この1年 石油業界弊社重大ニュース
 
12月5・4日追加 新日石とJomoの経営統合について
あなたは12月企画の 番目のお客様です。  2008/12/3 掲載時 0スタート
この1年は、業界に入って四半世紀になる私にとって、最も大激動の一年で、あと25年たっても
今年を忘れることはないでしょう。本当に色々あり12月4日も新日石とJomoの統合ニュース。
でも弊社のモットーは「変化する環境に顧客満足主義で挑戦し続ける」。この変化をチャンスと
とらえ理念を持って従業員一同とともに本気で頑張った結果、嬉しいニュースもありました。
年末企画は、「気愛を入れ碁縁を大切に感謝を込めて」 業界十大ニュース他をお送りします。
今年も1年ありがとうございました。そして来年もよろしくお願いします。 文責 垣見裕司

0.新日石と新日鉱HD(Jomo)との経営統合発表について 12月5日・4日追加
4日朝の日経新聞一面は衝撃的でした。実は以前しかるべき方から「販売の合併はない」
と漏れ聞いていたので、裏を返せば、精製部門の方は、買取なり合併はあり、それこそ
「大日本石油精製会社」はある
。また販売部門であったとしても事実上は吸収まで。
従って今回の発表のような販売部門を含み、そしてENEOS並びにJomoのブランド統合を
含む経営統合は、正直予想しておりませんでした。

また記者会見の中であった「いつ頃から話があったのですか」との質問に対し、
「8月末」と答えたのも注目です。新仕切り体系のスタートを前に、原油の大暴落が始まり
売値だけが時価による市場連動となれば、原油価格の下落時は、大幅な赤字が出る
ことは、確定的です。やはり両者に相当の危機感があって、僅か3ヶ月での基本契約の
締結とその発表に漕ぎ着けたのだと思います。

また一晩経過し色々情報が入って来ました。新日石の帝国石油との合併失敗は、
新日石側のやや自己中心的な思いであったかもしれませんが、決定的なのは、長年
ラブコールを送っていたと思っていたコスモ石油が、長年の提携関係での色々な想い
から、それを素直には受け取れず、油田開発で関係の深いUAEのアブダビ首長国政府
系の投資会社IPICの資本を受け入れたことです。よって選択肢としては、Jomoしか
なったと言えるでしょう。

通常合併や企業統合にはいくつかのハードルがあると言われています。順不動ですが
合併比率(株式交換比率)、存続会社、社名、ブランド、人事等と言われています。
その最初の関門である経営統合比率(株式移転比率)については、「両社が起用する
ファイナンシャルアドバイザーの評価を参考にしつつ今後共同委員会で協議する」
など心配な部分もありますが、「走りながら考えても、水島の共同事業等で培った
お互いの信頼関係があるから大丈夫であり、それより業界の激変に対応する為の
スピードを重視したのではないでしょうか。

そのスピードですが、本日の覚書締結に始まり、3月に本契約締結。6月の株主総会の
承認を経て、10月に統合持ち株会社の設立、そして2010年4月の中核事業会社の設立。
超えていくべきハードルの数やその高さ、実際にスタートするまでに早いと言っても1年
3ヶ月。その間に、業界環境は更なる激変が予想されますが、もはや走りながら対処して
行くしかないでしょう。新日石は間違いなく業界NO1。新日鉱HDも石油では業界6位で
あるものの、銅では世界的な優良会社。九石の新日鉄同様、実力も名前もある会社
だからこそ、すべてが決まっていないにも関わらず出来た 大英断でしょう。

業界紙や一般マスコミから早速電話を頂きコメントを求められましたが、私は今回の
経営統合を高く評価するとともに大歓迎したいと思います。しかしそれは、日本全体の
エネルギー産業としてみた場合で、特約店等との関係で言えば、物流コストやブランド
コストが数十銭単位で安くなる可能性があるだけの話しで、特約店等に求められる
競争力とかオンリー1の個性とかは、むしろ厳しくなると思っていた方がよいでしょう。

一方間違いなく言えることは、業界再編は加速するでしょう。「次の元売はどこか?」と
聞かれますが、今のままでは、SSも然ることながら元売の方が持ちません。例えば、
一部外資を受け入れても、精製や販売の競争力が強くなった訳ではないので、それ
だけでは勝ち残れません。唯我独尊も立派な個性ですが、問題は競争力です。
またある外資系は、その傘下の特約店等から「日本撤退の噂」を心配する声が寄せ
られています。今この原油暴落と新体系後の国内卸市況や末端市況では、誰も
生き残っていけるレベルではないので、民族系、外資系に限らず、もはや「何が
起こってもおかしくない」ということでしょう。そしてSSも元売主導かどうかは別として
その撤退、廃業、倒産は、末端市況の暴落も手伝ってますます加速するでしょう。
1.サブプライムローン問題に端を発した金融不安は、実態経済も悪化で世界大恐慌へ
アメリカ発の金融不安で世界中が大混乱です。サブプライムローン問題は、きっかけに
過ぎないでしょう。問題がこれだけなら、住宅ローン会社がつぶれるだけで、金融機関に
影響が出るだけのはずです。問題の本質は、その債権を訳の分からない数式を組み
込んだ金融派生商品にしてしまったことであり、その変化等を10倍にも100倍にも膨らま
せてしまうような、何でもありのアメリカ式自由主義そのものが問題と言えるでしょう。
大昔、漁業や農業は勿論、工業や商業までは実業でした。古代の物々交換との比較で
お金の役割を考えれば、それは「物の価値の評価、価値の交換、そして価値の保存」を
するための道具であり、あくまで「従」のはずでした。イスラム教では禁止されているという
「金利」まではまあいいとしても、いつかお金がお金を生み、農業や工業や商業よりも
「金融」が主役となってしまうのは実業主義からは、本当はおかしなことです。
また自分さえよければ良いという個人主義に始まり、国としてはすぐにアメリカの国益。
また税金で救済を求めようとする米自動車会社のトップが、自家用ジェットで乗り付ける
センス。米金融機関の一人CEOの年収が、何と日本を代表するトヨタの監査役を含めた
30数人の全役員役員の報酬より多いことを何とも思わないのでしょうか。
また一見豊かなアメリカですが国内に眼を向ければ全国民の2割が、健康保険すら
入れない貧困層で、医者にもかかれないで野たれ死んで行く人が後を絶たない。
アメリカは、これを機会に多いに反省すべき時でしょう。
しかし本当は金融不安だけのはずですが、実態経済に及ぼす影響も計り知れません。
あくまで私見ですが、今は大底ではなく、来年3月に向け更に悪化するのではないか、
具体的には、NYのダウジョーンズや日経平均にしても5000ドル、5000円割れも
十分に有りうると覚悟を決めている次第です。では我々は今何をすべきか。
皆さん、年末年始に一緒に考えてみませんか。
2.NYのNYMEX WTI原油価格の7月11日の147ドルからの大暴落。
WTI原油価格は、大暴落を大暴騰より重大なニュースであると判断しました。それは、
大暴騰は、約3年かけて50ドルから147ドルまで上がったのに対し、大暴落は147ドル
から47ドルの1/3になるまで、たったの4ヶ月での下落です。150ドルや200ドルを
予測した人はいても、まさか50ドル割れを予測した人は皆無だったのではないでしょうか。
あるべき姿は70ドルと申し上げて来た私としても99.7%を輸入に頼る一日本国民としても
原油安は嬉しい限りですが、流石に50ドル割れという低レベルは、産油国経済に深刻な
影響を及ぼすだけでなく、一見問題ないように見えるサウジでさえも政情不安につながり
かねないと心配しています。やはりあるべき価格は、50-70ドル位が望ましいでしょう。
ちなみにOPECの議長は11/29、新聞記者に対し 70-75ドルが適正水準と語ったそうです。
3.WTI価格大暴騰
本年1月に100ドル/Bを突破し、2月上旬には90ドル割れ、そこから147ドルへの高騰。
米当局が何と言おうとWTIは、実態経済や実態需給を反映したものではなく、投機家達の
マネーゲーム場でしょう。そして産油国のみに富が偏在するという格差も生み出しました。

4.国内ガソリン市況大暴落 誰も儲からないSS市場が続く
11月企画でご説明した通り、TOCOM先物安、海上業転安 新体系、需要減、過当競争
等の複合要因でガソリン末端価格は歴史的な値下げを続けています。
日本国としての仕入れである輸入原油価格は8月の92円に対し11月の推定は49円。
よって原油は43円しか値下がりしていないのに、末端は下記の通り57円も下げています。
更に前月ご報告した大手HCのジョイフル本田は、11/4の119円から、11/14の
117円。11/17 115円。11/21 113円。そして11/27から 109円まで下落。
弊社も新日石の週決めのお陰で毎週変更は出来ますが、それでも近隣エリアで117円
(税込み)が限界ですので、正に誰も儲からない状態が続いています。
             石油情報センター 毎週の調査価格(全国平均)  
ガソリン 8/4 8/25 9/1 9/29 10/6 10/13 10/20 10/27 11/4 11/11 11/18 11/25
価 格 185.1 181.7 176.2 170.2 164.7 161.6 157.4 151.3 141.0 136.6 132.0 127.9
下げ幅 ピーク -3.4 -8.9 -14.9 -20.4 -23.5 -27.7 -33.8 -44.1 -48.5 -53.1 -57.2
5.ガソリン税暫定税率延長問題で大混乱
本年3月最終週は、嵐の前の静けさ。そして暫定税率が廃止された4月1日元売出荷から
の値下げなので、SSは高値在庫を販売し切った3日位以降から下げられると思いきや、
新日石だけは油槽所分の在庫は、「特約店に負担させる」という暴挙とも言える方針が
当初出された為、新日石系特約店販売店は完全に売り負けとなりました。
多くの特約店の猛抗議の結果、5月値上げ時には、4月1日より高値で出荷した数量
のみ、旧価格で出荷するという変則対応にはなりましたが、新日石の方針を信じて
4月中旬まで高値を維持し、全く売れなかったSSが、結果的に損をするという、誠に
遺憾な結果となったことは合計4回の本HP企画でご報告した通りです。

しかし誠に残念なのは、あれだけ大騒ぎをしたガソリン税が、選挙間近と言われる今、
自民党は勿論 民主党でさえ選挙の争点にしていないことです。これで民主党でさえも
単なる政争の具にしたと言われても仕方がないでしょう。
暫定税率分の一般財源化とは、車を持つ人が購入するすべての商品の消費税が5%
ではなく6%であるとほぼ同じことです。来年は間違いなく選挙なので、お知り合いに
政治家がいたら是非説得するなり 弊社HPを見るように伝えて下さい。
尚、今現在もYahooで「ガソリン税」と検索すると何と2-3番目にヒットしております。
6.新仕切(卸価格)体系は、波乱の業界状況の中でのスタート
新仕切り体系については、8月企画後半10月企画11月企画でご説明した通りです。
末端市況の暴落を「この新体系のせいだ」とする声が一部にはありますが、実態は、需給を
反映する海上業転価格の暴落で、需要減を読みきれず生産調整に失敗したことでしょう。
もしこの新体系の実施が来年だとしたら、大手ホームセンターや交渉力のある大手量販店、
業転価格で買えるPB店の3人勝ちになっただけで、やはり末端市況は下がったと思います。
その意味では、前述4の通り、ジョイフルホンダ価格にはついていけないものの、比較的小
規模特約店や販売店でも、ある程度の幅で、毎週追随出来るのは、新体系のお陰でしょう。
しかし売値だけを時価にし、仕入れはそのままなので、元売にとって下落傾向時は、大赤字
になることは明白で、「仕方が無い」とか「あるがまま」では、株主への責任を果たしている
とは言えないでしょう。一気に全量を購入すると先物市場の方が持ちませんが、少なくとも
半分位までの数量を、少しずつでも良いので、リスクの対策を始めた方が良いと思います。
しかしその実施時期は、原油暴落の時期と重なり、結果としては誰も儲からない最悪の業界
状況が続いています。最初の新日石と新日鉱の経営統合発表にもあるように、「それだけ
とは言わないが大きな要因でありその決定スピードを増したことは事実でしょう。
7.業界再編へ加速 想定内の新日石の九州石油経営統合だけでなく衝撃の新日鉱の経営統合
新日石と九州石油の経営統合は、業界では古くて新しい想定範囲内の話で、新日本製鉄の
決断待ちという感じでした。しかし最初に記したように新日石と新日鉱との経営統合は、業界
に衝撃を与えたと言ってもよいでしょう。詳しくは新日石等のニュースリリースをご覧下さい。
8.発券店値付けカード問題は、公取回答も不十分のまま水入りへ
この問題について、元売は特約店ではなく、公取とだけ相談し、ある意味煙に巻くような
「SSごとかつ、各カードごと加盟するかしないかの選択制にする」という回答を出しました。
一見自由度が増えたようなので、公取も納得?。しかし当社HPで何度も申し上げている
「私たちSSはガソリンそのものではなく、給油というサービスを売っている。手数料とか
 代行料という表現でぼかしているが、超都心坪3000万円のSSと地方にある坪1万円
のSSの給油サービス料、7円と一律に決めていることは立派な再販指示ではないか」
この疑問に何の回答も出してはおりません。各地の石商でも「問題全く解決していない」
という不満の声も早速上がっているので、来年に向け解決が先送りされてしまいました。
更に申し上げれば、伊豆諸島や長崎等の離島への配送コストは、本土のSSより最大
50円/L以上も掛かっています。宅配便の料金体系でも「北海道沖縄離島は除く」という
ような料金表はよく見かけますので、全国一律の給油代行料はやはりおかしいでしょう。
9.ガソリンの需要減退は確定的に
11月企画でも申し上げましたが、ガソリン需要の収縮は決定的です。安くなったからと
言って需要が戻ってくるということはなさそうです。長期的な予想では、例えば2030年に
2006年対比60%等の見込みもあるようですがそんな減り方では、収まらないでしょう。
仮に前年比90%とすれば、たった6年で53%にまで減少するというのは算数の話です。
当社では、最短2015年に現行比半分のガソリン販売で経営が成り立つか本気で
シュミレーションしています。 11月企画参照
年度/月 07年度 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
ガソリン万KL 5908 446 577 461 440 486 469 477 468
前年比% 97.5 86.0 117.3 94.5 91.1 93.2 86.0 91.2 93.0
在庫量 万KL 252 213 235 210 200 230 206 219
前年比% 111.5 98.7 109.6 108.3 110.3 113.1 115.2 117.6
10.青森PB大手会社倒産
過去も大手SS販売会社の倒産は沢山ありましたが、今回が今までと決定的に違うのは、
「プリペイドカードや灯油券で一般消費者被害者として巻き込んだ初の大型倒産だ」と言う
ところです。経営者の資金繰り的常識で言えば、掛け仕入れからキャッシュオンデリバリー
に移行する際、資金が不足することは当たり前なので、やはりそれまでの経営そのものに
大きな間違いがあったと思います。更に消費者をプリカや灯油券で巻き込むなど言語道断。
そしてもし、この会社の倒産があと1年遅かったら、近隣の普通の中小SS業者が完全に
参っていたかもしれません。特に地方のSS過疎問題は、このまま行くと深刻な問題です。
青森県という限定的な場所で20数箇所のSSを持つ会社は、相対論で東京で考えれば、
100箇所以上を持つ大会社が、一気につぶれたという感じでしょう。
青森の地元テレビでは、長く同報道が続いていたそうですから、地域に与えた影響は、
少なくないと思います。消費者に被害が及んだり、一社の間違った経営判断のせいで
地域のSS業界が崩壊してしまうなら、最後は政治なり行政なりの出番だと思います。
番外編 弊社NO1 新日石全国約10000SS中 覆面による顧客満足度調査 第一位
新日本石油が企画している全国特約店SS表彰において、弊社のオートジョイ八王子と
オートジョイ西八王子が、CS(顧客満足)部門で表彰されました。東京代表の4つの枠に
50%の高確率で2箇所入選したのも快挙ですが、西八王子SSが何と第1位となりました。
日頃 真の顧客満足は従業員全員の心からのやる気と満足度から生まれる。
    従って会社は、その従業員満足度の向上への継続的な努力  
、  
実践した来た弊社にとっては、最も嬉しい賞を頂いたと思っております。西八王子の
田中浩二所長、川浪副所長、坂本譲二前副所長。そして全従業員の地道な努力と成果
の積み重ねだと深く感謝するとともに、一緒に仕事が出来ることを嬉しく誇りに思います。
 
弊社NO2 3年連続で新店舗お引き売け 11/1よりオートジョイセルフ河辺SS運営開始
2006年4月、弊社として15年振りの「オートジョイ西八王子」の出店は、2006年末にご報告
また2007年10月に八王子市の長沼に出店は、昨年12月企画でご紹介した通りですが、
本年11月、青梅線河辺駅から直線で200mという好立地に屋内セルフをお引き受けしました。
セルフは初めてで、戸惑いも多いのですが、セルフ+洗車&特殊コーティング専門店を
目指したいと思います。塗装等の補修工事も終り、11/28よりオープンキャンペーンを開始。
前述のジョイフル本田が、直線で6km圏にあるので、市況は良いとは言えませんが、心配
していたアルバイトスタッフも、魅力ある人が沢山集まりました。
セルフだからこそ素晴らしい
従業員と共に「笑顔と心の接客で感動の洗車&コーティング」を目指して頑張ります。