アブダビ国営石油(ADNOC)訪問&ドバイ視察写真報告
 ADNOCの歓迎に驚く & ドバイの繁栄は本物か
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石油依存からの脱却を目指すドバイ経済の実力は本物か バブル崩壊はないのか  
さてここからは、原油から話題を広げドバイ経済全体について考えてみたいと思います。
UAEは、石油、ガス資源に恵まれていそうですが、そのほとんどはアブダビで産出されており
産出量の乏しいドバイは、石油資源収入に頼らない経済を構築するべく、自由貿易特区・
経済特区を設けるなどして、アジアとヨーロッパの中間という地の利を活かして中東の
物流基地を目指す一方、観光にも力を入れ、石油に依存しない経済体制を目指しています。
その考え方には多くの人が賛成することでしょう。
しかし昨今の日本のドバイに対する報道を見ると「神田うの」の新婚旅行に代表されるように
世界の富の全てを集めたような印象で、ドバイに不安は全くないかのようなもてはやしようです。
果たして本当でしょうか。現地に行きその両面を拝見した私は、あえて影の部分を少し報告
して見たいと思います。



まず左上写真をご覧下さい。これは新ドバイ西部、我々が泊まったホテル近くのジュメイラビーチ
リゾート地区の分譲マンションです。しかしこれだけ密集しているのでオーシャンビューでなければ
ハーバービューでもありません。それに全て完成して完売したいという割には、全く生活観が無い
と思いませんか。実はちゃんと居住しているのは、1-2割。多くの方は投資転売目的で、中には
ワンフロア丸ごと投資で買った人もいるそうです。そこまで行かなくても、購入者には99年の定住権
が与えられるので、欧州等のお金持ちが、老後や冬の休暇に太陽を求めて来るのだそうです。
価格は、3ベットルームで7000万円以上。他の多くのマンションが購入時の価格より、高く転売
出来るのに、少なくともここの密集マンションは、買った値段での転売は、まだ無理のようです。
皆様、これは、もしかしてあの時の日本が体験し、その時は誰も気付かなかったバブルでは
ないでしょうか。右上写真を見て下さい。多くの超高層ビルにある建設用クレーンの数を。
日本国内で表現すれば、お台場と汐留と品川と六本木と丸の内の再開発を、全て同時に進めて
いるような感じです。建設工事は何と24時間休みなく続けられておりました。
ドバイ市内渋滞対策として ドバイメトロは本当に有効なのか
ドバイの今の短期的な最大の悩みは、そう交通渋滞です。平日の朝晩には通勤渋滞。休日前は
花木夜渋滞。これを解決すべく当局は、ドバイ空港からドバイ市内、そして最大の経済特区である
ジュベイル・アリまで日本で言うユリカモメを走らせるそうで、現在急ピッチで工事が進んでいます。
しかしこの三枚の写真を見て何か感じることはありませんか。そう街の道路に人が歩いていない
のです。その理由は、今の冬季はまだ良いのですが、夏は暑くて50度にもなり、とても外は、歩け
ない。また街が意外に大きいので、例えば日本のお台場のビル群を「車なしで歩いて移動する」
という発想イメージが沸かないのと同じで、更に日本で言う駅前とか商店街とかは、ドバイの旧市街
のゴールドスークでもいかない限り、新ドバイでは、歩いて移動という発想はないように思いました。

それに、車は20%のUAE国籍を始め3-4割の裕福層しか持っていません。その裕福層が、渋滞解消
のために公共交通に乗るとは思えません。では低所得者の建設工事従事者は、このメトロに乗るの
でしょうか。実はそれも無理そうです。彼らは郊外のアパートに1室に10人くらいで住み、バスで建設
現場まで来て、一日中働き、またバスに乗って帰り、ほぼ休み無くその生活が続いているそうです。
要するにメトロに乗って、街まで優雅にお買い物という環境にはないようです。
現地在住日本人有識者のご講演 ドバイの現状と今後 それでもドバイ経済は繁栄する
このような根本的な疑問を解決すべく、我々はドバイ在住で仕事をする日本人有識者をお招きし
「ドバイ経済の現状と今後」と題して、お話をお伺いしました。その全てを記述することは出来ない
ので、私の最も聞きたい要点、即ち「ドバイは、バブルではないのか」についてお伺いしてみました。

結論から申し上げるとその有識者曰く、「100年先は分からないが、20年先までバブル崩壊はない
であろう」ということでした。以下その理由を箇条書きにしてみました。

1.脱原油の基本方針は、数年前の原油高騰で始めた訳ではなく、かなり前から長期的視野で実施
 されている。中東の物流基地、金融基地、観光都市としての実力は、本物だろう。
2.ドバイ首長は、非常に良く勉強している。また非常に優秀な英国人ブレーン軍団がいるらしい。
 また首長の方針をUAE国籍の国民も歓迎し、支持も集めているし人気もある。
3.経済特区から教育特区、更には医療特区まであらゆる特区が存在し、中東はもちろん、地理的
 に近い欧州からも人・物・金・情報・システム等が集まるような仕組みが、出来つつある。
4.不動産開発投資は、ドバイ政府やUAE企業の借金で行われている訳ではない。政府が例えば
 パームアイランドのような大規模開発プロジェクトを発表すれば、それを超巨大大金持ち企業が
 買い、開発して中金持ちに売り、更に小金持ちも小分けして売っているので、仮に末端で投資に
 失敗した小金持ちが若干出ても、大金持ちやましてやドバイ政府には、何らの被害が発生しない。
5.日本のバブル崩壊は、開発が続けられなくなったから起こった。しかしドバイでは向こう20年位
 開発予定がある。今では十分大きいそして中東のハブ空港となっているドバイ空港のなんと
 6倍くらいある世界最大の空港の建設も予定されている。これは自由貿易港であるジュベール
 アリポートに隣接し、万一ホルムズ海峡が封鎖されても、その代替を飛行機で出来るくらいの
 規模である
6.現在130万人の人口は、5年後に250万人。10年後には450万人となるので、実は今でも
 住宅は足りない。

以上のようにその繁栄が継続するであろう理由を聞き続ければ、そういう見方もあるのかなと
一応は思いますが、本HPではあえて結論を出さず、これからの5年後10年後のドバイを皆さんと
一緒に見て行くことで、その答えにしたいと思います。
現地にお住まいになって一番困ること
さて現地にお住まいの日本人の方に色々聞いた上でのお困りの事ベスト5、ランキングです。
まずは交通渋滞。これは酷い。10kmを行くのに1時間かかることも良くあるそうです。
次に車の運転には相当の覚悟が要ること。右側通行が、日本人にとって、慣れないだけでなく
右折左折が非常に複雑なので、「勘」ではとても走れないとのこと。
そして万一の事故の時は、相手がUAEの国籍なら、まず100%負けるとの。人身事故は国外退去。
場合によっては、目には目を、という宗教上許された(黙認された)報復がありうるとのこと。
だからといってタクシーも混んでいる。捕まらない。屋内スキー場付きの巨大ショッピングセンター
に行きましたが、帰りのタクシーは長蛇の列で1時間待ちでしょう。我々の貸切マイクロバスに
乗せてくれというお客もいるくらいでした。
また身近な点では、マンション等水周りの不具合が多い。にもかかわらず、なかなか修理に
来てくれない。約束は守られない。来たとしても時間はいい加減。
最後には、やはり物価高。そして近年その上昇スピードが激しいこと。家賃等は年率1.5倍。
しかし交渉すると「ならば出て行け」。別なところを探そうと思っても、半年待ちは当たり前。
余談ですが、現地邦人の給与も一応物価スライドの発想はあるそうですが1-2年遅れでは?。
で最後にドバイ暮らしを一言で言うと、「お金持ちだったら楽しい街でしょう」。とのことでした。
番外編 お酒は飲めたのか、治安はどうか
実は覚悟していたよりはかなりOKでした。ホテルはまず良くゴルフ場の昼もOK。不特定多数の
方が乗り合わせる夜のダウ船クルージングも出港直後からOKで、現地の方も飲んでいました。
聞くところによれば、最も厳しいのは、隣国のサウジです。次いでクウェートもダメだそうです。
よってクェートの金持ちは、休みの日になるとドバイやバーレーンに飲みにくるとか。
女性の洋服等も含め一番戒律が厳しいのはサウジです。表向きの理由は、イスラム教に最も
近い民族と宗派を自負しているので、より厳しく戒律を守ることでその正当性と優位性を保とう
としている説。しかし本当は、「石油収入を一部の王族が独占し、ドバイやアブダビのように
その富を自国民にあまり還元していないので、若者を中心に不満が爆発しないように、お酒や
娯楽等しっかり抑える必要がある」といううがった見たかもあるようです。ちなみに同じUAEでも、
ドバイよりはアブダビの方が厳しく感じましたが、それでもホテルやゴルフ場はOKでした。

また治安上の不安はありませんでした。麻薬は死刑、軽犯罪でも国外退去。しかし女性の一人
歩きは、治安上というより、宗教上慎んだ方が良いそうです。
あとこれも現地の方に聞いた話ですが、ある日ドバイが大停電になった。信号機もすべてストップ
で都市の道路交通は完全に麻痺したそうです。するとどこからかともなく私服警官が多数現れて、
規律正しい交通整理を始めたとか。あくまで私服警官で「秘密警察」ではないので誤解のないように
ちなみに最近作られた発電所は、すべてLNGだそうです。もしかして原油の方が高く売れるから?
イスラム寺院 砂漠のサンセット4WDツアー
3泊6日(機中2泊)の年齢を顧みない強行スケジュールでしたが、少し観光もさせて頂きました。
まずは、イスラム教の寺院です。あくまで外観のみですが、心に残るものはありました。
ちなみにイスラムのお祈りは1日4回。お祈りの時間になると町中に「アッラー~~~~~」という
イスラム教の経典を朗読する声が巨大スピーカーから響き渡っていました。


砂漠のサンセットツアーも良かったです。夕方から4WDに乗り、ドバイのホテルから小1時間。
ある幹線道路からちょっと砂漠に入って一休み。その時ドライバーさんが何をしている。シュー。
「あっタイヤの空気を抜いている」。そしてシートベルトをしっかり締めろと言われた後は、
レールのない小型ジャットコースター状態でした。楽しいという声あり、大人にも関わらず酔って
しまって車を止めてもらうメンバーもいたほどです。でも約30分の荒旅の後に着いた砂漠の
キャンプ場は別世界。勇気を出して乗ったラクダや砂漠の地平線に消える日没の太陽は
素晴らしい光景でした。日が暮れたからは、素敵な女性のベリーダンスとバーベキュー。


砂漠の中?のゴルフ場、そしバージュアルアラブホテル
次に印象に残るのはゴルフです。自分で練習場にあるようなマットを持ち歩きき、その上に
ボール乗せて打ったなどというのは、大昔の話。今では、ヨーロピアンオープンでも使われた
鷹の姿をしたクラブハウスが印象的な「アブダビゴルフクラブ」でプレーさせて頂きました。
素晴らしいグリーン、素晴らしいフェアウェイ。そして真上に行かないとボールが見えない深いラフ。
そして数多く池まで作ってあるのにはびっくり。
そしてまたラフの外側には砂漠のバンカーと思いきや硬い土の土漠がありました。クラブをソール
して良いそうですか、がかなり硬いので、ダフリは禁物。えっスコアですか。有志10人の中では、
90台の一応????で回ってきました。このゴルフ代は自腹で払って来ました。


そして最後は「神田うの」が、益々有名にしてくれたドバイの七星ホテルのバジュアルアラブです
全室スィートで最低でも1泊25万円だそうです。宿泊は勿論、食事も高値の花でしたが、たまたま
友人が我々と同じ日にそのホテルに宿泊していたので、お願いして、ホテル内に入れて貰い、
運よく最上階の展望バーで、一杯だけお酒を飲んで来ることが出来ました。

お土産は、Bateel 社のナツメヤシのお菓子と、レバノン系の Patchi というチョコが人気です。