2013年度業界販売と元売決算データ比較 NO23
 7月は合計10講演(6営業日連続講演)お招きと御縁に感謝です
元売決算で 番目、東京水素戦略会議で目のお客様です。
今月は、各地での講演報告と、FCV+水素スタンドの続報、そしてもうここまで来たら続ける
しかない 業界販売数量と、元売決算報告のアラカルトにさせて頂きます。 文責 垣見 裕司

7月は10回も講演や発表、プレゼン等をさせて頂きました

講演らしきものを始めて約20年になりますが、今月程多かったのは初めてです
7月4日 水素社会の普及にむけた東京戦略会議プレゼン(東京ガス様と2社だけ)
7月8日 北見 石油連盟他主催 石油セミナー
7月9日 旭川 石油連盟他主催 石油セミナー
7月16日 東京都石商経営情報委員会 東京戦略会議プレゼンと進捗状況説明
7月17日 コスモ石油 福岡支店様 7/30油業報知に掲載されました
 真の顧客満足度は、従業員の全員の心からのやる気と満足度から生まれる
7月18日 仙台 石油連盟他主催 石油セミナー
7月22日 函館 石油連盟他主催 石油セミナー
7月23日 札幌 石油連盟他主催 石油セミナー

7月24日 元売特約店会 FCVと水素スタンド普及の具体的提言(トヨタ様と)
7月30日 東京戦略会議 追加プレゼン

7月は実質22日営業日しかないので、10回は驚異的ですし、7/16から7/24まで
6営業日連続というのも初めてでした。聴衆者数も札幌の230名は、過去二番目の
大人数でしたが、テニスで鍛えた「逆境時にこそ自分の気持ちをコントロール術」と
聴衆者様の応援のお陰で、大成功だと思います。写真は芝田氏撮影札幌風景

日本のエネルギー情勢と石油販売業の将来像 石油セミナーの講演内容です

はじめに 自己紹介と今日の講演の目的 その為に皆様に是非お願いしたいこと
T 東日本大震災の教訓と今後の東海、東南海、南海地震への対応
 1. 大変だった石油元売 過去3度のオイルショックとの最大の違いは何か
 2. ガソリンパニックの震源地、 実は首都圏の理由
 3. 今回の教訓と今後への対応、今すぐに出来ること アピールすべきこと
U アベノミクスによる円安と日本の輸入エネルギー事情
 1 アベノミクスとは何か  3本の矢 為替レートは 80円から100円の円安
 2 エネルギー輸入大国日本の事情  エネルギー基本計画での石油は善戦 
   最後の砦等文学的表現は極めて高い具体的な数値目標無し 
V シェールガス革命は本物か 日本に与える影響は
 1.  シェールガスとは何か その開発と成功要因
 2. 二分する シェールガス革命の日本への効果
 3. 本命はシェールオイル 原油価格は安定化へ(戦争除く)
 4. 期待される LPGの輸入分散化とその価格
W. 日本の精製業と消費地精製主義を考える
X 収縮する国内需要 その事実を認めた上で どう向き合うか
 1. エネ庁も認めた2030年ガソリン6割減の衝撃
 @ エネ庁主催の委員会発表 ガソリン6割減は本当か エネ庁の英断を評価
 C 新車入れ替えだけでも年4%の需要が減少 登録車 軽自動車の絶対台数
 D 少子高齢化とそれに先行する運転可能世代人口の加速度的減少
 F レクサスはSSや整備業界を激変させた HVが触れるか FCVが普及したら
Y 精製元売の新たな収益源は水素だ 水素社会は日本に国富を生み出す
  脱原発のピーク電力不足は、燃料電池車と水素スタンド&水素社会が解決する
 @.原発停止でLNGの輸入急増 輸出立国だった日本が貿易赤字へ
   水素社会の到来で、原油輸入数量と金額(2013年は約14兆円)は半分ですむ
 A.水素は何から作る? 石油業界は、ガソリン、LPG。都市ガス業界はLNG
 B.どう運ぶ、高圧タンク、有機ハイドライド、LP改質、液体水素、導管供給
 C.動く中型発電機としてのFCVの実力 震災対応に最適 SSの急速充電器に
 D.水素スタンド2013年 名古屋市と海老名市に完成
 E.水素スタンドビジネス検討委員会 垣見提唱のビジネスモデル
 F.東京都舛添知事「水素社会普及に向けた東京戦略会議」設置 垣見も委員
Z 石油販売業の将来像
  1. お客様が求めているものは何か 迷ったら お客様に聞く
  2. ガソリン、灯軽油、重油、LPG、都市ガス、少なくともユーザーに境界はない
  @ 家庭用燃料電池、LPガス、都市ガス、 発想としてはすばらしい商品 
  A 灯油なら エコフィール  LPガスなら エコジョーズ 
  B 捨てがたい灯油ファンヒーターと その威力 やっぱり直火だね 
  C 都市ガスエリアに売り込もう、エコフィール、エコワン、ハイブリッド給湯器
  D 2016年の電気の自由化で都市ガスも自由化  
 3. ガソリン 灯油 LPガス を扱う 我々の最大の強みは何か
  @ カーディーラも貰やましがる 来店頻度  
  A 灯油販売店 LPガス販売店の強みは    
  B LPガスの保安点検の時には キッチン内で会話のチャンス 
 4. 家庭のエネルギーコンサルタントに (信頼を得た上で私の夢)    
  @ 新築なら住宅展示場のハウスメーカーが相談にのってくれる
  A リフォームの場合は誰に相談するのか
  B エネオスおうちのエネルギー診断士 2005年3月フォーラムでの私の提案

[ 真の顧客満足は、従業員全員の心からのやる気と満足度から生まれる
  地域NO1のCSで、地域オンリー1の魅力ある 販売店舗をつくりませんか
1. 真の顧客満足(CS)サービスとは何か
2. 地域No1の高CSサービスを実現する会社・支店・営業所を作ろう
3. 当社では、どうCSを教えているか 新入社員 山田君の例
4. 真のCSは、従業員の資質や能力の向上と、からのやる気と満足度が必要
5. では、従業員のやる気や満足度を高めるためには、どうしたらいいのか
6. やりがいのある給与システムへ & どんな評価制度がいいのか
7. 仕事を成功させるために トップやリーダーに気付いてほしいこと
8. ESの向上はトップやリーダーが気づき変わること。従業員の皆さんも同じ
9. 指示命令力 や 伝達力より 聞く力 その気にさせる力が必要
10. コーチングとは何か、  穴あきレジメの本当の意味
11. 子育てにこそ使えるコーチング  某女子大講演で評判の良かった話
12. ENEOS全国1万SS 覆面CSチェック 2007年2009年 全国NO1の秘訣
13. すぐに使える垣見油化SSの洗車収益UPの秘訣 キーワードは「感動」
14.吉祥寺SSの驚異的な実績 引受から10か月で損益分岐点指数マイナス
15. SS廃止→跡地利用でやっていけるなら閉鎖も 弊社もS&Bの歴史です
16. 創業142年の歴史から考える 四代目の若手経営者どっちがよかったか
  会社と社員の「心」と「利害」のベクトル合わせと仕組み作り
  近江商人風+αで言えば  最後の最後は山でクマに出会った時の理論
  石油村の動物園に例えれば、系列も決して悪くない。不満よりメリットを活かす
2013年度業界販売と元売決算データ比較 NO23

業界販売データ 元売決算編

13/8.NO22.2012年度決算編、12/8.NO21.2011年度決算編、11/8.NO20.2010年度決算編
10/8.NO19.2009年度決算編、09/8.NO18.2008年度決算編
08/8.NO17.2007年度決算編
07/8
.NO16.2006年度決算編06/8.NO15.2005年度決算編、05/8.NO14.2004年度決算編
04/8.NO13.2003年度決算編、03/8.NO12.2002年度決算編、02/8.NO11.2001年度決算編
01/8.NO10.2000年度決算編、0/11.NO9.原油処理設備問題、00/8.NO8.1999年度決算編
00/4.NO7.どこまで下がる石油株、99/8.NO6.1998年度決算編、99/2.NO5.経費削減リストラ
98/8.NO4.97年度決算編、97/8.NO3.96年度決算,販売,SS数

石油製品別国内販売実績一覧表 2013年度(2014年3月末期)

まず業界環境がどのように変化しているのか。震災の影響をまともに受けた
2001年度の一年前の2010年度から3年間の比較は非常に重要だと思います。
ガソリン需要は、マイナス1.4%減の5542万KLですが、個人的には減少率が
よくこの程度で収まったなという感じです。灯油は長期低落傾向が続いています。
軽油は東北の復興需要に加えて、オリンピック開催で東京も伸びたそうです。
A重油も長期低落傾向が続いています。景気低迷による廃業や規模縮小、省エネ
天然ガス等への燃料転換等の複合要因だと思います。BC重油の減少は、電力用
C重油の減だと思われます。以上燃料油全体としては97.9%は善戦でしょう。
    
  2013年度 各油種の国内販売数量、資源エネルギー庁発表 単位千KL
ガソリン ナフサ ジェット 灯油 軽油 A重 B・C重 重油計 燃料油計
2007年度 59,042 48,533 5,916 22,666 35,586 21,369 25,354 46,723 218,464
2008年度 57,428 42,861 5,676 20,249 33,728 17,890 23,159 41,049 200,991
2009年度 57,464 47,320 5,283 20,056 32,388 16,043 16,434 32,477 194,988
2010年度 58,159 46,698 5,153 20,348 32,891 15,425 17,343 32,768 196,018
2011年度 57,213 43,728 4,204 19,619 32,866 14,680 23,743 38,423 196,055
2012年度 56,447 43,172 3,965 18,991 33,443 13,759 27,742 41,501 197,519
2013年度 55,419 45,748 5,053 17,893 34,079 13,437 21,890 35,328 193,520
伸率% 98.6 106.0 127.1 94.8 102.1 97.7 77.1 83.8 97.9
2013年度の製品輸出数量実績
2008年度当時、1300万KLという軽油の輸出量には当時は本当に驚きましたが、
それ以降は海外市況も低迷し、日本からの石油製品輸出は安定してきました。
しかし2013年度は、ガソリンを始め、中間留分の輸出は堅調です。
国内市況維持のためという理由もあると思います。

         2013年度の日本の石油製品輸出   
単位千KL
輸出 千KL ガソリン ナフサ ジェット 灯油 軽油 A重 B・C重 重油計 燃料油計
2008年度 710 38 10,080 444 13,050 561 9,269 9,830 34,153
2009年度 1,552 - 8,321 357 11,319 608 7,774 8,382 29,932
2010年度 2,198 - 8,936 198 11,045 733 7,172 7,905 30,281
2011年度 1,253 51 8,693 600 7,619 342 6,792 7,134 25,352
2012年度 1,148 57 9,056 144 6,109 787 7,145 7,935 24,751
2013年度 1,747 17 10,456 760 10,405 558 6,053 6,611 29,998
前年比% 152.2 29.3 115.5 527.8 162.3 70.9 84.7 83.3 121.2
2013年度の製品輸入数量実績
一方輸入です。ガソリンは国内市況維持のためか、かなり抑えたのでしょうか。
但し本来なら、海外と国内海上品の価格比較のデータも示したいところです。

       2013年度の日本の石油製品輸入      
単位千KL
輸入千KL ガソリン ナフサ ジェット 灯油 軽油 A重 B・C重 重油計 燃料油計
2008年度 651 23,105 2 497 293 125 4644 4,769 29,315
2009年度 854 25,838 - 459 317 76 2,257 2,332 29,799
2010年度 1,098 27,215 43 1,053 444 192 3,023 3,215 33,067
2011年度 2,909 24,867 - 1,490 875 89 7,146 7,235 37,377
2012年度 2,883 25,275 94 1,250 582 88 8,742 8,829 38,915
2013年度 1,659 25,926 77 911 253 54 6,781 6,835 35,661
前年比% 57.5 100.0 81.9 72.9 43.4 61.4 77.6 77.4 91.6

過去3年間の月次の輸出入数量を見ると

ではこの輸出入をガソリンに絞って月次で見てみます。2011-12年度は完全に
輸入が多かったのですが、2013年の後半からは輸入を抑え 輸出に力をいれ、
国内需給をしっかり締めているのが分かります。2014年3月の精製設備の廃棄
も手伝って、少なくとも7月までは、ガソリン業転市況が堅調なのはこのためです

では元売にとって嬉しいこの高市況がいつまで続くのか。定期修理がピークを
過ぎる7月には下落するという見方もありましたが、8月も続いています。
やはり昨年10-12月。業転市況-原油輸入CIF価格が5-6円しかないとい地獄を
みた学習効果なのか、それともやがては軟化するのか、注目したいと思います。
      
     2011年以降3年間のガソリン輸出入月次実績数量 出所 エネ庁
2011年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計
輸入 307 138 274 325 480 317 239 78 254 225 101 167 2,905
輸出 48 174 179 60 48 73 153 148 63 120 125 62 1,254
国内影響 258 -36 95 265 432 244 86 -69 191 105 -25 104 1,651
2012年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計
輸入 278 294 310 331 194 297 264 171 178 203 171 195 2,884
輸出 92 29 29 27 36 29 24 125 168 201 117 272 1,148
国内影響 186 264 280 304 158 268 239 46 10 2 54 -77 1,735
2013年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計
輸入 128 97 89 124 231 200 193 193 88 29 114 171 1,659
輸出 11 77 141 79 27 64 151 237 186 273 243 259 1,748
国内影響 117 21 -52 46 204 136 42 -44 -97 -244 -129 -89 -89

2013年度末 元売各社のSS数とセルフSS、元売社有SS数比較表

元売の傾向を分析の際、系列SS数を調べると見えて来るるものがあります。
時系列的変化は、昨年ページと比較して下さい。
今回の特徴的だったのは、幽霊SSを281カ所が削除されたことです。この幽霊は
私の表現ですが、実際は倒産や廃業で既にそのハードはないものの、廃止届け
を出す余裕もなく、当局の書類上は存在していたSSです。
私が最初にこれに気が付いたのは、東京消防庁の把握する給油所数とエネ庁
上の給油所数に誤差があり、消防数の方が常に数%少なかったからです。
前年比マイナス1643は この281を含んでいるので、実際の減少数は、1362です。
また運営者交代や承継を除く新設は235で前年比+8、逆に廃止は1878で、
前年比257カ所増加したことです。
SS総数34706の内、固定式は34056(前年比-1520)可搬式は650(前年比-123)です

      元売別系列SS数 セルフSS数 2014年3月末、社有=元売所有物件

元売会社 3月末数 前年比 社有 前年比 社有比 セルフ数 前年比 セルフ率 セ社有 社有比
JXエネルギ 11,017 -266 2,433 -54 22.0 2,654 +231 24.1% 1318 49.7
出光興産 3,786 -75 1,136 -1 30.0 980 +53 25.9% 617 63.0
昭和シェル 3,442 -113 879 -14 25.5 994 +15 28.9% 496 49.9
コスモ石油 3,228 -97 735 -10 22.8 1011 +11 31.3% 571 56.5
E M G 3,379 -96 723 +5 21.4 1,264 +39 37.4% 474 37.5
キグナス 494 -17 93 -3 18.8 211 -4 42.7% 77 36.5
太陽石油 344 -5 126 -1 36.6 162 +9 47.1% 98 60.5
三井石油 258 -12 97 -3 37.6 139 0 53.9% 81 58.3
元売合計 25,948 -681 6,222 -79 24.0 7,415 +243 28.6% 3,732 50.3
全登録SS計 34,706 -1,643 PBは 8,758 PB比25.2% 9,275 +413 25.5%
本表は各元売HP及び燃料油脂、油業報知、ぜんせき等の業界新聞より集計
主要元売6グループの2013年12月末 2014年3月末期の決算数字は製作中です
この表だけを見るとよくわからないのですが、例えばJXの本業赤字は700億円に
代表されるように、各社とも実は非常に厳しい決算のようです。


7月4日 及び 7月30日実施の水素東京戦略会議データの公開について

お待たせしました。7月4日プレゼン資料と  7月30日プレゼン資料です。
閲覧は無料ですが、皆様是非ご感想をお待ちしています。 感想はこちらから