HP開設8周年、アクセス60万件突破感謝
 石油業界の「トリビア」話のご提供です
当社HPは1996年7月4日に開設し、今月で満8周年(9年目)を迎えますが、この間の累計アクセス数は、
現在  件と7月7日に 600,000件を突破しました。HP関連企画では  件。
これも偏に皆様のお陰と感謝するしだいです。さてこの7月は、一つ一つは小さな話題や知識ですが、
間違いなく業界の大きな流れを示している内容が発表されました。皆様は、その数字をどう認識し判断し
今後の会社経営にどう活かされるのでしょうか。「ぇっ何の数字?」と思った方のために、今月は業界の
雑学トリビア?企画です。 文責 垣見 裕司  ご意見等はこちらからお願いします

累計アクセス数の推移からも分る、高まる「情報収集の重要性」
昨年も報告させて戴きましたが、累計アクセス数の伸びは以下の通りです。
年月 96/8 97/7 98/7 99/7 00/7 01/7 02/6 03/4 03/7 03/12 04/7
アクセス数 930 14500 36300 69700 127千 202千 304千 402千 430千 500千 600千

40万件から50万件に達するのに260日(384件/日)、50万件から60万件は200日
(500件/日)ですから、一日当たりのアクセス数も未だに伸び続けていることが分ります。
アクセスされる方は、石油業界の方、石油製品を使用される法人、個人の方が多いようです。
当社サイトは懸賞等は全く出しておりませんので、やはりその目的は、「情報収集」でしょう。
法人においても、個人においても正しい情報を多く持つことは、やはり重要なことだと思います。

さて私にとって本当に嬉しいのは、業界(自称)NO1のアクセス数も然ることながら、
「垣見さんのようなサイトは、他にないので本当に助かっています」と皆様から戴くメールです。
本業の会社経営は、なかなかそこまでお褒めを戴くことはありませんが、会社がネットの世界に
産み落としたホームページの方が先に、「NO1かつオンリー1」を達成したような気がします。
本業の会社経営の方も、ホームページに負けないように頑張りますのでよろしくお願いします。
アクセス件数が語る最近の人気ページ、それはずばり 燃料電池 です
自分の見ているテレビの視聴率が、リアルタイムで分ったら、とても面白いと思いませんか。
番組制作者にとっては、恐らく両刃の剣ですが、そんなことが出来たら業界は変わるでしょう。
しかしインターネットではそれが出来ます。弊社のメインページにある、各項目やジャンル毎の
アクセス数は、正にリアルタイムの視聴率なのです。

最近の人気ページはやはり、6月の燃料電池企画でしょうか。
東京都のLPガス供給エリアでは、第一号のモニター試験を開始したことや、それを新聞5紙で
ご紹介戴いたこともあって、6/10の掲載時点で、35600件だったアクセス数が、本日までの
僅かな期間で 件まで達しております。また業界新聞5紙様に写真入りでのご紹介も
読者の関心を示すものでしょう。どちらにしても深く御礼申し上げる次第です。

  2004年7月5日号、プロパンブタンニュース  382KB
    1kW級、LPG定置式、燃料電池実証試験を開始、垣見油化
  2004年7月3日号、日刊燃料油脂新聞   260KB
    LPG定置式燃料電池設置、新日石のモニターテストに協力
  2004年6月29日号、プロパン産業新聞  316KB
    垣見油化「燃料電池」社会への夢、着々進む
  2004年6月21日号、プロパン新聞  322KB
    垣見油化、瑞穂供給センターに燃料電池を設置、都内LPガスエリア第一号
  2004年6月15日号、日刊燃料油脂新聞   417KB
    LPG定置式燃料電池設置、新日石のモニターテストに協力
  2004年6月14日号、日刊油業報知新聞   536KB
    1kw級、LPG定置式燃料電池システム、モニターテスト開始
東京電力の最新火力設備、脅威の「熱(電)効率50%」を発見しました
前項の燃料電池が、石油系等化石燃料から水素を取り出しているにもかかわらず、何故注目
されているかと言えば、熱から電気への効率が高いからです。源燃料は炭化水素ですから、
改質の段階で炭の棒でも作らない限りは、炭酸ガスは出てきてしまいますが、それを
「熱効率の良さで削減」している訳です。
では電力会社の火力発電の熱効率はどのくらいなのでしょうか。もちろん原子力や水力等を除く
数字ですが私のイメージでは、全体で40%、しかし送電ロスが5%あるので、家庭に届く段階
では35%と記憶していました。そこで今回改めてWEB等で調べてみました。

日本の10電力会社の熱効率は40.8%。驚くことに、米国36.9%。英国36.9%、ロシア
36.3%、フランス37.6%、カナダ32.2%と調査した範囲では、日本がダントツの効率の
良さを誇っておりました。
それでは最新鋭の火力発電所はどうなのでしょうか。電気と共に熱も売れるレアーケースの
コジェネならともかく、発電だけでは大したことはないだろうと思っておりましたが、その脅威の
技術に驚きました。



最新鋭の設備は、ジェットエンジンにイメージされる「ガスタービン」と、その廃熱で水を温め
蒸気でタービンを回す発電システムを一軸上に設計したコンバインドサイクル発電(CC)です。
それをベースに更に効率が良くなるように「高温高圧」にも絶えられる材質と構造にしたのが
改良型のコンバインドサイクル発電(ACC)と呼ばれるもので、50%を達成出来るそうです。
東京電力の品川火力発電所に設置されているものがそれで、従来の37.2%が、50%にまで
向上したそうです。これは原油換算で年間44万KLの節約となり、その節約分で電気を作ると
70万世帯の1年分の電力量なのだそうですから驚きです。我々分散発電の燃料電池も
頑張ってますが集中発電の方も流石です。恐れ入りました。
尚、東京電力に限って言えば、2002年の火力の熱効率は41.8%で前年比0.2%UP。
また送電ロスは、2001年に4.7%まで下がったものの、原発不祥事問題で無理な送電を
余儀なくされたためでしょうか、2002年には5.2%まで上昇していました。

また昨年秋に六本木ヒルズの熱電供給会社、六本木エネルギーサービス(株)を訪問させて
戴いた時に口答でお伺いした熱効率は、電力優先モードでは47.3%。しかしプロセス優先
モード(省エネモード)では、なんと74.6%を達成しているとのことでした。燃料は、都市ガス。
この二つのモードのベストミックスて゛運転しているそうです。
資源エネルギー庁より2004/3月末のSS数発表。その減少数は多いのか少ないのか
先日資源エネルギー庁より、2003年度末、すなわち2004年3月末の全国の登録SS数
を50,067箇所、また登録事業者数を25,204と発表しました。
SSの方は、この中に2000年度まで可般式と言われていたポータブル型が推定1000箇所
含まれていることや、廃止はしたもののそれを届け出る余裕すらなかったSSが相当数ある事を
考えるとSSとして正規に営業している数は、既に47000箇所ではないかと推定しています。

年度末 03 02 01 00 99 98 97 96 95 94
SS総数 50,067 51,294 52,592 53,704 55,172 56,444 58,263 59,615 59,990 60,421
内固定式 01年より上記に含む 51,957 53,307 54,490 56,149 57,405 57,653 57,874
総数増減 -1,227 -1,298 -1,112 -1,449 -1,291 -1,819 -1,352 -375 -431 +688
事業者数 25,204 25,807 26,475 27,157 27,794 28,427 29,239 30,032 30,465 31,559
 増 減 -603 -668 -682 -637 -633 -812 -793 -433 -1,094 -207

SS数の減少がいつ止まるのか、その数は幾つなのかは、意見の分かれるところだと
思いますが、大雑把な言い方をお許し戴けるなら、現在のような緩やかな減少が暫く続き、
実質40000SSが5年後、しかし地方や超都心部でのSS過疎化問題等が深刻になり、
減少数は鈍化し、20年後までに実質30000SSで定常状態になるのではないかと思います。

それ以降は、水素のみを供給するSSを従来型のガソリンスタンドとして数えるのか等、今の
業界常識では考えられなくなるでしょうから、予測そのものが無意味となるかもしれません。

しかし肝心なのは、この予測が当たるかどうかではなく、我々現場のSSが、今すぐそして
1年後までに「何をすべきか」の方でしょう。当社の結論は出ていますが、皆様はどうですか。
僅か3ヶ月で6万BDのトッパー削減、合計能力477万BDの能力は何を意味するのか
やはりエネ庁より6月末時点での常圧蒸留装置(トッパー)能力の発表がありました。
4月から6月までの3ヶ月の間に65,000BD削減され合計4769,610BDになった訳です。
関心のない方には、ピントこないかもしれませんが、このような背景が次項で説明する
業転価格高騰にも少なからず結びついておりますので、ご説明したいと思います。

年度末 04/6末 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996
トッパー能力千BD 4,769 4,835 4,967 5,273 5,354 5,374 5,322 5,269 5,269
増減(前年比) -650 -132 -306 -81 -20 +52 +53 0

日本の精製元売のその合計能力は、直近10年では、1999年度末が最高でした。
当時から「2割は多い」という話が出ていましたが、仮にこれが正しいとすれば、現在の
11%減では、まだ10%前後多いことになり、それは稼働率の低下となってしまいます。

しかし個別に考えてみると、例えば知多石油を閉鎖したJomo、兵庫製油所を廃止した
出光等は、少なくとも単体ベースでは、既に買いポジションに入ったと言えるでしょう。

一方、出光から委託を受けた、新日本石油のトッパー能力は115万BDですが、設備廃棄
すること無しに出光分の4万BD分稼動率が上がる訳です。こうして考えると、横浜や麻里布
等で行っているIPP発電の3−4万BDの使用量も、稼働率UPに多いに貢献しているでしょう。
その他、石油化学原料向けの需要や、先ごろ新聞で発表された2万BDの中国からの
精製受託等の要因を総合すると、東電原発特需がなくなったとは言え、今年度もかなり良い
稼働率が期待出来るのではないでしょうか。
このような精製元売の状況を把握しておかないと、定期修理明けと言えども、業転価格が
下落してくるがどうか、過去最低レベルの灯油在庫や、ガソリンの夏場需要量の推移等
総合的な読みが必要のようです。

高値定着の原油価格、高騰したガソリン業転価格と末端価格推移、上がらない中間留分
原油価格解説ページ4月企画の原油価格が反映しない末端市況は業界を滅ぼす?
でご説明している通り、昨年末より高騰を初めた原油価格は、ニューヨークのWTIで、一時
42$/Bという昨年のイラク戦争はもとより、10年前の湾岸戦争を上回る価格となりました。
その後、35$まで下振れもしましたが、現在は38$等高値張り付きの状態が続いています。
この状況に対し、国内で最初に反応したのが、ガソリンの業転価格で、ボトム比15円近く
上昇しました。従来は上昇すれば必ず増産する精製元売がいましたが、前項の説明した
要因等が、業転市場の環境を間違いなく変えたと言えるでしょう。
そして販売元売は、系列卸価格も強気に値上げし、こちらは10円程度上がり、ガソリンや
SS向けの軽油等においては、それなりの転嫁に「成功した」と言えるでしょう。
しかしSS向け以外の産業用や大手業務用の中間留分等は、その転嫁が遅れています。
トラック協会発表の5月の持ち届けインタンク価格では、ボトム比2円程度値上げのみです。
これは言い換えれば、SS向けの値上げし易いところからの収益で、他の転嫁遅れをカバー
しているというか、SS向けのガソリンや軽油の収益に依存しているという、10年前以前の
悪い体質に戻ってしまったのかもしれません。
その一方、我々末端のSSのガソリン価格ですが、一見大幅に上昇したように見えますが、
4月からの消費税総額表示が5−6円分含まれていますので、相変わらず10円/L以下の
口銭で非常に苦しい状況が続き、転嫁に成功した元売とは明暗を分けたといえるでしょう。
この辺の事情を踏まえながら、私の知る限りの事実に一部推定を加え、各石油製品の
コストを冷静に分析した、ガソリン価格解説ページを久々に更新しました。
弊社サイトの裏玄関ページとも言えるページなので、是非ご覧下さい。
エネ庁補助事業、今年もSS業界の「真の顧客満足度調査・比較」で申請しました 
SS業界では、今まで多くの消費者アンケートが行われて来ました。しかしその多くは、
我々販売側の立場で考えられ、販売側が提供出来る商品やサービスの中から消費者に
選択してもらう「ニーズ調査」であり、今サービス業界において最も大切だとされる本当の
「顧客満足度(CS)調査」は行われてこなかったのではないでしょうか。もしかすると多くの
一般的な消費者は、SS業界に「車検」や「コンビニの併設」等への業態拡大を求める前に
SSの基本的な接客サービスの改善を求めていらっしゃるのでしょうか。例えば、、、

1.給料日前にも関わらず、お客様に対し何気なく使っている「満タンでよろしいですね」。
2.お客様が愛車をピカピカに磨いてご来店されたにも関わらず「洗車いかがですか」。
3.「洗車だけでも大歓迎」の看板にもかかわらず、全ての車を計量器に誘導するマニュアル。
4.車の中でお子様が寝ているのに「いらっしゃいませ」という必要の無い大きな掛け声。
5.先月オイル交換をしたばかりなのに「オイルが汚れています」とのセールストーク。
6.価格看板の数字は、非常に大きいのに「会員」と小さく書いてある紛らわしい表示。
 
その他、お客様の視点にたって考えるときりがないのですが、これらの事例は我々の考え
過ぎでしょうか。業界側は「常識」でも、お客様にとっては「不快」なのではないでしょうか。
そもそも「CSが大切」と言ってながら、本当のお客様の「声なき声」を聞いているのでしょうか。
昨今セルフSSが伸びは、この様なフルサービスの接客に、問題があるのではないでしょうか。
我々はこれらの点に注目し、SSの接客サービスや従業員に対してのお客様の 「本当の声」や
クレームになる前の小さな「不満足」を聞きだせるような、真の「顧客満足度調査アンケート」
を作成し、更にその結果を数値化した「CSベンチマーク指標」を作って見たいと思います。

そして昨年度「社員教育・従業員満足度(ES)調査委員会」が実施した調査の中から、 ESが
高かった優秀なSSでも、同じ顧客満足度調査を行うことにより 、「ESが高いSSでは、CS
数値も明らかに良い」という我々の仮説を、統計的手法で検証してみたいと思います。
そしてこの調査結果を報告書に纏め業界内外に発表し、そしてSS業界の経営者の「気付き」
により従業員のESと、その結果としてお客様の満足度(CS)を向上させ、お客様からも働く従業員
からも魅力ある業界を作ることで、SS業界の経営高度化に寄与したいと思っております。