![]() |
太陽光発電企画第2弾 発電量報告他 太陽光のミクロからマクロ問題までその解決方法を考える |
まず自宅の太陽光パネルのご報告からです。以下、詳細仕様です。
モジュール変換効率:17.8% (この性能が本当ならかなり高い)
公称最大出力:150W 計算上 18.5x8.11=150.035W です
公称最大出力動作電圧:18.5V 公称開放電圧 22.5V
公称最大出力動作電流:8.11A 公称短絡電流 8.89A
外形寸法:1210x808x35mm 質量:12.0kg
最初の設置日は、9月6日の土曜だったのですが、その週末や翌週末もせいぜい
4〜5A程度しか出ませんでした。ところがびっくり。9月30日の瑞穂での完成披露式
後に自宅に戻った時は、パネル電圧14V バッテリー電圧12.9Vで 何と7.21A。
しかし驚きは更に続きます。10月7日火曜、それも太陽は南中から西に相当傾いた
13時26分に8.50Aという公称MAXに近い最大電流を計測しました。
下左写真の右メーターは、赤字が太陽光電圧で、下の青字が同発電電流。
左メーターは、バッテリー電圧と現在の電気使用量を表しています。
12.6Vx7.6A=約100Wを使いPB電圧を下げパネル発電電流を最大にしました。
このパネル電圧と電流は、12Vバッテリー充電に最適です。中国製でしたが、
カタログ性能がしっかり出ていたので、パネルをもう1枚追加して 300Wにし
バッテリーも115Ahを1個追加し、常用12Vx(115Ah x 2 + 80Ah)=3.72kWh
また非常用として 中古自動車用PBで、12Vx(60+50+40Ah)=1.8kWhです。
お陰様で300Wへ増設後も、11月3日11時に最大発電電流16.3A出ました。
![]()
1か月でその性能を評価するのは難しいので、既設2基と比較してみました。
以下、河辺、瑞穂事務所、充填所屋根の10月1日から31日までの実績です。
パネル能力の倍数で、比較してみました。尚、瑞穂と河辺は直線で約5kmです。
また10月10日から11月10日の東京電力への売上は 2179kWhと1085kWh。
1-10 11-20 21-31 合 計 パネル能力 倍数 東電売電 倍数 新設置充填所 611 806 801 2217kWh 26.4kW 84.0 2179kWh 82.5 瑞穂事務所上 305 386 387 1077kWh 16.4kW 64.1 1085kWh 66.1 セルフ河辺SS 230 310 308 848kWh 10.08kW 84.2 10/10-11/10
上記表と同等の結果で、長州産業製は、河辺のHITに迫る効率です。
ご推薦頂いた、JX様、ENEOSグローブ様、本当にありがとうございました。
9月の自宅設置時は超快晴でなかったこともありますが、何故ベストの数値が
10月になって出たのでしょうか。その結論の前に基本から確認しておきます。
最大の発電量を得るために最適な勾配は30°と言われますが、この角度は
日本全国の平均的な数値で、実際は地域ごとの最適角度には差があります。
その数値は、各地の北緯と同じと考えればいいでしょう。従って札幌 なら43度
東京 35度 那覇 26度 南端(沖ノ鳥島) 20度 です。では平面に置いた場合と
南、東、西、そして南東、南西に45度傾けた場合は、どうなるのでしょう。
以下表にしました。
NEDOの東京における日射量をベースに、30°で得られる発電量を100として算出
方位と角度 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 ° 真南 180° 89 95 98 100 99 97 92 86 77 68 % 南東135°南西225° 89 93 95 95 94 91 86 80 72 64 % 東90°西270° 89 88 86 83 79 75 70 64 58 52 %
東西南北が関係ない平面に置いてもベスト比89%が得られるのは、驚きです。
最適角度から10度の違いであれば、単位面積で当りで、より多くを設置出来る
浅い角度にするのが一般的です。逆にメガソーラーの場合はメンテナンス等、
人が通るスペースを確保するため、傾きに見合った幅を取ったり、雪国の場合
雪が自然に溶けて落ちるよう多めの角度をつけるとともに、落ちた雪がたまって
パネルを隠さないようにするため、架台を高くしている例もあるようです。
当家の屋根の傾きは30度。方位は真南から約10度だけ東を向いています。
その東京の東経は約140度、明石は135度なので、時間にして約20分、東京の
方が早く真南が来ます。差引当家は正午前後が最高電力が出る方位です。
東京での正午の太陽の角度(高度)は、6月21日の夏至で78度、12月21日の
冬至で32度です。ちなみに最大電力を観測した10月7日の11時30分の太陽
高度は48.9度、増設後の最大、11月3日の11時は39度しかありません。
さて前項で書いたパネル設置角度と太陽角度では、9月の方が全てよいのに
何故10月にチャンピオンデータが出たのでしょうか。最後はやはりそのパネル
温度だと思います。太陽生活様のHPより以下グラフを拝借して来ました。
確かに9月初旬はまだ暑く、パネル温度は60度近くあったかもしれません。
一方10月7日は、室内温度も25度、外はさわやかな風が吹いていたので
もっと低かったでしょう。また7日は写真のように雲一つない快晴でした。
ちなみにデータはありませんが、湿度も低い方が良いようです。当日46%。
私はその東京新聞の1面トップの見出しに衝撃を覚えました。10月にも報告
した通り、全体では7100万KWの買取を認定しているので、遅かれ早かれ
買取中止は来るとは思っていましたが、早くても2015年3月末等であと半年は
大丈夫と思っていたからです。
記事の内容は、北海道、東北、東京、関西、四国、九州の各電力会社は
一部または全て、その時期も10月1日から、また沖縄電力では、8月8日から
買取認定を事実上中断していたことを発表しました。その理由は「管内の電力
重要を上回る時間帯や季節が生じる可能性があり、大規模停電を起こす
恐れがある」とのこと。具体的には九州エリアでの申請は多く既に1700万kW
を超え、ピーク需要に対する比率も110%近くになっているようです。
固定価格買取制度は、2012年7月から僅か2年で、制度上の不備が露呈し
しまうこととなりました。そもそも最低限必要な送電線網の整備も進まず、
その設置費用も誰が負担するのかも決まっていないので、上手く行くはずは
ありません。またもっと基本的というか根本的な問題もあります。
まず太陽光パネルの設置には広い敷地を必要としますが、土地が広くそして
安いところには、当然のように人は余り住んでいないので、結果として電気の
需要も多くなく、ある意味ミスマッチだったのです。
例えば下記写真をご覧下さい。これは、10月29日の福岡出張より帰る際、
九州の大分県上空付近での撮影です。9月1日以降、航空法の改正で
離着陸時でもデジカメ撮影がOKとなりましたので、撮影しました。
山林等を切り開いて作ったのでしょうか。Aは完成、BCDは建設途中、
Eはこれから着工でしょうか。CO2削減のための太陽光のはずですが
ここまで来ると自然破壊でないでしょうか。また見えるものは、山林と道路で
住宅等はほとんど見当たりません。要するに近隣に電気需要があるとは
思えません。また私も自宅の太陽光パネルの発電量をリアルタイムで見て
いますが、晴天時に厚い雲が通り過ぎただけでも大変動があるので、
受け入れる側の九州電力様のご苦労もお察してしまいます。
![]()
逆に電気を一番必要としているのは、住宅密集地の都心です。
一般住宅の太陽光設置率はまだ少ないので、私は、個人や法人に関係なく、
また10kW未満でも全量20年買取、そして全額損金算入を認めるようにして、
本来必要な都心部の太陽光設置は継続していくべきと思います。
下記写真は羽田着陸前に写した空港に隣接する大規模太陽光発電所です。
東京都LPガス業界第一号の嬉しいニュースと、太陽光買取が一時中断という
ニュースを同時にお伝えするのは誠に残念なので、非公式ながら東京電力
の技術系の幹部に聞いてみました。そのご回答としては、申請済の7200万kWが
全て発電を開始したら、電気の品質としてはかなり厳しい。その反面10kW未満
の一般住宅や50kW未満なら、まだ問題は少ないので、地元の電力会社とよく
相談してほしいとのことでした。少なくとも我々LPガス業界の充填所は、
天然ガスの導管こそ来ていないものの、周辺に多くの住宅があるからこそ、
充填所を設置しているので、周辺には多くの電気需要もあるはずです。
LPガス業界やSS業界の皆様。充填所屋根やSSの屋根なら自然破壊もないし
会社が黒字で一括で損金算入出来るなら、検討する価値はあると思います。
先月も日本の再生可能エネルギーの導入状況をご報告しましたが、問題なのは、
結果として変動の激しい太陽光だけが突出してしまったことです。土地さえあれば
比較的短期に接置できそして投資回収も見込めるからでしょう。一方、私の期待
している地熱発電などは環境アセスメントを含めれば、10年近くかかるので
増えていません。しかし地熱発電は原発の代替となるベース電源であり、メンテ
ナンス時期等を除けば、24時間365日安定した発電が可能なので、火山国の
日本こそが、その技術力を生かし、積極的に導入して行くべきと思います。
従って、10年先を見据え、地熱発電枠は絶対に残すとともに、買取金額は
もう少し高くてもよいのではないとか思います。一方、買取ってもらえない電気を
無料と考えるなら、水を電気分解して水素で貯める方法もあるでしょう。
技術革新によりバッテリーより安くなれば、夜は水素で発電すれば効率的で、
正に地産地消です。更に天然ガスパイプラインがあれば、数%水素を混ぜ、
パイプライン網をバッテリー替わりに使う方法も欧州では一部始まっています。
その一方英国に興味深いニュースを見ました。英国で新しい原発を建てよう
としたところ、日本政府が言うような安いコストでは不可能だったのです。
日本の太陽光の買取の如く、一般の電力は15年等の買取価格を決めて札。
原発は、35年先まで買取価格を保障したものの、英国の企業は、福島事故以降
災害等への対策コストが上がってしまったことと、万一の事故発生時の保証の
リスクを考えると、国内企業は数百億円の違約金を払って撤退。残ったのは
フランスの原発の会社がただ1社。その会社の発電コストも日本で言われる
原発の発電コストの8.9円の何と1.7倍というニュースでした。日本の電力会社
や原発製造メーカーが安全と採算に本当に自信があるなら、この英国の入札
に参加してみたらどうでしょう。やはり原発のコストは安くないのだと思います。
昨今のマニアック話題が好評なので、今月もマメお宅知識をご提供します。
皆様、地球は北極星方向から見て、反時計周りに自転しながら、太陽の周り
をやはり反時計周りに公転しています。で質問。地球の自転周期はどの位か
ご存じですか。「丸1日に決まっているでしょ」。というのは期待通りの答えです。
正確には、23時間57分。逆に1日とは、東京が観測地点なら、太陽が真南
を通過し、次の真南になるまでの時間なので、これはほぼ24時間です。
同様に地球は太陽の周りを約365.25日かけて回っていますが、もし自転に
24時間かかったたら、半年たつと昼の12時は真夜中になります。
また地球の自転軸は、太陽を中心とする公転面に対し23.4°傾いています。
東京の北緯は約35°なので、夏至の太陽高度は 90-35+23.4=78.4°
ほぼ真上です。反対に冬至は 90-35-23.4=31.6°しかないのです。
では、春分や秋分は何度か。自転軸のずれを真横から見ているだけなので
プラスマイナスはなく 90-35=55°の角度に太陽はあります。よって1年を
平均すると東京なら35°の角度で太陽光パネルを真南に向け、設置する
のがベストなのです。 ご質問・ご感想はこちらから