暖房エネルギーベストミックス探求記、NO3
 電気、ガス、灯油代の総合的な節約と将来の燃料電池を考える
あなたは3月及び ベストミックス暖房探求記の 番目のお客様です。
2001年にこの企画に初挑戦して以来、アクセス数が好調なので、嬉しく思っております。
今シーズンは、厳冬であった事、加湿器を二台増やした事、暖房範囲が増えた事等、昨年との単純
比較が出来なくなりましたが、それなりの発見もありましたので、ありのままご報告したいと思います。

灯油ファンヒータをもう1台購入しました

東京電力が例の原発問題で、冬場において節電を要請している
こともあり、我が家でも今シーズンは灯油をメイン暖房にししました。
まず、居間と食堂のメイン暖房を灯油ファンヒーターにするとともに、
次に在室時間の長い私の書斎?というほど立派ではありませんが、
ここも灯油にすべく、もう1台小型ファンヒーターを購入致しました。
機種は一昨年に購入した商品がそこそこ良かったので、同社の中で
最も小型な製品を12月1日、家電量販店にて12800円で購入しました。
 最大出力、3kW(2,580kcal/h)、最小出力、0.68kW(580kcal/h)
 燃料消費量は、最大 0.313L/h、 最小 0.071L/h、重量8kg、
 タンク容量 5L、最大燃焼時で約16時間の連続燃焼が可能です。
さて灯油ファンヒーターでも電気が必要な事を忘れてはいけません。
点火時に最大90秒間550Wで灯油を気化し燃焼後は 30Wで運転します。
 その他の不完全燃焼防止装置、耐震自動消化装置、過熱防止装置、点火安全装置、停電
安全装置、消し忘れ消化装置等の各安全装置は、小型製品でも大型品同様の性能です。
 ちなみに家電量販店等で1万円以下で販売している様な製品は、燃焼時の電気使用量や
上記の安全装置の性能を、よく確認してからご購入された方がよいと思います。

大活躍したこの小型灯油ファンヒーター

 実はこの小型ファンヒーターは家族に大変好評でした。
本来は私の書斎専用のはずでしたが、ヒーターの重量が8Kgと
軽量で、手軽に向きを変えられたので、私の書斎の扉を開けた
所にある、玄関ホール、廊下、二階への階段を、私のいない時は
それら共用部をの暖める暖房機となったようです。
 また私がこのファンヒーターの移動用のキャスターを日曜大工で
作ってしまったこともあって、今まではガス温風ヒーターで、時間を
掛けて暖めていた脱衣所でも、寒い日に使用することになりました。
以上の事から私の書斎のみならず玄関ホール、廊下や階段を通して家全体を暖める事になり
昨年と比較する上で前提条件が大幅に異なるとともに、省エネという点でも、は少々贅沢になり
ましたが、これも事実ですのでありのままをご報告することにします。

加湿器も購入。しかしその電気使用量にびっくり

さて今シーズンの冬は、風邪やインフルエンザが流行りました。
当家も特に今年は風邪を引きたくなかったので、灯油ファンヒーター
を使用すると結果的に加湿出来る(昨年参照)1階はさておき、2階は
全くの乾燥状態だったので、子供部屋と主寝室にそれぞれ加湿器を
設置しました。ところが従来からあった95年式のS社製の340Wという
電気使用量をみてその多さに驚きました。また現在の製品もカタログ
で選んで購入したY社製品も加湿能力強(360cc/h)、プレハブ洋室で
9畳用でも電気量は270Wですから就寝中連続運転したら大変です。
  (270w+340w)x8時間x20日(雨の日除く)X 4ヶ月=390.4kwh   390.4kwh X 23円=8,979円
ヒーター式(S社)、スチーム加湿式(Y社)等、原理としては電熱?なので止むを得ないのでしょう。
また今回購入した製品は、本当に効くかは別としてマイナスイオン噴霧機能もありました。

今シーズンはやはり寒かったのか

さて今年の冬は、どくのらい寒かったのでしょうか。気象庁のHPに行ったところ、すばらしい
データバンクページ、http://www.data.kishou.go.jp/  がありましたのでご紹介します。
まずきのうまでの気象観測資料 から、例えば東京の2002年の月別をクリックすると
1年分の月別の平均、最高、最低気温が見れ、これは1961年分から取得出来ますので
エネルギー関係者は是非とも覚えておきたいHPです。以下は、東京(大手町)のデータです。
ちなみに東京でも中央線を例にとれば、高円寺、吉祥寺、国分寺、八王子と、西に行くに従い
1度ずつ下がるという話を聞いたことがあります。我が家のある荻窪は、高円寺と吉祥寺の間
ですので、ご参考にして頂ければと思います。

2002-2003年 今回データ 2001-2002年 前年データ
項目 11月 12月 01月 02月 合計 前年比 11月 12月 01月 02月 合計
月間平均気温 11.6 7.2 5.5 6.1 約7.6 -1.6 13.1 8.4 7.4 7.9 約9.2
同平年比 -1.4 -1.2 -0.3 +0.0 -0.7 -1.6 +0.1 +0.0 +1.6 +1.8 +0.9

この表からやはり今年の冬が寒かったことが分かります。各月の平均気温を単純に4か月分
平均して良いかどうかは別として、少なくとも前年比 1.5度Cは低かったようです。
 一般に平均気温が1度C違うと、灯油の様に気温に連動し易い油種でその消費量は5%違う
そうですから、電気、ガス、灯油の総使用量や総料金が前年比5%増以内なら、ベストミックス
効果や灯油の相対的な安さが、うまく表れたと言えるでしょう。

電気料金のデータの取得から

ます電気料金です。昨年もご紹介した東京電力「電気のシェイプアップカルテ」で
「会員登録」をすると、どなたでも下記のようなデータを、WEB上で見ることが出来ます。
以下は正に当家の実データです。赤枠で囲んだ今年の4ヶ月と前年データをご覧下さい。
 下段の今シーズンの4ヶ月は、2591KWで64,760円。  前年比 +4kw -6,124円
 上段の昨シーズンの4ヶ月は、2587KWで70,884円。
  前年比-81kw -3,723円
 参考、一昨年の4ヶ月は、   2668KWで74,607円。


使用量では4KW上回りましたが、気温が月当り0.7度も低かったことや、今年から加湿器を
2台使い始めた事を考えると、暖房としては大幅な削減になっていると思います。
 更に料金では、2002年1月から契約電力を 120A から 80A へ変更し、基本料が
毎月下がったことが反映して 6,124円も安くなりました。

ガス料金の実績把握

次に都市ガス料金のご説明ですが、その前にご報告があります。昨年の企画でご紹介した
東京ガスの「床暖房料金プラン」で、12月から4月の冬期は70m3以上、それ以外の月は
30m3以上使用するユーザーには、得であるととご紹介しましたが、我が家のベストミックス作戦
の結果、ガス使用量が冬場の4ヶ月で216m3も減り、冬期5ヶ月の使用量が300m3 すなわち
1ヶ月当たり60m3となった事、また夏期7ヶ月も156m3と1ヶ月当たり 22.3m3となり、損得
分岐点を割ったため、その料金プランを4月をもって解約することにしました。
さて、ガス使用量はどうなったでしょうか。東京スのHPから我が家のデータを出してみます。
  左列、今年の4ヶ月は、199m3 27,296円 前年比  -58m3、価格は、 5,807円安
  右列、昨年の4ヶ月は、247m3 33,103円 前年比 -216m3、価格は、25,340円安

 参考一昨年の4ヶ月は、463m3 58,4437円
この減少理由は、床暖房を相対的に使わなかった事、脱衣所の暖房を灯油ファンヒーター
にした事、洗濯物の乾燥機の使用頻度が、結果的には少なかった事、更にガスファンヒーター
を今年は全く使わなかった事等の複合要因が、考えられますが実は良く分かりません。


問題の灯油はどうなったのか

昨年は、シーズンを通して37円と安値安定した灯油価格ですが、今年は、弊社南田無SSの
灯油店頭価格は、1L当たり38円でスタートしたものの、イラク問題で徐々に値上がりし、2月
27日現在42円となったため、結果として10%近い値上がりとなりました。
その使用量ですが、11月から厳冬の影響を受け、倍近く増えるとともに、12月からは、1台
増えたファンヒーターの大活躍?のお陰で、見事な増量となりました。


項目 2002-2003年 今回データ 2001-2002年 前年データ
灯油 11月 12月 01月 02月 合計 前年比 11月 12月 01月 02月 合計
月間使用量 64 100 124 84 372 +111 38 60 83 80 261
単価 38 41 41 42 40.7 +3.7 37 37 37 37 37
料金 2,432 4,100 5,084 3,528 15,144 +5,457 1,406 2,220 3,071 2,960 9,657

合計金額ではなんと減少しました

合計金額では、ガスの使用量が約20%減、金額にして5,800円も安くなったので、使用量が
43%増え、その単価も10%上がった灯油料金の 5,460円の上昇分を吸収出来ました。
当初は書斎を電気エアコンからの灯油ファンヒーターに切り替えることで、電気料金を下げる
つもりでしたが、加湿器により増えた電気量が本当に 390kwh(8900円)もあれば、すごい
削減量
だと思います。これは単に書斎だけでなく、玄関ホール、階段そして二階廊下等が
暖房されたことで、二階のエアコン負荷がそれなりに軽減されたのたのかもしれません。
 しかし驚いたのは、都市ガス使用量の減少です。昨年のトライで一昨年から216m3も減少
したので、これ以上下げるつもりは無かったのですが、今年の減少は驚く結果となりました。
その理由は、ガスの項目で列挙しては見ましたが、今ひとつ原因は分かりません。
二階には床暖房は入っていないので、共用部や二階が、灯油暖房で暖まつたとしても
ガスの使用量がそれ程までに減った理由は、住んでいる私としても本当に分かりません。

ちょっと強引ですが、熱エネルギーの総量比較をしてみると

さてどこまで正しいかは別として、冬季4ヶ月の当家の必要熱エネルギーを計算してみます。

まず電気では、照明等熱以外の電気量を、暖冷房の影響の少ないない、4、5、6月と
10月の使用量から推定して、誠に大雑把ではありますが、月当たり仮に550kwhとします。
そして4ヶ月で使用した2591kwhの内の2200kwh(=550kwx4ヶ月)は、照明等の用途とすると
熱エネルギー用としての使用分は、391kwhとなります。我が家では、コタツのような電熱型
の暖房器具は無いので、その電気はすべてエアコンに供給されたとして、エアコンcop効率を
「3」とすれば、室内に供給された熱エネルギーは、391x3x860kcal=1008Mcal となります。
都市ガスは、199m3x9,930kcal/m3 =1976Mcal で これは給湯エネルギーも含みます。
灯油は、372Lx8,210kcal/Lとして=3,054Mcalとなります。以上を総合すると、この冬期4ヶ月に
使用した当家の熱エネルギーは 6038Mcal というそれらしい数字が出て来ました。

同様に昨年を計算すると、電気よる暖房エネルギー(2587-(550x4))x3x860kcal=998Mcal
ガスは、247m3x9,930kcal/m3として=2453Mcal、灯油は、261Lx8,210kcal/L=2,143Mcal
以上合計で 5,594Mcalとなりました。

昨年との比較では +444Mcal、率にして 8%も多くなりましたが、料金が増えなかったのは、
都市ガスを(134円/m3/9,930kcal/m3(東京ガス13A)=13.5円/Mcal)を約1/3のコストの灯油
(41円/L/8,210kcal/L=5.0円/Mcal) に置き換えたからと言えるでしょう。

ビックニュース、新日本石油グループより1Kw級定置式LPG燃料電池提供開始

さて最後に嬉しいニュースをご報告します。トヨタとホンダが昨年世界で始めて、燃料電池
自動車をリースでありますが国に納めて話題になりました。そして新日本石油も本年1月
世界に先駆けて、LPG仕様の定置式燃料電池システム横浜市等にレンタルするとともに
4月以降、我々特約店レベルにも、同システムをリースにて提供すると発表しました。
1年間のみの期間限定で、将来の目標価格?のまだ10−20倍程度ではありますが、
それが高いかどうかは別として、やる気とお金があるなら我々特約店レベルでも、燃料
電池を自らの手で試して見ることが出来るのは、誠にすばらしいことです。
新日本石油と新日本石油ガスの関係者に深く敬意を評するとともに、我こそはとお考え
のユーザー様がいらっしゃいましたら、是非ご連絡下さい。
NO3 2/28 文責 垣見裕司