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ガソリン補助金目標価格を遂に値上げへ
まだまだ続く原油・石油製品不足・価格高騰問題 |
最初の名前は「燃料油価格激変緩和補助金」
この補助金は2022年1月27日から始まりました。当時の解説はこちらです。
その後の価格推移は、以下経済産業省のHPの通りです
開始時の補助金上限は5円でしたが、原油価格が上がり25円になりました。
基準価格もガソリンの全国平均で170円から始まり、段階的に引き上げ
172円にしたかと思ったら、上限額を35円に引き上げて、目標価格を
168円にしたり、そのあとは、補助金上限35円を毎月2円ずつ引き下げて
25円にしてみたりで、説明するだけでも今月が終ってしまいそうです。
目標価格も185円になりました。また2025年5月からは目標価格制ではなく
定額値下げをしていた時もありました。
そして2025年12月末、我々業界人が50年間待っていた、ガソリン税暫定税率
25.1円が廃止されたので、私はこのタイミングで、補助金事業は、ばっさり
終るものと思っていました。
制度の変遷を時系列で説明したものが以下表です
以下表の2025年12月31日〜2026年3月18日というところを見て下さい。
ガソリン税は25.1円。軽油税は地方税ですが、その暫定分4月から下がる
予定だったので、取り合えずは、軽油に17.1円、灯油と重油は5円。
ジェット燃料には4円を出して、これで補助金は終るはずだったのです。
中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置
しかし3月の米国とイスラエルによるイラン攻撃。その報復として、イランに
よるホルムズ海峡封鎖で、原油が高騰だけでなく、原油の輸入そのものが
出来なくなりました。これにともない政府は「中東情勢を踏まえた緊急的
激変緩和措置」 と名前を変えて、この補助金を復活させました。
でもおしかり覚悟で申し上げれば、暫定税率分25円を廃止したのだから
しばらく静観すべきだったと私は思います。どうしても出したいなら25円の
暫定税率を廃止したので目標価格は175+25=200円で良かったと思います。
その安すぎる175円の設定で、補助金累計総額は何と9.6兆円になりました。
そして今現在10/29から11/4までの補助金単価は52.4円もの高額です。
今の補助金は一日当たり推計約100億円を支給していることになります。
昨年末に廃止された暫定税率の25円分についても、その代替財源をどこから
確保するかという話もまだ聞いていません。昨年比で75円もの補助金を出し
続けることが、高市総理の言う「責任ある積極財政」なのでしょうか。
12月より毎月5円 目標価格170円を値上げすると発表
例えば11月の休みにディズニーランドに行くのに車で行くか電車でいくか
迷っている人に75円の補助がいるのでしょうか。また海外便のジェット
燃料に補助金は出ていませんが、飛行機で国内旅行を出来る人に
生活困窮者はいないので、海外便同様、サーチャージを取ればよい
と思います。そうすれば例えは東京羽田-大阪伊丹空港間は、廃止か
減便して新幹線にすれば、ジェット燃料の節約にもなります。
また私ならもし補助金を出すとしても、一度出せばそれ以降恒久的に
ランニングコストが下がるようなインフラに投資します。例えば、羽田や
成田空港は、沿岸基地からパイプラインでジェット燃料を輸送しています。
一方新千歳空港間は苫小牧から毎日タンクローリー配送しています。
距離は約30kmしかないので、このパイプラインに投資すれば、完成後の
ランニングコストは格安となり、超人手不足のローリー運転手各位の
働き方改革にもなると思います。
そして10月になってようやく自民党から補助金の出口戦略が議論される
ようになり、12月より毎月5円の目標額の値上げが発表されました。
以前は岸田総理の時やそして高市総理になっても当局の事務方が
補助金のカットを提案したものの、官邸で否決されたと漏れ聞いて
いますので、今回は3度目の正直で是非実現してほしいと思います。
その目標額ですが、私は最低でも200円超にすべきと思います。
しかしそもそも論では、国は末端価格に口を出すべきではないのが
私の持論なので、一律10円とか20円定額補助で、世界緊迫度合を
末端価格で変動させ、国民の皆様に感じてもらうのが良いと思います。
G7各国のガソリンと軽油価格 円/L 換算 AI調べ
以下はAIに調べてもらったG7 各国の直近のガソリンと軽油の価格です。
ドル ユーロ 数量単位もガロン等色々あるので、円/Lに換算しました。
AIさんは絶対正しいとは限らないので文責除外でお願いしますが、世界
最大の産油国である米国より、日本のガソリン価格を安くする必要はないし
私が8月に訪問した北欧4カ国は300円〜400円/Lという高価格てした。
灯油がない話は 本当か
結論から申し上げると灯油が不足しているのは本当です。でも原油備蓄は
政府発表で、10月24日現在約200日分もあるのに、何故こんな灯油が不足
しているのか。その原点から解説します。
まず200日分というのは石油備蓄法によれば、という但し書きが入ります。
その国内の年間使用数量にアスファルトや潤滑油が入っていないのは
まだ許せるととしても、昨今話題のナフサが入っていない。さらに成田や
羽田から飛び立つ国際線への給油は、法律上「輸出」扱いになるので
これも入っていない。同様に東京港や横浜港から出港する海外行の船舶
燃料も輸出扱いなので、これも入っていないのです。これらを全て入れて
計算しなおすと、私が以前このHPで計算したら約100日となりました。
しかしこれの100日ですら、ガソリン、軽油、灯油、A重油等各石油製品を
それぞれ足りない時には、融通出来た場合の計算式です。
実際は、ある原油から、連産品として取れる各石油製品の割合は、ほぼ
決まってしまうので、足りない灯油だけ増産するということは、物性上出来
ないのです。その需給のいわばアンバランスを今までは輸入で補って
いましたが、中東原油に多く依存していた東南アジアの国々も輸出に回
せる余裕などないのです。
世界最大の産油国である米国の軽油不足と価格高騰
トランプ大統領は、アメリカは中東からは一滴の石油も買っていないと
言っていましたが、世界の石油は、「市場」で全て繋がっているのです。
そして2か月前に彼は、「ロシアから原油や石油を買う国は100%の
追加関税をかける」と言っていたのに、米国内の価格が高騰したら
10月にはロシアから軽油の輸入を月間50万KLから100万kLで開始する
と発表しました。産油国のアメリカでさえ、朝令暮改しなくてはいけないほど
精製能力が不足し、各石油製品の需給バランスが壊れてしまったのです。
ちなみに日本の需給バランスの崩壊は、元売マークの入っていない、
各石油製品の業者間転売品(以下業転)価格を見るとよく分かります。
例えば10月末は、元売系列の灯油の卸価格が約105円だとすると、
業転価格は、ローリー届で120円くらいです。これは関東の話で
北海道は何と145円と25円もの大差がついているのです。
また同じ関東でも、ローリーではなく、船べ―スで大量に買いたい時の
海上業転価格は135円まで高騰しています。ちなみに関東で海外品
を買うときの値段は何と185円もの超高額です。
海外品との価格差に更に補助金を出すという話
今ガソリン同様約50円もの補助金を出している灯油に、国内価格と
海外価格の差に対して補助金を出すという話が出て来ております。
しかし私は、安易な海外品の価格差補助金には疑問を覚えます。
まずSSで売っているような系列品の灯油は、前年比少なくとも
9割以上は出すと言ってくれています。また関東平野でしたら、
降雪地や寒冷地でもない限り、エアコンはついていますので、
電気エアコンを使用して、灯油の需要を下げるとともに、外気温が
3度以下になりエアコンが効かなくなる場合や、そもそも室外機が
雪に埋もれて使えない等の北海道や東北や降雪地、寒冷地、高冷地
に優先的に灯油を回す努力を、国が率先して調整してもよいのでは
ないかと思いますが如何でしょうか。
好評資料 各石油製品の需給バランス表
灯油の9月末在庫は、前年比88%しかないのは事実です
好評資料 原油とナフサの輸入CIF価格は 高止まり
テレビや新聞報道では、海外のWTIやドバイ価格等が報道されますが、
あれは出荷地のFOB価格で、大切なのは、運賃や保険も含めた
日本輸入CIF価格なのです。クリックし拡大してご覧下さい。
最後に、補助金がなくなったら日々の生活が大変という国民の皆様の
お気持ちは、良くわかります。そこで私なら物価対策として円高誘導施策を
します。日本のエネルギーのほぼ全て、食料品の多くを輸入に頼る日本の
物価高の影響は、私は過度の円安だと思います。それにはやはり、ばら撒き
施策ではなく健全財政です。そして適切なタイミングでのドル売り円買いで
場合によっては、世界最大の米国債保有国なのですから、米国債も大い
に活用すべきと思います。