東京都第1号、瑞穂LPガス充填所屋根に太陽光パネル設置
 全社総容量は10+16.8+26.4=53.2kW 他太陽光関連情報特集
あなたは太陽光発電の企画でのお客様です。
弊社は、東京都内で業界最大級の瑞穂LPガス充填所屋根に、東京都内で初となる
太陽光パネルを設置し、2014年9月25日よりその発電を開始しました。危険物施設
であるLPガス充填所の屋根に太陽光パネルを設置出来た例は、当社が調べた範囲
では、九州鹿児島と神奈川県の事例のみと思っています。今月はこの太陽光関連
情報の特集にしました。   2014-9-30 18 Ver 3
                                        文責 垣見 裕司

最初の設置は、オートジョイセルフ河辺SSキャノピー上の10kW

弊社で太陽光パネルを最初に設置したのは
2010年1月22日。東京青梅市にあるオート
ジョイセルフ河辺SSキャノピー上でした。
三洋電機製HIP-210NK5 210W x 48枚 
パネルサイズ 158cm x 82cm x 3.5cm
6直列 x 4並列 x 2系統 で 10.08kW です

実際の発電量も順調です。設置直後の
2月のピーク発電量は7kW弱でしたが、
5月の12-13時頃はかなり増え5月31日
の12時には最大発電10.7kWhを観測
しました。写真はこちら。カタログ性能以上の発電量で本当に嬉しく思っています。


その後の年間発電量は下記表の通りです。一般に最大発電量は
真南、30度傾斜設置で、東京都青梅市の発電係数(日照係数)は1044。
投資採算算出時の年間発電量は、10kWx1044=10440kWh/年で計算します。
セルフ河辺SSの5年間の平均は11150kWhで発電係数は1106となりました。
私が調べたhttp://ecolifejp.fc2web.com/reform/taiyou-mitsumori.html
ではHIT製は1.08倍してよいとありましたので、三洋電機製でよかったです

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 5年平均
発電kWh 11004 10761 11028 11624 113331 11150

月別発電量は下記の通りです。下線部は一部データ欠損等で推定です。
また2014年10-12月は前年数字をいれてあります。
暑い夏よりは、5月の発電の方がよい年もあります。太陽光パネルは、
パネル温度が上がると発電効率が落ちることは、余り知られていません。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年合計
2010年 778 650 963 993 1193 1128 1066 1270 988 670 738 567 11,004
2011年 783 888 1071 1233 961 837 1109 1030 1042 864 623 320 10,761
2012年 523 848 990 1052 1187 912 1036 1348 1011 941 667 513 11,028
2013年 778 977 1176 1191 1364 891 1050 1180 1028 724 707 558 11,624
2014年 747 891 1144 1260 1349 891 1046 986 1028 724 707 558 11,331
月平均 724 854 1104 1149 1214 935 1065 1167 1021 804 707 549 11,295
月割合 6.5 7.6 9.6 10.3 10.9 8.4 9.5 10.3 9.1 7.0 6.2 4.5 100%

唯一残念なのは2010年1月の段階では、10kW以上でも全量買取制度はまだなく
余剰分だけです。買取単価も24円/kWhなので買取金額は、微々たるものです。
ただ弊社の場合は、EV向けの急速充電器設置とセットで補助金で設置して
頂いたので、弊社負担はほとんどなく、国とJX様に本当に感謝しています。

太陽光買取価格と補助金の推移

私自身の備忘録もかねて記載しておきたいと思います。単位kWh当り
2010年度  48円(税込)
2011年度  42円(税込)
2012年度  10KW未満 42円(税込)  10KW以上 42円(40円+税5%)
        ダブル発電 34円(税込)
2013年度  10KW未満 38円(税込)  10KW以上 37.8円(36円+税5%)
        ダブル発電 31円(税込) 
2014年度  10KW未満 37円(税込)  10KW以上 34.56円(32円+税8%) 
        ダブル発電 30円(税込)
10kW未満の住宅用は余剰買取で10年間固定に対し、
10kW以上は全量買取で20年間固定。この差の意味がよく分かりません。
10kW未満の住宅用買取価格は、そんなに下がっていないからでしょうか。
購入単価である25-26円/kWhと相殺なので不公平のような気がします。
またエネファームとのダブル発電となると買取単価が下がってしまうのは
納得が行きません。原発が動いていないので夜も火力で発電しています。
エネファームの特にSOFC型は継続運転の方が効率が良いので残念です。
それでも近年、ダブル発電の買取金額の下がり方が少ないのは、エネ
ファームを普及しようとする我々業界のアピール賜物でしょう。
 
以前は購入時の補助もありました。1994年に家庭用太陽光の普及のため
 国は補助金を導入したのですが、「一定程度普及した」として2005年度で
 補助金を一度打ち切りました。その後、2009年に補助金制度が復活しました。
 2009年度 1kWあたり70万円上限で 支給額 1kWあたり7万円
 2010年度 1kWあたり65万円上限で 支給額 1kWあたり7万円
 2011年度 1kWあたり60万円上限で 支給額 1kWあたり4.8万円
 2012年度 1kWあたり55万円上限で 支給額 1kWあたり3.0万円 
   〃    1kWあたり47.5万円上限で 支給額 1kWあたり3.5万円
 2013年度 1kWあたり41万円を超えて50万円以下 支給額 1kWあたり1.5万円
   〃    1kWあたり2万円を超えて41万円以下 支給額 1kWあたり2.0万円
 2014年度  廃止となりました。  (以上は自治体の個別補助は除きます)

第2号は瑞穂LPガス充填所、新事務所屋上の16.8kW 

瑞穂LPガス充填所敷地内での最初の太陽光設置は、2013年6月です。
ガスメータで口座がある東洋計器蒲lが、2013年3月、鹿児島の井上商工(株)
大隅営業所の充填所屋根に、全国で初めてシャープ製23kWを設置しました。
これに敬意を表し、当社も充填所屋根への設置を模索しましたが、東京都では
まだ難しく、まずは新事務所の屋根に16.8kWを設置することにしました。
勿論買取申請は、3月までに済ませ単価は無事42円/kWhです。
構成は 200W84枚 200W x 7直列 x 4並列 x 3系統 = 16.8 kW
発電量は下記の通り。パネルはリーセン(中国製)なので、カタログ値が出るか
心配でしたが、雨の多かった今シーズンを考えれば、170000÷16.8=1012の
発電係数は、前述の青梅市係数 1044に肉薄する良い数値だと思います。
発電量 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 年合計
2013-14 1574 1825 1600 1281 1057 1092 1160 986 981 1716 2136 1592 17000
2014-15 1342 1816 1108 東京電力売電量なので正確です

日本の太陽光の導入状況は すごいことになっている 11月12日更新

次に太陽光を中心とした日本の再生可能エネルギーの導入状況を調べました。
下記表は、エネ庁が2014年6月に発表した2014年3月末まで、そして10月発表の
7月末までの再生可能エネルギーの導入状況です。まず驚くのはこの固定価格
買取制度は非常に効果があり、7月末までの2年弱で1186万kW 。原発にして
約12基分が新規稼動していることです。しかし更なる驚きは、例えば昨年度なら
37.8円の買取認定を受けたものの、まだ完成していない分も含めると何と
7221万kW すなわち原発72基分もの申請がなされていることです。
当社のように単に許可と着工待ちの遅れもあると思いますが、残念ながら高い
金額で買ってもらえる権利だけを取っておいて、転売が目的なのか、全く着工
されていない申請が相当量あるということです。関係者の話では少なくとも
半分位はあるかもしれないとのことでした。エネ庁もこれを把握しており、
いずれかの時点で認定取り消し等の処置を取ることも検討しているようです。
固定価格買取制度導入前 買取制度導入後 完成済
発電開始計
認定のみ
着工分含む
2012年6月末以前の累計 12年7月-13年3月 2013年度 2014年7月
太陽光(住宅) 約470万kW 96.9万kW 130.7万kW +8万kW 221万kW 300万kW
太陽光(非住宅) 約90万kW 70.4万kW 573.5万kW +66万kW 736万kW 6634万kW
風 力 約260万kW 6.3万kW 4.7万kW 0 11万kW 123万kW
中 小 水 力 約960万kW 0.2万kW 0.4万kW +2万kW 1万kW 32万kW
バ イ オ マ ス 約230万kW 3.0万kW 9.2万kW +1万kW 9万kW 131万kW
地 熱 約50万kW 0.1万kW 0万kW 0 0万kW 1万kW
合 計 約2060万kW 176.9万kW 718.5万kW 76万kW 977万kW 7221万kW
以下は私の心配です。認定済の約6634万kWの太陽光内、仮に4000万kWが
遅れながらも発電を開始したとします。そうすると日本全体が快晴の日には
毎時4000万kW、すなわち原発40基がフル稼働する訳で、夏の冷房需要等の
ピークカットには十分役立つと思います。しかし夜でも発電する風力とは違い、
夜はゼロとなりますし、曇りや雨の日は発電量が激減するので、負荷追随能力
の高い天然ガスや石油火力発電の重要性は、逆に益々高まります。
これも電力関係者に聞いた話ですが、電力業界としての太陽光の受入容量は、
電気の質や安定供給を考えると3000万kWが限度とのことです。従って電力会社
別で見ると認定済み7200万kWは既に限界を超えているのかもしれません。

自宅では非常用として150Wを設置 12Vバッテリー(総容量2kWh)の充電に最適

今回の太陽光に関しては、私も個人で自宅に設置して色々勉強してみました。
私の目的は、5月に非常用の疑似都市ガス発生装置PA-13Aを設置したように
震災等の停電時の対策で、12V鉛バッテリーへの充電が目的で、売電はしない
独立系。パネルやコントローラーも自己調達で設置や配線も一人でやりました。
パネルは、発電量だけでも100W 150W 200W 230W他色々種類がありますが
12Vバッテリーへの充電を目的とするなら、実は150Wクラスが上限のようです。
例えば220Wのパネルは最大電圧は30V、最大電流7.5A。この高い電圧だと
効率的に12Vバッテリーへ充電するためのコントローラーがないのです。
私は150Wのブラックパネルを選定。最大電圧18.5V、最大電流8Aなので
12Vバッテリーへ充電に最適です。重量12kgは軽そうですが、2階の屋根に
一人で設置するとなると梯子から手を放す訳にもいかず実は限界でした。
パネルテストは解放電圧20V、約12Vバッテリー充電時で電流は7.2Aでした。

12Vバッテリーの並列つなぎ? 実は浪費と危険の隣合わせ(今月のお宅ネタ)

12V鉛バッテリー(以下PB)は自動車用ではなく、ディープサイクルPB(115Ah)を
1個新規に購入し、これを常時接続するメインバッテリーとしました。
同様にディープサイクルPBの80Ahの中古と、自動車用の中古の40Ahクラス
を3個用意しました。従ってPB総容量は3kWhと、まずまずの容量ですが、
実際に使えうのは、半分程度にしておいた方が、PBは長持ちします。
仕事上、中古の自動車用PBは捨てる程あるので、並列につないで設置容量を
どんどん増やしたいところですが、並列のつなぎっぱなしは「循環電流」という
お化けが発生します。同じ電圧になってもそこで止まらず、双方のPBが双方に
充電するような現象が起き、使用していないのに放電し続けてしまうのです。
また充電時にも性能の低いPBに負荷がかかり最悪、発熱爆発もあるそうです。
並列はダメでは納得がいかないので、どうすればこの循環電流の呪縛から
解き放たれるのか。実は使い切りの一次電池なら一方方向にしか電流が流れ
ないようダイオード等を入れればよいのですが、二次電池となると充電と放電で
電流が逆になるので、回路も複雑になります。ネットで調べても循環電流防止器
なるものは、販売していませんでした。ガス業界なら自動切替器を開発して
もらいたいところです。私は取りあえず、全部のPBに電圧計を入れ常時監視
するとともに、手動で切替ています。中古の自動車用PB3個は、原則非常用
として、週末等私が在宅しているときに監視しながら追充電することにしました。
さてこのたかが150Wの太陽光ですが、現在、私の書斎のデスクライト、ノート
パソコン。32インチの液晶テレビ。スマホの充電までは、全て太陽光で賄える
ようになりました。まあ平日の昼は私は自宅にいないので、まあ100Wとして
4-5時間貯めたものを帰宅してから使うので需給収支はあっているようです。
総費用は、かなり安いですが、東電の買電単価でのコスト回収は無理です。

瑞穂LPガス充填所 太陽光設置 挑戦記

最後に今月の本題です。まず弊社瑞穂LPガス充填所概要は下記の通りです。
(1)所在地 〒190-1212 瑞穂町殿ヶ谷458  TEL 042(557)2031
(2)充填設備 クボタ全自動12連回転充填器2基
(3)LPガスタンク 日本車輌 70tタンク2基 (東京都内最大)
(4)最大充填量 月間最大 3000t (8時-18時)
(5)敷地面積  10600m2  (6)充填所面積  1192m2  
昨年、中核充填所の認定を受ける際 138m2の容器置き場を拡張しました。
太陽光は、もっと早く充填所屋根に設置したかったのですが、日本初を成功させ
た東洋計器様をもってしても、東京都で設置許可を得るには至りませんでした。
そこで当社はプロジェクトチームを結成。2013年11月に中核充填所になる際
拡張したプラットホーム138m2とその軒下車両置場の屋根に限定し、
太陽光パネル設置を目指す方針としました。拡張部分は下記図黄色部です
充電所の屋根全部にも設置したいところですが、平成8年(1998年)に全面改装
したものの一部躯体や屋根は、昭和50年製なので今回は断念しました。

柔軟な対応をして頂いた東京都様、JX東京支店様、ENEOSグローブ様に感謝です

その目的達成のためJX東京支店様、ENEOSグローブ様に全面協力を要請し、
東京都様との相談が始まりました。その詳細の公開は控えますが、他県での
設置事例や屋根そのものが遮へいとなり保安距離を確保できるのではないか
等をご相談の結果、高圧ガス保安法に照らし合わせ、ガス配管設備等から
8メートル離して設置することでご了解を頂くきました。
 一方この都庁相談と並行して36円/kwの買取価格での設備認定の申請し
JX様と工事業者の東照電気のお陰で無事取得することが出来ました。
そして平成26年4月28日、ガス設備から8mの保安距離や火気の心配のない
ケーブル接続箱の問題をクリアした図面を東京都に提出。東京都様も慎重かつ
柔軟な協議を開始して頂きました。実はこの頃私は、舛添知事直下に設立された
東京水素戦略会議の委員として都庁幹部様と毎月のようにお会いしていたので
LPガス業界の中核充填所やそこに太陽光がある意味はお話させて頂きました。
そして7月23日。都から今まで相談して来た業者に具体的な設備設置基準が
示されました。その時点で申請書まで提出していたのは、弊社だけだったようで
結果として当社が、東京都第1号のLPガス充填所屋根設置事例となりました。
柔軟な発想でご検討ご指導頂いた東京都様。JX日鉱日石東京支店様、新エネ
事業本部様。ENEOSグローブ様。施工して頂いた千代田機械製作所様、東照
電気様各位に改めて御礼申し上げる次第です。本件事例がLPガス業界における
参考事例となり、多くの充填所、特に中核充填所の屋根に太陽光パネルが設置
され、環境に優しく災害に強いLPガス充填所のイメージ向上となれば幸いです。

9月24日 完成ご視察検査無事終了 30日はJX様EG様への御礼披露会

今回設置した太陽光パネルの概要は以下の通りです
(1)購入先び技術指導 JX日鉱日石エネルギー東京支店、本社新エネ本部
(2)設置工事 千代田機械製作所 東照電気  真南屋根角度約10°
(3)太陽光パネル 長州産業製 236W (CS-236B31)112枚 26.432kW
   構成 236W x 7直列 x 4並列 x 4 系統 = 26.432kW
(4)パワコン オムロン製(KP55M-J4) x 4台
(5)地絡検出器(プロトラッド)、接続箱を必要としない多分岐ケーブルを設置

30日にはお世話になったJX様、EG様にもお祝いに駆けつけて頂きました。
下記写真は、感謝状(写真パネル)贈呈式です。都庁様視察用に仮設した
階段上で左からEG松澤社長、JX田畑支店長、垣見社長、そして私です。

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