東日本大震災 石油業界の現状と対応
 
首都圏におけるガソリン不足の冷静分析は是非お読み下さい
 東北地方、北関東地方の給油可能SS状況表 4/6追加
本報告の 番目お客様です。 Ver11 4月6日 13時更新
2011年3月11日の午後に東北関東大地震が発生し、東日本のほぼすべての全域で
甚大な被害が発生致しました。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
本ページにおいては、石油業界の現状と対応について、マスコミ等に発表されたものを
ベースに私的な解説を加え、その現状と対応をご紹介したいと思います。
尚、情報が入り次第、逐次更新していきますので、よろしくお願い申し上げます。
 2011年3月16日 15時 初掲載  弊社メインページはこちら 文責 垣見 裕司

3月31日 東北地方、北関東地方の給油可能SS状況 4月6日 13時 更新
弊社にお問い合わせ頂く中で、一番多いご意見は、
何故元売やSS業界は、被災地等で給油出来るSSの情報公開をしないのか
というご意見です。答えは簡単。本当にお困りのエリアは、SS閉店時でも、行列が
出来てしまい、運よくローリーか入っても、その2km3km続いている列に並んだ
後ろのお客様まで、給油出来るか分からないような状況だからです。そのような
情報を公開してもかえってSSや現地は混乱するだけです。

でも、何か出来ることはないか。例えば首都圏以西の民間のボランティアの方々が、
被災地に入る際、一番心配なのは帰りのガソリンです。そこで私が提案したいのは
アウトオブレンジ作戦です。被災地に近い、でも並ばず満タン給油が出来る地域の
SSで、一度満タンにしてから被災地に入る。この情報なら、お客様にもSSにも
喜んで頂けると思います。 また、被災地の方にとっても、どこまで行けば、ガソリンが
満タンに給油出来るかという目安にもなると思います。

そしてその満タン給油可能地域が、だんだん被災地中心部に近づけば、ガソリン
不足問題がどこまで解決しているのかも把握出来ると思います。

被災地県及びその隣接県地域にSSをお持ちの方で、「当SSは大丈夫だよ」と
お知らせ頂けるSSがあれば、県名、市町村名(可能なら住所)、SS名を是非
こちらまでお知らせ下さい。下記表に記載しHPがあればリンクさせて頂きます。


実は、嬉しいニュースです。某世界最大のITソフト会社様から、給油可能SS情報
の掲載を出来るようなサイトをボランティア立ち上げたいとのご相談を頂きました。
「本当に大変なところは、パニックを助長するだけなので、被災地はむしろ遠慮し
周辺の問題ない地区から掲載する。また一般のお客様の投稿だとパニックになる
可能性があるので、SS業者からの自発的な登録で行うと良いのではないか」と
アドバイしておきました。早ければ1週間で出来るそうなので完成次第報告します。


またJXも状況把握が進んだのか給油可能SSの情報公開を検討し始めたようです

以下、現在把握している並ばず、満タン給油の出来る地域と情報確認日です。

県名 エリア 市町村名 情報提供  備 考
青森 津軽地方 弘前市 RC友人 30 30日には全く問題なし
南部地方 4/1 4/1現在まだかなり厳しいとのこと
秋田 県北 県央 県南 業界情報 30 30日には全く問題なし
岩手 大船渡市 業界友人 30 津波被害から復興し営業中、但しまれな例
大船渡市 RC友人 30 30日満タン可のSSも(但し幸運な例)
海側は、もちろん津波を受けなかった地域でも非常に厳しいです
県外車両は給油を遠慮して頂いた方がよいと思います
沿岸部や停電地域を除けば、県内全域で落ちついて来ました。4/4業界友人
東北自動車道 各SA 4/1満タン給油OK 平日は混雑程度、土日祭日はまだまだ長蛇の列
宮城 仙台市 カメイ 日々
更新
カメイHPでは、開店SSの予定を毎日発表
但し開店するも、在庫無くなり次第閉店
一部は緊急車両のみ。毎日更新、さすが
北上市 業界友人 4/1 ようやく満タンOKも在庫切れで早期閉店
海側は、もちろん津波を受けなかった地域でもまだ厳しいです
県外車両は給油を遠慮して頂いた方がよいように思います
  業界情報 24時間&満タン給油を順次再開したことにより4/6ほぼ正常化
4/6業界情報 東北自動車道 少なくとも平日はほぼ正常化しました。
福島 中通り 福島市 RC友人2 4/1 車列待ち消えました。
RC友人1 30 市内はまだ混乱 開店SSは2-3割
郡山市 RC友人2 4/1 車列待ち消えました。
会津地方 合津若松市 一般友人 31 30日には問題なし
25 25日並べは給油出来るレベルに回復
福島 東北道安達太良SA RC友人 30 30日は本線まで大渋滞
山形 山側 山形市 RC友人
業界友人
4/1 30日には一応問題なし
海側 酒田 鶴岡 4/1 28日には問題なし、山側より回復早かった
茨城 北茨城市 業界友人
RC友人
4/1 △沿岸部は酷い まだ今週一杯かかる
高萩 4/1 △沿岸部は酷い まだ今週一杯かかる
日立市 4/1 Oほぼ満タン給油化
ひたちなか 4/1 △意外に悪いとのこと
水戸市 4/1 100パーセントOKとのこと
新潟 全域 一般友人 25 30 25日には全く問題なし
新潟→仙台はノンストップで3時間30分〜4時間程度です。
栃木 東北道那須PG 一般友人 31 31車列なし
群馬 東毛 大田伊勢崎桐生 一般友人 31 まだ30分くらいの行列
県央 前橋高崎 31 並ばず満タン給油可能
埼玉 新座市 業界友人 28 28月より全く問題ありません
千葉 一部被災地域を除きOK
東京 都下 青梅市 河辺SS 28 28月より全くならばなくなりました。
23区 大田区 環7馬込 22 22日より嘘のように並ばなくなりました。
JXのHPも給油可能SSの掲載を開始。状況が把握出来て来たことの現れでしょう
その他アドバイス 
中国地方、関西圏からくる方、下記もお勧めですとのことです
山陽道→米原JCT→北陸道→新潟中央JCT→磐越道→郡山JCT→東北自動車道→仙台
新潟→仙台はノンストップで3時間30分〜4時間程度です。
Yahoo Google 検索ワード上位ヒット  4月4日 13時 更新
本ページは16日にUPしまだ2週間ですが、下記2大検索サイトで上位に位置します。
自社タンクやタンクローリーを持たない東京の中小特約店として、被災地の皆様に
直接的な支援が出来ず、誠に歯がゆい思いですが、この大震災に対する石油業界
の対策の包括的な情報提供が、私でも今直ぐ出来る社会貢献と思っております。
 
検索ワード4/4 13時現在  Yahoo 順位 Google 順位
東北関東給油可能SS 1,2位/262,000 1,2位1/262,000
東北給油可能SS 3位/571,000 3位/571,000
給油可能SS状況 3位/428,000 3位/427,000
東北関東大震災 石油業界 1,2,3,4位/88,300 1,2,3,4位/22,200
東日本大震災 石油業界  1位/1,050,000  2位/1,170,000
大震災 石油業界 1,2位/1,190,000 1,2位/1.990,000
東北関東大震災 SS業界 1,2,3,4位/160,000 1,2,3,4位/196,000
東日本大震災 SS業界  2位/239,000  3位/1,530,000
大震災 SS業界 1,5位/2,710,000 1,5,6位/2,710,000
3月26日 土曜日AM 9:30の青梅市河辺SS 開店前からの給油待ち車列です
本日も開店前からお並び頂いております。近隣2店も、まだオープンしておりません。
ローリーが予定の10時に無事入庫すれば開店予定は10:30。それをお伝えしても
「ここで待ってます」とおっしゃるお客様。本日こそは、ローリー1台 丸ごと入るので、
在庫切れなく22時の閉店時間まで、地域への石油製品の安定供給という社会的責任
を果たしたいと思うのですが、閉店時間まで在庫がもつか、当社にも分かりません。
また不安感をお持ち頂くことがないよう、本日も全油種満タン給油OKです。

被災地への朗報と 3月23-25日の弊社SS報告 25日 18時追加
複数のマスコミ筋によれば、宮城県は22日現在、塩釜油槽所に搬入予定の
石油製品は25日までに計1万2千KLに及ぶしていています。およその内訳は
ガソリンが約5,600kl、軽油が約3,800kl、灯油が約2000kl。21日に石油製品
2000KLを積んだタンカーが初入港しましたが、今後、津波で堆積したゴミや
土砂を撤去し、入港航路の水深を浚渫すれば、5,000kl積みの大型船の入港
も可能になるとのことです。
一方JR貨物によるタンク車での輸送も拡大しています。既報の根岸-盛岡間の
2編成だけでなく、26日に復旧見込みの磐越西線を使って、新潟から郡山に
向かうタンク車10両編成約600KLも、運航予定等、大増便が予定されています。
タンクローリーの数が同じでも、油槽基地から被災地SSとの距離が1/4になれば
物流効率が4倍以上になるので、実質的な改善が期待されると思います。

弊社の青梅市の河辺駅前にあるオートジョイセルフ河辺SSは、25日朝も
下記写真のような200mの給油待ちの車列が出来ています。その時点の在庫
はゼロ。ローリーが予定通り9時に入ったので、10時にオープンしましたが、
本日も15時に在庫切れで閉店となりました。

弊社の他のSSでは、もはや落ち着いたのに、河辺だけは未だに並ぶのか。
確証はありませんが、計画停電により、青梅線の全面運休ではないかと
思うようになりました。停電時の青梅線は、河辺以西は全面運休なのです。
その方々にとっては、未だに不安だけでなく、実際に足の不便も続いている。
周辺住民の方のガソリンニーズは、本当に高まっているのかも知れません。
また河辺SSが、河辺駅から200mという好立地にあるからかもしれません。
引き続き調査したい思います。
3月22-23日の弊社SS報告 二極分化のその訳は!  23日 12時追加
弊社の青梅市の河辺駅前にあるオートジョイセルフ河辺SSは、本日朝も約
300mの列が出来ています。その時点の在庫は実は、ゼロ。ローリーが予定
通り8時に入ったので、9時にオープンしましたが、現在の販売数量ですと
計画停電の始まる12時前には、再び在庫切れで閉店となりそうです。


では、弊社の都内の全SSが混雑しているのかというとそうではありません。
大田区環7馬込店は、昨日の午前中こそ少し混んでいたものの、道路に
並ぶほどではなく ほぼ正常化しました。一体この差は何なのでしょうか。

青梅街道を例にとれば、やはり西の方は、まだ混んでいます。そして都心に
走って来て渋滞がなくなり始めるのは、環状8号線の杉並を過ぎたあたり
なのです。色々総合してこの差の原因は、ずぱり「計画停電」ではないかと
思います。杉並より都心は、停電はありません。しかし弊社で言えば、
南田無、八王子3店、河辺SSは全て計画停電地域です。
一日3時間。POSのハードディスク等故障防止の為、その前30分あたりから
完全閉店しなくてはなりません。
弊社営業時間は、一部SSを除き8:00-20:00と短めなのですが、その12時間
のうち 4時間位を毎日閉店を余儀なくされる。従って地域への燃料供給能力は、
4/12=33%も削がれていることになります。それこそ、地域の全SSが毎日
4時間。誰も抜け駆けが出来ないストライキをしているようなもの。
そしてお客様心理からも、毎日の停電は、特に夜の停電は、心理的には
ずっと非常事態が続いているのだと思います。車の中なら、明かりも暖かさも
そしてラジオやテレビ等の情報も入る。最後の避難場所として、やはり自分の
車は、満タンにしておきたい。この気持ちはよく分かります。
3月21日の朗報、弊社SS並びに自宅の近くの状況報告 22日 10時更新
本日最大の朗報は、国内元売最大手のJX日鉱日石エネルギーの根岸製油所
(能力 27万BD= 270000B X159L= 42930KL)が予定通り稼働を再開した
ことです。最大生産量に達するまでには、若干の時間はかかりますが、
無事再開出来たことが、そのものが最も大きな朗報です。また同じ停止していた
千葉の極東石油(17.5万BD)、EM系も稼働開始で21日よりフル生産
東燃ゼネラル川崎工場(33.5万BD、EM系)も全面稼働ですので、これで製品の
絶対量に関しては全く問題なくなったと思います。後はローリー等物流問題だけ
なので、今しばらくお待ち下さい。 写真は根岸製油所


さて21日は、弊社も全店営業しました。販売量は、本日入荷分だけなので、
ローリーの入庫待ちにより、正規の時間でオープンは出来ず、また在庫切れで
早期に閉店せざるを得ず、お客様のご不安感の解消には、もう少し時間がかかる
とは思いますが、実は現在の入庫量は、全直営を平均すれば、前年の約100%
までは回復しているのです。遅くとも今週中には、給油待ちの列も解消できると
実感しております。と申し上げても、なかなか信じてもらえないので、良い実例を
ご紹介します。
弊社HPの2008年の

5月企画、いよいよ5月1日復活!、暫定税率問題NO4
緊急企画、油(業界)に火を注いだ暫定税率期限切れ NO3
4月企画、どうなるガソリン税暫定税率延長問題 NO2
2月企画、どうなるガソリン税暫定税率延長問題 NO1

 35年目にして国民の関心となったガソリン税と資源の確保を考える

を改めてご覧下さい。4月から20円以上安くなるということで、3月中旬から
買い控えが起きて、3月下旬の販売は皆無となり、その反動が4月初旬に来て
即時値下げしたSSは、長い列が出来、在庫切れが多くのSSで発生しました。
同様に4月下旬も5月から大幅値上げで、長蛇のが出来、在庫切れ閉店続出!
精製設備も物流能力も、何も問題ないのに、お客様の買い控えと、その後の
満タンだけで、ミニパニックが起きるという良い実例と思います。
そして5月の我々の販売量は、再び落ち込んだのは言うまでもありません。
今回も少なくとも首都圏については、あと数日の話ですので、くれぐれも冷静な
対応をお願いします。

3月19日の弊社SS並びに20日の自宅近くの状況報告 20日 18時更新
19日土曜日は、弊社6SS全店オープンしました。
昨日は、お客様の不安心理を少しでも解消して頂けるよう、多くのSSで
満タンOKとしました。その結果、各SSでの販売数量は、通常の3-4倍。
それでも全面道路の渋滞状況をみながら、開けたり閉めたりの連続で
我々売り手の方も、大変混乱しております。その土曜日の話題として
弊社6SS中で、最も小さなオートジョイ南田無の例をご紹介します。

早朝SSに出勤した所長によれば、開店前のSS店頭に徒歩で来られた方
は約25名。実はこの南田無SSは、前面道路が狭い片側1車線なので、
道路上で車が列を作って給油待ちをすることは、絶対出来ないので、
所長が考えたのが、この事前配布整理券方式です。下写真参照。

そして無事ローリーが入庫してから開店したのですが、その営業中に田無
郵便局支店長が来店されました。「どこのSSでも給油出来ないので助けて」。
地域密着型SSとしての社会的使命を果た時が来ました。
支店長様には、13時から30分。郵便局専用SSとしてご利用頂くことを約束。
12:30 一度閉店です。整理券回収約60%。全スタッフ一度休憩し
13:00 郵便局タイム開始です。軽自動車10台 2t1台。そして市内全域
  から集まって来た、赤バイク約60台。いつもは一台一台、伝票を起こして
  いたのですが、本日は1POS伝票で連続給油です。効率よく30分で終了。
以下その時の映像です。約60台のバイクに1POS伝票で入れ続けるのは快感。
ありがとうございますという皆さんからお礼が、スタッフへの心の感謝状です。

20日の日曜日は弊社も全店休業&自宅近隣のSS報告 20日 21時更新
19日土曜日の売り上げ数量は、全SSとも通常の3-4倍の販売でした。
しかし翌20日の日曜日の仕入れは、全SSとも入荷は無し。事情をお伺いすれば
ローリーの配送員の方々も全く休みなく1日20時間体制で来たので、一休み
したいとのこと。ということで当社の6SSも全休としました。
21日の月曜日は祭日ですが、全SSオープンします。入庫予定は前年並み。
しかし販売は、前年の3倍なので、在庫がなくなり次第の閉店をお許し下さい。

さて本日は、私も休みでしたので自宅の近くのSSを見て来ました。一番並んで
いたのは、青梅街道の出光の大型セルフで500m。その前の昭和シェルも100m。
反面、環状8号線のjomoからENEOSになったSSは下記写真の通り僅か30m。
実際に入って給油し、スタッフにお伺いしてみると、このSSは、ここ数日間
切れる事無く入荷し販売しているので、お客様も安心し始めたのではないか
とのことでした。この日は、環状8号線の通行量が少ないこともあったのかも
しれませんが、驚きです。尚、本ページを見てお客様が殺到してもいけないので
具体名は控えます。

東北&北関東の被災地の方への朗報です 19日 12時更新
東京の一特約店ごときが出来ることは少ないのですが、アピールや広報まで
手の回わらない元売に代わって、各元売やマスコミ等で発表された事実と
私の推測を含めた情報をお届けします。
この情報によって 過度の期待をもたれても困るのですが、一昨日よりは、昨日
昨日よりは今日と、確実に状況は改善されていると理解頂ければ幸いです。

1.JX根岸製油所の各製品タンクから、JRでのタンク車
  (30-40t、ガソリン換算40-60kl)が、18両編成 800-900kl相当が、
   山形、青森を経て 盛岡油槽所へ向けて出発しました。NHKより↓
 
 
18日21:44出発 19日21:51盛岡着 ガソリン9両 軽油9両 792KL
 21日11:46出発 23日09:24盛岡着 灯油6両 重油2両 440KL 
 以上21日から2編成で根岸−盛岡間をピストン輸送とのこと。23日13時更新

2.被災していたJX鹿島製油所の製品タンクから18日より出荷開始。JXHP
  生産は当分先ですが、垣見推定で各油種合計で1万KLなので期待大

3.出光 塩釜油槽所(容量26000KL)も復旧。陸上ローリー出荷開始。
  在庫出荷のみではなく海上受け入れも可能。出光の北海道苫小牧
  製油所や同千葉製油所からタンカーにて続々出荷開始。17-18日
4.東燃ゼネラル川崎 33万BD生産開始 平常時レベル回復18日

5.タンクローリー大幅増強。東北地方で被災したローリー推定170台。
 (400被災したと言うニュースもあり混乱しています)
 当初比倍の 約340台。18日。
6.2-3-5の効果として、今までは関東の市川からローリーで配送した場合
 2日で1回転しか出来なかったが、被災地である 鹿島や塩釜からなら
 配送拠点が一か所なら 一日4回転出来るはず。よって1台のローリーの
 効率は、8倍となる。但し あくまで机上の計算です。
7.エネ庁等の緊急対策です 3/19追加
  
首都圏以西地域への一般のお客様と警察へのお願い 18日 17時更新
0.弊社の直営6SS中、4つのタンクの比較的大型のSSにて、
 タンクローリー1台16KLが一度で入荷するという効率的な配送となりました。
 前年同月水準の入荷ペースですので、ご安心下さい。
 但し、出荷も3-4倍なので、よって1日で在庫切れとなってしまいます。
 3/22の火曜日までには 改善されると思いますので、下記事項について
 何卒ご協力を賜るよう よろしくお願い申し上げます。 18日 17時更新

石油&SS業界は、東北地方等被災地への供給を最優先しておりますので
1.買い貯め、買い急ぎは、くれぐれもご遠慮下さい。
2.20L 10Lの限定給油
にご理解下さい。
3.SS前面道路での給油待ちは、原則ご遠慮下さい。
4.SS閉店中のSS前の道路での開店待ちはご遠慮下さい。


この3と4については、地元警察や公共交通機関のバス会社様より、厳しく
注意されております。特に警察からは、前面道路での給油待ちの車に対し
「何とか解消して下さい」とご指導を頂きます。ご主旨はよくわかるのですが、
我々民間人は、交通整理の権限や車線規制等の権限を持っておりません。
お客様には、道路には並ばないように、お願いをしておりますが、お客様も
その「お願い」を聞いて頂けるレベルではなくなってまいりました。

そこで最後には、法的な指導力のある警察の方にお願いせざるを得ません。
我々は、それがなくても生活出来る嗜好品を販売している訳ではありません。
地域社会への燃料供給と言う社会的使命を担っていると自負しております。
このままでは、安全上、在庫があるにも関わらず、SSを閉店せざるを得ない
という状況も発生しかねませんので、警察のご支援を深くお願いする次第です。
元売製油所の現状
JXの仙台製油所(14.5万BD)被災、復興は数カ月(垣見推定)。
JXの鹿島製油所(25.2万BD)被災、復興1カ月以上(垣見推定)
コスモの千葉製油所(22万BD)被災、火災発生、復興1か月(推定)が
いわゆる被災のレベルです。合計精製能力は、約62万BDです。
Bは、バレルで159Lです。Dはdayで一日当たりと言う意味なので
被災した製油所の合計能力は 62万BDは、98580KL/日となります。
ちなみに日本全体の精製能力は、2011年2月現在で451万BDですが、
それまでは、昨今の需要低下で、100万BDは余剰力と言われていました。
よって下記の整備点検中の3製油所が、順次稼働すれば、精製能力は
全く問題ないことが、おわかり頂けると思います。皆様もう少しの辛抱です。


以下の製油所は、軽微なトラブル程度と思われます。
千葉の極東石油(17.5万BD)、EM系、点検整備中→順次生産再開
東燃ゼネラル川崎工場(33.5万BD)、点検整備中→18日平常レベル回復
JXの根岸製油所(27万BD)、点検整備中。→22日より順次生産開始。
よって点検整備中製油所の精製能力の合計は、78万BDですが、これらの
製油所は今週末から来週火曜日までに順次稼働の予定(垣見推定)です。

各油槽所からも 順次出荷開始
一方油槽所の等の出荷状況をご報告します。
正直申し上げると、地震の翌日の12日土曜日、13日 日曜日は、弊社直営SS
ならびに、系列販売店への入荷は全くゼロでした。
弊社は、土曜日から20L限定給油、更に日曜日からは10L限定給油をお願い
したので、何とか品物を切らせることなく推移しましたが、近隣SSで在庫切れが
発生した後は、当社にお客様が集中し、結局と当社も在庫切れとなりました。

そして月曜日の14日以降は、日本最大の内陸基地とも言えるJXエネルギーの
市川油槽所から出荷が開始されました。同所は、東京ディスニ―ランドと同様、
液状化現象で校内の地盤は波打って、大変な状況だったと聞いていますが、
応急処置をして出荷を開始して頂いてので大変嬉しく思っております。

一方、JXの根岸製油所からも、製品の出荷は開始しされました。また根岸は、
単に製油所内のタンク在庫分の出荷を開始しただけでなく、関西圏や九州から
の出荷品を、内航タンカーで運んで来た製品の海上品の受け入れも可能になった
という意味なので、細いながらもサプライチェーンが完成した良いニュースだと
思っています。
タンクローリーも1100台が被災地で活動中 ( +300台 18日 更新)
最後のネックは、石油製品を運ぶローリーだと思います。
今回の東日本大震災は、その多くが東の沿岸部の津波による災害です。
気仙沼や塩釜、釜石、八戸等は消失したり甚大な被害を受けたりしました。
よって石油製品等の支援物資の輸送は、ローリーに頼るほかはありません。
これはマスコミ発表ですが、全元売で1100台のローリーが東北等の被災地で
活動中とのことです。

このうち、油槽所とSS等を結ぶ大型ローリーは約400台。更に関西方面からの
応援が300台追加され 合計700台になるそうです。(3/18情報)

例えばJXや出光の例でで申し上げれば、日本海側の秋田や新潟の沿岸基地や
油槽所は大丈夫なので、北海道の室蘭や苫小牧から船で運び、そこから本州を
西から東へ横断するような大変ルートで輸送していると思われます。
また東北の南部の方は、根岸製油所等から、タンクローリーによる陸上ルートで
運んでいることも考えらます。
また青森県知事は、3月16日、船で青森に運び、その青森から南の被災地へ
送ることも提案したので、この方式も順次始まるかもしれません。

それでも被災地からは、ガソリン灯油軽油やA重油等が不足していると16日でも
テレビ盛んに報道されていました。よってこの東北の被災地支援のローリーは
更に多くなることが予想されます。

首都圏の皆様。我々はお陰さまで無事だったので、被災地の皆様に貴重な石油
製品をもっともっと送るために、もう少しのご辛抱をお願いする次第です。
タンクローリーの配送ネック対策は意外に簡単
では、少なくなったローリーで、どう配送ネックは解消させるのでしょうか。
それは原点に戻ることです。3.11前は、当社SSの配送サイクルは、約週2回でした。
そのかわりローリーの許容量一杯の16KLなり20KLが、ちょうど満載になるような
タイミングで発注しているのです。油槽所を出発したら、配送先は弊社のみ。
1箇所に荷降ろしてまた油槽所に帰るという効率的な配送にすると、配送距離にも
よりますが、ローリー1台当たりに1日3-5回配送出来るのです。

しかし3/14以降は、限られた数量を、なるべく多くのSSに運ぶために、1SSに
2KLとか4KL等の少ロットになっています。その結果、ローリーから見れば
1回の配送で多くの配送先に回る必要があり、結果として1台当たりの効率も
落ちているのです。しかし、この1回に配送される量も、昨日16日からは、徐々に
増えてきましたので、この混乱は、製油所の生産開始と連動して、今週末か
来週初めには解消されてくるのではないかと思います。

(↑本件に関し弊社も受け入れSSを選定し、3/18からは6SS中4SSで16KL単位
 でのローリー1ロットで、入荷されるようになってきました。 19日 7:30更新)

同様なことが、我々SSとお客様の間にも言えると思います。1回の給油量を
20Lとか10Lに限定させて頂いておりますので、ちょっと走っただけで、不安
心理から、またSSに並ばなくてはいけないという悪循環です。でも上記の通り
配送や供給は、順次解消されてきますので、お客様に置かれましては、是非
冷静な対応をお願いする次第です。

 (↑当社でも 3/18より 一部SSは、満タンOKにしました。ご安心下さい)
首都圏における今回のガソリン品不足の冷静分析6/7更新
@近年の必要量のみの節約給油意識
 2008年に石油価格が高騰し、その時の節約対策として、ガソリンタンクは
 半分位の方が、燃費もよく、お財布にもやさしいという意識が芽生えていた。
 またここ2-3か月は、エジプトやリビアのネット革命問題で、価格は130円から
 150円に急上昇し、必要分だけいれる習慣が定着していた。

A3/11地震での電車の全面運休で、首都圏で推定100万台の車が動いた。

 しかし道路は、1都3県全く動かない大渋滞となり、20kmの距離で10時間。
 東京の車両数を100万台として、普段は、20kmの帰り道を平均20km/h
 10km/Lの すなわち2Lの燃料消費で1時間で帰るが、当日は10時間。
 よって20L/台のガソリンが消費されたとすると推定100万台x20L=20000kl
 一方東京のSS数 1500箇所 平均15klの在庫で 22500kl。
 これは、あの一晩の大渋滞で東京中のSSの在庫を消費したことになる。

Bその翌日、燃料がぎりぎりの状態で、ガソリンスタンドにご来店された。

CSSでは、出荷地の被災により、12日土曜日と13日日曜日の入荷は皆無。

D結果多くのSSで在庫切れが発生し、消費者に最初の不安心理が走った
  
E業界最安値で仕入れ、大量販売していたジョイフルホンダ等も閉店となった

F14日月曜日以降、元売正規系列店に少量の製品が供給され始めたが、
 今までジョイフルホンダ等で購入していたユーザーが、一般系列店で購入
 したため開店後数時間で在庫切れとなり、不安心理が、一層増加した。
 (月間1500KL販売の大型SSが閉店して、周辺の月間150KLのSSに行けば、
  対応できず、混乱して在庫切れを起こすのは必然だった)


G元売は限られたローリーでより多くのSSに配送しようとした。通常は16KL
 ローリーで1SS届という効率配送が、4KLの4箇所届となり効率は1/4

HSSも10L等の限定給油を余儀なくされため、例えば満タンで40Lと比較し
 効率が1/4となり、お客様の来店頻度が4倍となり、元売とSSとの間の
 不効率が、SSとお客様間でも 起きてしまった。
 (例ベンツ600を1時間待たせて10Lでは、何をやっいるか分からない)

以上他の複合要因が、3.11から現在までの首都圏におけるガソリン不足の
冷静分析です。一方、被災地は、完全に物流の問題と思います。
思い出してほしいオイルショック時のトイレットペーパー
ところで若い方は、実体験としてのご記憶はないと思いますが、オイルショック時
石油がなくなり、買いだめに走る不安心理は、一応出来るものの、トイレット
ペーパー等が一気になくなりました。しかしこちらの最大の原因は、お客様の
買いだめでした。メーカーは不安心理解消の為に大増産。結果、一通り行き
渡ったあとは、2か月間全く売れなかったそうです。
よって首都圏の方が、必要な分だけを買うのであれば、一時の在庫放出で
十分乗り切れるはずです。また九州や関西圏の方でも、前年比70-80%程度に
出荷を抑え、その分を被災地に回すような調整をして頂いてるとのことなので、
とにかく京浜地区の無事だった製油所が、今週末から順次稼働を開始しすれば、
関東の供給不安の解消は、私は時間の問題だと思っています。
また被災地も本ページのトップに書いた、塩釜港のタンカーでの受け入れ可能
となった等の物流上のネックの問題が解消されてくれば、これも改善される
のはるでしょう。
という訳で、首都圏の皆さま。改めてお願い申し上げます。被災地に貴重な
ガソリンや灯油軽油を送るためにも冷静なご判断をお願い申し上げます。
関連サイトは以下の通り   3/19 7時更新
石油連盟          石油製品の安定供給について 
JX日鉱日石エネルギー 石油製品の供給体制について ニュースリリース一覧
コスモ石油         地震の影響について
出光興産 石油製品の供給について 塩釜油槽所の再開について ←朗報です
昭和シェル石油      
東北地方太平洋沖地震について
エクソンモービルジャパン 地震の影響について   同第6報 3/18
極東石油工業       地震による操業への影響について 3/17
神垣石油の掲示板    SS業界の生の悲痛な叫び声が聞こえます
写真報告  垣見油化の東京千代田区の 麹町本社の3.11

弊社麹町本社の地震直後の写真です。私もアラ50の年齢ですが
人生最大の揺れを経験し、本当に恐怖を感じました。写真の通り、書棚は、
転倒防止装置が効いて、転倒は免れましたが、中の物は、半分くらい落ち
また応接室の大切な花瓶の置物もご覧の通りです。


首都圏の電車は全面運休、そして地震直後から徐々に車が増え始め
弊社本社前の麹町大通り=甲州街道は、上下6車線にもかかわらず
大渋滞です。結局この渋滞は翌朝まで続くことになります。
首都圏が初めて経験した帰宅困難者大発生=難民
お陰さまで弊社本社にいた全社員に怪我はありませんでした。
地震直後に通じた電話で、全直営SSも軽微な被害等で済んだことが
確認されました。しかしその後は、もう電話も携帯も不通となりました。

次は会社として、社員を安全にどうやって帰宅させるかです。
結果として約半数の社員が泊まることとなりましたが、近隣ホテルは、地震
直後に満員。それならばと宿泊社員の夜食の確保に、弊社ビル1階の
コンビニに走りましたが、やっとのことで買えたのがカップ麺等のみ。
二回目の買い出しの時には、品物は売り切れに近くなるとともに、前面の
麹町大通りを歩く帰宅難民者のトイレ待ちの列も出来るようになりました。

やがて各社員と相談の自己責任で、歩いて帰るか泊まるかの判断です。
私の住まいは杉並区ですが、直線距離で約12km。過去マラソン完走の
為の基礎体力作りのために何度も歩いて帰ったことがあるので、小走りで
帰れば、10分/kmなので 120分=2時間で帰れる予定です。
しかし歩道は人で大混在。全く動かない車道を歩く人もいる位。歩道の人の
密度は、新宿駅最も混雑したホームを歩くような感じです。
7時過ぎに出発。四谷三丁目まで来たところで、1時間前帰ったはずの
社長と携帯が繋がり状況も聞くと、車は全く動かず時速1kmも行かないので
俺も歩いて帰る。同じ方向なので一緒に帰ろうとのことでした。
結果、私が自宅についたのは、22:45。私の自宅近くまで迎えに来ていた
社長の家族と運よく合流出来て(携帯が23時でもなかなか繋がりません)
社長が自宅についたのは、24時過ぎでした。
また別の社員が、麹町から松戸まで車で帰りましたが、32kmしかないのに
22:30に出発して翌朝6:00についたそうです。

前述のAの通り首都圏を埋め尽くした車が、仮に100万台としてその燃費が
通常の1/10まで落ちたと考えてよいのです。100万台の車のガソリンが
一夜で 20L位なくなる。乱暴なこの仮説が、もしあっているとすれば、
1,000,000台x20L=20,000,000L=20,000KL が消えたことになります。
そして この100万台がその翌日以降、満タンにしようとSSに来店、車のタンク
容量が、仮に50Lとすると50,000KLの緊急需要が起こったことになります。
中期的な心配 電力用C重油を如何に確保するのか 以下順次報告します
発電は原子力。火力は天然ガス、石油火力は、バッファーのみに使われていた。
今の東電の本当の実力は、後日紹介させて こちらの個人サイトへ。
長期的な影響としては EV から FCEVへ加速するのか
あくまで一段落してからの問題です