近未来自動車の主流は何か 我々の対応は?No5
東京モーターショウ2009写真報告と急速&普通無料充電サービス実験開始
あなたは近未来自動車の番目(UP時140000)のお客様です。 2010/1/27更新 Ver3
昨年11月の話で恐縮ですが、2007年に続き、今回も東京モーターショー2009に行ってきました。
ビッグ3を初めベンツ、BMW、ワーゲン等の欧州車もいないのは確かに寂しく思いましたが、来場
者は私の想像より遥かに混んでいました。そして狭くなったからこそ、見えてくるものもありました。
大逆風にも関わらず出展した国内メーカー他EVベンチャー企業の展示から何を感じたのか。
折しも資源エネルギー庁と新日本石油のご配慮で、この2月より弊社のセルフ河辺SSにおいて
急速充電器を設置し、その実証試験を開始することにもなりました。またこれに合わせ充電器の
エアーポケットとなる 八王子エリアをカバーするため、オートジョイ八王子楢原SSとオートジョイ
八王子長沼SSでも200Vのコンセントを設置し、充電サービスを開始したいと思っています。
今月はこの報告をさせて頂きます。09年7月近未来自動車No409年2月近未来自動車No3
07年7月の近未来自動車の主流は何かNO107年11月企画 東京モーターショ-写真報告
も合わせてご覧頂ければ幸いです。2007年6月企画後半の マニアックなバッテリーの話
03/10月-燃料電池車の実力はどこまで来たか NO3  02/01月-同 NO2
00/10月-エコカーの実力はどこまで来たか NO1 も是非どうぞ。 文責 垣見裕司

注目は、トヨタ プラグインハイブリッド(PIHV) プリウス

一番見たかったこの車の最も知りたい事は
バッテリー容量とEVのみの走行距離です。
12月から一部リース発売開始なのに、11月
8日現在、そのスペックはまだ発表されて
いません。説明員に聞いても「EV走行距離の
目標値は20km。バッテリー容量は公式発表を
お待ちください」とのこと。しかし感動したのは、
バッテリーの耐用年数とその耐用走行距離です。
「初代プリウス時には、大変ご迷惑をおかけ
しました。でも今は、走り方によって違うので
保証はしておりませんが、10年10万Kmは、大丈夫です」という力強い説明でした。
最初から完成度の高い車を市場に投入する日本車のお家芸は、ユーザーには
誠に嬉しいことです。以下12月中旬になってやっと発表されたデータを紹介します。

注目したいこの数字

SS業界人として是非注目して頂きたいのは、@バッテリー容量とEVのみの走行距離。
A販売価格、そしてB生産台数です。 まず販売価格ですが、このPIプリウスが、既存
プリウス価格と比べて幾ら高くなるのか。EV走行距離が23.4kmでバッテリーの容量UP
と充電機能の追加が50万円程度なら、既存プリウスのオプションと考えて良いでしょう。
しかしプラグインの本当の意味は、使い方によって限りなく電気自動車になることです。
私はEV走行距離が、一般にセカンドカーの1日の走行距離と言われる30kmを今後超え
50km以上になるなら、iMiEVの400万円以上でも、十分売れると思っていましたが、12月
中旬に発表された価格は約500万円という価格帯でした。
最初は一般の人は買えず、法人向けの限定リース販売からスタートするようです。
 しかし私は、高いとは思いません。むしろ、世界でトヨタとホンダしかつくれなかった
既存のハイブリッド車が、210万円と180万円(ホンダ)が、安すぎたと思います。
月間生産能力を遥かに上回る注文に応えきれず、お客様を半年も待たせてしまうのは
顧客満足的にも問題です。「高くてもいいからすぐにほしい」という方のニーズを満たし
その受注を見ながら、徐々に価格設定を値下げしていくという方法もあったと思います。
そして本当の注目は、Cの生産台数です。10年前半までに全世界で600台という発表
ですが、問題は2010年度以降の一般向けの本格販売後です。
既存プリウスは、月間約3万台。私はプラス270万円の500万円なら環境をアピールした
い一部の人のニーズでしょう。それでも天下のトヨタには年間1万台以上作ってほしい
ものです。しかしこのP−INプリウスは、前述の通りある意味電気自動車ですから、
大量販売しないような気もします。何故なら私はトヨタにとって最も好ましい近未来の
姿は「ハイブリッド時代が一日も長く続くこと」と確信していますし、それはトヨタの電気
自動車FT-EVUを見ても、単なるコンセプトカーという位置づけで、本気でEV車を本格
販売するようには、とても思えないからです。

日産の電気自動車 リーフは本気か

電気自動車への本気度は、トヨタに比べ日産
の方が遥かに上と感じました。ハイブリッドを
持たずEVでも三菱自動車に先を越されて
しまった日産としては、当然の選択肢でしょう。
同じEVでも 軽自動車であるiMiEVと違って、
こちらはヴィッツやフィットと同様の登録車です。
搭載するバッテリー容量も24kW、iMIEVの16KWh
と比較しても十分、走行距離も160km。発売開始は
2010年度中と遅いのですが、販売台数は年間5万台と伝えられています。
ちなみに「バッテリー交換方式を実施しますか」の質問に、回答はありませんでした。
また価格戦略について「バッテリーをリース方式にし、本体価格は通常のガソリン車
と同等にする」との案も検討中と説明を受けましたが、私にはそのメリットがどうしても
理解出来ません。価格やスペックが公になっているiMiEVでシュミレーションしてみます。
車両価格を400万円、バッテリー代は200万円とし、バッテリー代を5年リースにすれば、
月4万円x60回=240万円。一方電気代は、年1万Km、 5年で5万Km走るとして、夜間電力
で5年5万円。昼間電力なら15万円。一方ガソリン車は、10km/Lの燃費とし、5年5万km
なら 5000L、単価120円/Lでガソリン代は60万円です。 よってバッテリーをリースにした
ところでその総額は245万円となり、ガソリン価格の60万円を下回るというのは、設定
条件をかなり変えても無理そうで、単に分割払いをしたのと同じことのように思います。

次世代型PIHVとなれるか マツダ プレマシ−ハイドロジェンREハイブリッド

まだ実証試験段階ですが、この車は私の
考える次世代型ハイブリッド車です。
プリウスやインサイトは、自動車業界用語では
エンジンもモーターの駆動用動力として共に
使うので、パラレル方式のハイブリッドと
呼ばれています。一方シリーズ式(直列という
意味)は、車を動かすのはモーターだけで、
エンジンは発電のみに使うのです。この形式の
メリットは、高価なバッテリーを多く積んで航続距離を伸ばすのではなく、バッテリーを
例えば半分にして、そのスペースにエンジン発電機を積みコストを抑えることが出来
ますし、研究開発費が安く済むので各メーカーが参入し易いと言えます。またこの
シリーズ式は、よりEVに近く、ガス欠のためにエンジン発電機を積んだEVと言えます。
スズキのPIハイブリッド スイフトはこのシリーズ式です。100V充電で20kmの走行に
必要な260Vで2.66kWhのリチウムイオンバッテリーに必要な満充電時間は3時間
というのもうれしいスペックです。 マツダのプレマシーREの最大の特徴は、燃料が
ガソリンでも水素でも両方可能なバイフューエルエンジンなので、水素社会にも対応
出来ることです。残念ながらそのロータリーのエンジンがまだ大きく、コストが高いため
量産車の発売は数年後とのことですが、マツダさんには頑張ってほしいと思います。

初めて見たCT&T社の電気自動車

皆様は韓国のベンチャー企業の「CT&T」を
ご存知でしょうか。実は私も今回初めて知り
ましたが、2002年創業で、韓国のヒュンダイ
自動車のエンジニアが興した会社だそうです。
2人乗りの小型EVで、1回の充電で約70km
走れる鉛電池タイプと120km走行可能な
リチウムポリマー電池搭載車の2車種を
選べるのが良いと思います。価格は170万
から230万円。既に韓国ではミニパトカーとしてその採用が決まっているそうです。
そして日本国内でも11月から発売を開始し、年間販売台数も4000台を目指している
とのこと。日本で補助金制度を活用すると、最も低価格タイプの負担額は100万円
程度になるとのことなので、iMiEVには手が出ないけど環境をアピールしたい客層の
ニーズは間違いなく掴むでしょう。

スモールハンドレッドの台頭始まる

車は、ビッグ3やトヨタに代表されるように、従来は大会社しか作れない産業でした。
もちろん光岡自動車のようにマニアックなニーズを満たす会社はいくつかありました。
しかし電気自動車時代が始まろうとしている今、上記のCT&T社のようなベンチャー
企業が世界中で数多く創業しているそうです。 先日NHKで放送されていた「自動車
革命」という番組では、中国では、車検も免許も不要な10万円台の車を、車作りの
経験が殆どない人が会社を興して生産販売していることが報道されていました。
既存部品を購入し、どちらかと言えば組み立て作業という感じでしたが、経営としても
何とか成り立っているようです。このような新興企業を総称して「スモールハンドレッド」
と呼ぶそうですが、この初期の厳しい競争を勝ち抜いた会社が、来るべき電気自動車
時代のEVニーズの底辺を支えるかもしれません。 私は、例えば日本のマブチモーター
さんやタカラトミーの実車版チョロQ、或いは、ホビーラジコンメーカーの京商さんに
小型EVを作ってほしいとHP等に書きましたが、正にそのような楽しくEVを作る時代が
始まったのではないでしょうか。

家の中にあるiMiEVは何を意味するのか

これは、あくまでイメージ展示ですが、iMiEVの
持つ16kwhという大容量のバッテリーを、自動車
の動力源としてだけでなく、家庭用の蓄電システム
としても使ってしまおうというコンセプトです。 例えば、
新日石が作った横浜の創エネハウスにある蓄電
システム容量は9.36kwh。その価格は300万円
だそうですから、iMiEVを買った人は、この蓄電
システムがおまけでついて来るという感じです。
現在のiMiEVにはまだ放電機能はついていませんが、
第2モデルからはこの放電機能を追加するそうなのでいよいよ楽しくなりそうです。
この「蓄電システム」は、太陽電池で発電した電気を貯めておき夜に使用したり、
安い深夜電力を夜貯めておき、日中の電気の高い時に使おうというものです。
供給する電力会社としても、夏なら日中のピークは13−15時、一方深夜は余り、
発電を変えられない原子力発電のベース電力を消費するため、昼間ダムで放流した
水を深夜くみ上げる揚水発電などをやっており、その建設にランニングも大変コストが
かかっているので、もしこの蓄電システムが普及すれば、日本全体としてはかなりの
効率化になることは間違いありません。

温室効果ガス25%削減の切り札かもしれない

温室効果ガス25%削減目標達成の鍵は、石油の消費量削減ではないと思います。
燃料油の総需要は 1990年は約2億2千万KL、2008年は既に2億KLまで減少し
2009年も前年比90%程度で推移していますので、石油だけなら何もしなくても達成
可能でしょう。問題は電気で、それも産業用ではなく、実は大幅に増加している一般
家庭の消費電力をどのように削減するのかが大問題なのです。 この一般家庭を
如何に効率化していくかが、目標達成の鍵ですが、各家庭に太陽光発電を設置し、
電気自動車のバッテリーと一体化させた蓄電システムを作るのです。それを更に
電力会社の地域別にネットワーク化させ自動受給電すれば、非常に効率的な電力
需給バランス調整システムとなり、結果的に温室効果ガス25%削減問題の特効薬
となるでしょう。東京モーターショウの感想としてはかなり飛躍してしまいましたが、
来場者の皆さんも、車もさることながら、近未来の日本の姿をイメージするために
来ているように思いましたので参考になれば幸いです。

オートジョイセルフ河辺SSに急速充電器&太陽電池パネルも設置

新日本石油とは守秘義務契約を締結の上、エネ庁の実証実験に参加しており、
データ等の詳細はお知らせ出来ません。最低限の説明と写真報告でお許し下さい。
尚、一般のお客様としてSSの見学は可能ですので、洗車でもして頂ければ、
許容範囲でご質問にお答させて頂きます。
急速充電器 高砂製作所製 高さ220cm 幅100cm 奥行 60cm 重量450kg
 入力 3相 200V 出力 20-500V(充電は360V) 0-125A 50KW
変電器(キュービクル)   高さ210cm 幅170cm 奥行き105cm 重量1100kg
 日東工業製 受電 3相 6600V  受電容量 105kVA  定格遮断電流 40kA
太陽光発電パネル 三洋電機製 HIP-210NK5 210Wタイプ 48枚 20度架台
 158cm 81.5cm 3.5cm x 6直列 x 4並列 x 2系統 = 10.08 kW/h級(最大)
 (41.3V x 5.09A x 6 = 247.8V x 5.09A = 210W x 6 = 1260W ) x 4 = 5040W
パワーコンディショナ―SSI−TL55A2 5.5kW機 x 2台で連結 AC202V変電

意外に大きい急速充電器本体  特定複数のお客様に貸し出すエネゴリ仕様i-Miev

太陽光は冬にも関わらず 6.7kWを発電中↑ 電気代の削減が楽しみです

SSキャノピー上の太陽電池パネル   想像以上に大きかったキュービクル

当社の直営、オートジョイ八王子、八王子長沼でも 200V充電を開始決定

2009年2月企画でも申し上げた通り、200Vの普通充電設備と言ってもIMIEV指定の
単相200Vコンセントをつけただけの話ですが、特有の八王子と、新日石社有の
八王子長沼において 200Vの普通充電サービスも2月から開始予定です。
洗車された方のみその料金に応じ、30分から1時間分の無料充電サービスをします。
たかが30分と思うかもしれませんが、iMiEVは、200Vなら7時間で満充電です。
仮に140km走るとしたら 1時間で20km 30分で10km以上走ることになります。
一方SSの商圏はせいぜい2-3kmですから、常連客様の安心のサービスとしては
200Vで十分ということがおわかり頂けると思います。
八王子消防様とは約2か月に渡ってご相談、ご指導頂いて来ました。弊社が最初
とのことなので時間がかかりましたが、分電盤内に単相200Vの専用プレーカーを
設置し、整備室に200Vコンセントを引いたのですが、事前の相談をしっかりさせて
頂いたので、今回は資料提出(変更の届出と予防規定の修正)でお許し頂きました。
但し、あくまで当社の話で、皆様は、所轄消防のご指導に従って頂ければ思います。
尚、ビユーテー様が「洗車だけでも大歓迎 電気自動車もお気兼ねなくSSへ」の
趣旨にご賛同頂き下記の横断幕(縦900mmx 横3600mm 防炎品)の
 
デザインを作って頂きました。最少製作枚数20枚ですが、まだ達していません。
是非ほしいという方はご連絡下さい。皆さまからのご要望があり、20枚以上に
なりましたら、1枚31500円送料別で小分け販売させて頂きますので下記よりご連絡
下さい。尚、上記デザインは、若干の範囲で予告なく変更することがあります。
感想等や横断幕のご相談はこちらからお願いします

200V普通充電 と 横断幕の件  3/3追加 

本HPの3月企画で、八王子SSと八王子長沼SSで200V充電を開始するとお話しましたが
実は、HP掲載直後に地元消防から待ったがかかりました。本庁とよく相談してから再度
連絡するとのことですが、昨年11月からの相談は何だったのでしょうか。そして1か月経た
今でもその方針が下されていないのは誠に残念です。
一方、環七馬込SSを管轄する消防にも話を進めてきました。ご指導頂いた資料等を
全て揃え、書類を提出するその日になって、八王子と全く同じ対応となりました。
国からは、電気自動車への充電インフラを一日も早く構築してほしいと、広い意味で
ご依頼を頂いているにも誠に残念です。従って、2-3時間で終わる電気工事もまだ開始
していませんので、200V充電も当然行っておりません。以上の通りですので、「横断幕」
の受注も一時延期しましたりでお詫びとともにご報告する次第です。

懐かしの個性あるガソリンスタンドの写真集 ガソリンスタンドノートのご紹介

すばらしいサイト様と ご縁が出来ました。この方のカメラと腕にかかれば、
弊社販売店GSも ファンタジー。是非ご覧下さい。