは改善されたのかもしれません。
とにかく、あるべき体系に改善されることを願っております。
お客様はSS数の減少を望んでいるのか
 月刊ガソリンスタンド9月号が大反響。その他レンタカー好調報告他
あなたはSS数&セルフ関連企画の番目のお客様です。UP時70000。8月内容からどうぞ
月刊ガソリンスタンドに「SS業界に願いを込めて−業界ニュースの行間を読む」という連載を頂戴して
おりますが、9月の「SS数報告の評判が非常に良い」とのご報告を頂き大変嬉しく思っています。
内容としては、本HPの8月企画の中のSS数に関して深堀したのですが、その結論がよかったようです。
月刊ガソリンスタンド社に特にお許しを頂いて、その内容をご紹介したいと思いますので、同誌を購読
されている方は、改めて86-89ページをお読み下さい。その他、昨今のレンタカー他の出来事を
アラカルト的にご報告させて頂きます。         文責 垣見裕司 10/9/3更新 Ver2 

東京にもSS過疎問題発生?

全国的に見てもピーク時からの減少率が約50%と、一番多い東京ですが、同じ東京でも
都心や23区と都下では顕著な差が出ています。以下は当社調査の組合データですが、
ピークと思われる1978年3月末と本年3月末を組合支部別に比較した減少率です。

何と 杉並中野77%、葛飾文京74%、港新宿渋谷世田谷73%とその減少率は70%以上
すなわち残存が3割に満たない地区があり、それが都心の千代田中央ではなく、住宅地
というところが非常に興味深いところです。
一方、東京都下市町村部の減少率は56%にとどまっています。これは撤退も多いが、
新設も多かったというのが実感です。弊社SS周辺でも本当に多くのSSが新設されました。
従ってこれだけSSが減っているにも関わらず、まだ不毛な価格競争が続いている理由が
分かる気がします。

さてこれは当社の本社が、国道20号線(甲州街道)に面しているので、良く紹介するSS
過疎の例え話なのですが、国道1号線を調布方面から都心に車で走って来たとして、
環状8号線との交差点の手前、烏山のエネオスを最後に、環八、環七、環六を過ぎ、
四谷の外堀通りを超えて、都心のマラソンランナー聖地、内堀通りの皇居半蔵門まで
約15kmの上り車線に、もはや一か所のSSもないのですが、この事実が本当に知られて
いないのです。

実は下り線には、2-3箇所ありますが、甲州街道は上下4-6車線。上には首都高速もあり、
その太い柱が多数存在しているので、反対車線にSSを運よく見つけたとしても、道をよく
知らなければ、Uターンをして反対車線のSSに行くというのは、かなり大変なことです。
更に半蔵門に突き当たり、皇居を1周しても、内堀通りに面したSSなどありませんから、
カーナビがしっかりついていて、周辺地区をちゃんと検索しないと、都心に来て走りながら
甲州街道沿いにSSを見つけるというのは、大変なことになりつつあるのかもしれません。

セルフ数もそろそろピークか

本年3月末のセルフ数は8296SSですが、4万を分母とするセルフ割合は、約20%。一般に
セルフはフルサービスSSの3倍売ると言われてきましたので、仮に2.5倍としても、今、
日本のガソリンの半分は、セルフSSで給油されていることになり、これはセルフ解禁当時
正直想像できなかった高い数字だと思います。
1998年に解禁されたセルフは、最初こそ様子見の増え方でしたが、2001年度から爆発的に
増え、増加のピークは2006年度の+1206となりました。その後、毎年の増加数は減少し、
2009年度は522個所増となり、出店ペースは明らかに鎮静化してきました。

それを別の視点から表すのが、セルフSSの撤退数です。実は、この1年間で新規増加が
683個所もあるのに対し、撤退も何と161個所もあることは余り知られていません。
そのセルフの撤退数の過去全ての累計数は、何と537にもなるのです。
(累計出店数は8,833個所、累計撤退数が537、結果、今残っているのが8,296個所)
ブームも去り、セルフに適した候補地も少なくなり、遂に淘汰時代が始まったのでしょうか。
それにしても、こんなに簡単出店し、こんな短期間に簡単にやめてしまう。プロパー特約店
というか、少なくとも私には信じられません。

SS数はどこまで減るのか

それがいつ何か所で落ち着くのかが分かれば苦労しませんが、私になりに予想してみます。
1年間に約1700の減少というのは、毎月約140SSペースです。また6月末元売系列SSの
速報によれば、合計は30,037で3月末比マイナス302。よって年間1200SSの減少にPBの
廃業分を加えるので、少なくとも今後1年は、このペースが続くのではないでしょうか。
しかし2年後の閉鎖は急増するでしょう。消防法改正で40年、50年を超えたタンクに対して、
入れ替えなら2000-3000万円(例、タンク3本4油種で合計60KL等)、内部をFRP加工する
方式が可能だとしても、500万円前後の費用で、対策をしなくてはならないからです。 
法律は本年6月末に交付され、来年2月が期限ですが、2年のみ猶予期間が与えられました。
対象となる「腐食の恐れが高いSS」は約4千。「特に高いSS」約4百あり、合計約44百です。
全石連が行った調査によれば「タンクを入れ替える」が約8%、「FRP加工の対策をする」が
35%で、合計43%しか実施の意思を表明していません。一方「まだ分からないが」35%を
占めるとともに、「これを期にSSをやめる」が22%もあるのです。従って2年目は対象となる
4400の3割近くが、廃業しても不思議ではないと思います。結論から言えば、今後2年間で、
やはり4000SS近くは減少し、その後は減少ペースは鈍化して年1千としても、2017年から
遅くとも2020年には、30000SSの大台を間違いなく切るのではないかと思います。

では絶対(最低)必要数は何SSなのか

2009年2-3月に委員として参加したエネ庁の「次世代SSの在り方に関する研究会」で私が
ご提案したのは、阪神淡路大震災の時に、SSが果たした役割を基にした災害対応SS
ですが、垣見試算では全国に何か所必要なのでしょうか。
私が参考するのは、全国の市区町村数1750、警察署数1270。消防署数1710ですから
これが一つの基礎数字になると思います。しかし弊社のある千代田区や自宅のある杉並区に
災害対応SSが1箇所で良いはずはなく、市町村合併でとてつもなく大きい面積をもつ「市」も
あるので、各自治体に最低5箇所の災害対応SSが必要とすれば、その数は全国に約1万です。
一方7月号でご紹介した水素スタンドビジネスモデル検討委員会では、その必要とする数は
大都市圏を中心に1000箇所でスタートし、2030年には全国で2千が最低条件とのことでした。
これらを総合すると、日本には最低2万の普通のSSと、内半分の1万の災害対応SSと
更に2000のSSに併設された水素スタンドが、数としての絶対下限ラインと思われます。

お客様から見た適正数は 

しかし上記の2万は最低限の輸送体のエネルギー供給という本当にデッドライン的数字です。
しかし我々はサービスステーションです。弊社が最も得意とする「洗車」で考えると
「地主様のみがビジネスとし成立するコイン洗車場」等を除けは、洗車専業は「快洗隊」さん他
ごく一部しか存在していないことから考えても、洗車等の身近なカーケアを担っていくのは、
今も将来もSS業しかないでしょう。
しかし弊社のSSで申し上げれば、晴れた土日祝祭日は洗車のお客様で大混雑で、本当に
申し訳ないと思うののですが、1時間近くお待たせてしてしまうこともあるなど、大変ご迷惑を
おかけしています。それでもSSトータルとしての利益は、お恥ずかしい限りなのです。
このような状況に対して、我々SS業界の経営者は、自分のSS経営に今一自身がないので
絶対SS数が減れば、その分少しは、自分のSSにお客様が来てくれるだろうと、同業他社の
SSの減少を期待するような風調があります。
しかし、その減少分を持って行くのは、一部の量販型の大型セルフのようなお店で、何もしない
SSが、じっと我慢して耐えてさえいれば、将来残存者利益が、出てくるというようなものでは
ありません。しかし残念ながら、その一部の量販セルフすら儲かっていないのも実情です。
従って、SS数が減ることで黒字化を期待するよりは、業界全体が、ガソリン等を適正価格で
販売すべきことに、気がつく方が遥かに大切なことだと思います。
そして少なくとも日々の最低限かかるコストはガソリン等燃料油からの粗利で賄い、洗車や
レンタカー等の努力や工夫によって得た収益が、損益分岐点のからの上澄み黒字となり、
その蓄積でタンク等の設備投資をする環境が必要なのです。
お客様は、これ以上のSS数の減少など絶対望んではいません。
今こそSS業界が自らの利益を蒸発させてしまう、不毛な価格戦争を止め、ガソリンスタンドが
ガソリンそのもので、最低限の利益を上げる環境を作る事の方が、遥かに大切だと思います。