よくわかる石油業界」震災対応版発売開始 アマゾンNO1
エクソンモービル日本撤退報道とホルムズ海峡問題
あなたは、「よくわかる石油業界」出版企画の番目のお客様です。
最初に大変嬉しいご報告なのです。アマゾンでの売れ行きが大変調子がよく、複数のカテゴリーで
1位等かなり上位にランキング頂いていることが分かりました。自己満足な話で大変恐縮ですが
是非ご報告させて下さい。               2012年2月1日更新 文責 垣見裕司 ver1
エクソンモービル日本撤退報道(ロイター日経他)は、1月30日、ようやく当事者から発表が
ありましたので後半に移動しました。 

アマゾンランキングの快挙  本当に身の引き締まる思いです

この度全面改訂した「よくわかる石油業界」ですが、1月26日の発売から2日たってようやく
希望する下記の3つのカテゴリーに分類して頂きました。その結果、カテゴリー完成直後の
28日から、カテゴリー別での1位を始め、大変高いランキングを頂いているのです。
以下 最高位ですが、Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 総合順位 1,416位

1位 ビジネス・経済 > 産業研究 > 資源・エネルギー 
 この分野は、石油業界だけでなく、電気もガスも太陽光発電も風力、
 更にまた原始力関連もここに分類されるようなので、大変嬉しく思います。
1位 ビジネス・経済 > 経営学・キャリア・MBA > 資格・就職・MBA > キャリアデザイン
3位 ビジネス・経済 > 経営学・キャリア・MBA > 資格・就職・MBA > 学生の就職 > 業界研究
 こちらは、学生の就職ですが、エネルギー関連業界だけでなく、正に全産業なので
 大変光栄なことだと思っています。もちろんこれを見た、あるいはこの本を買ってくれた
 学生がすべて石油業界に来てくれる訳ではありませんが、少なくとも関心が高まっただけ
 でも、近年、斜陽気味だった石油業界の復権に、ささやかな貢献が出来たのか、自己満足
 ながら嬉しく思う次第です。この快挙は、発売開始直後だけかもしれないので、記念に
 画像をコピーしておきました。  今現在のランキングは下記をクリックして下さい。

ビジネス・経済 > 産業研究 > 資源エネルギー
ビジネス・経済 > 経営学・キャリア・MBA > 資格・就職・MBA > キャリアデザイン

ビジネス・経済 > 経営学・キャリア・MBA > 学生の就職 > 業界研究


お陰様で 発売後3週間を経過しましたが、概ね1位をキープしております。感謝感謝。
著者ページからは、こんなランキング推移表も見れますので是非ご覧下さい。

よくわかる石油業界  1月26日より発売です。アマゾンリンク完成しました

1冊から9冊未満は、アマゾンでお願いします。現在送料無料です。
10冊以上は、送料当社負担でお送りするとともに、日頃の弊社HPをご覧頂いていることの
御礼企画を考えたいと思いますので、私宛メールまたは こちらよりお問い合わせ下さい
↓全面改訂版↓  ↓JX-HD相談役 経団連議長の渡様も水素本発刊なので楽しみです

よくわかる石油業界 全面改訂までの道のり

初著書「よくわかる石油業界」をこの度全面改訂をさせて頂けることとなり、震災対応版として
1月26日発売となりました。 この本は、初版発行1年後の2010年9月に増刷(第2刷)して
いたのですが、震災の影響でしょうか、今年も少しは売れ続けていたようで、夏頃の出版社の
在庫は極めて少なくなって来ました。 でも出版業界も極めて厳しので、担当編集者は、
「経費のかかる全面改訂は、売れる本でないと出来ないので単純増刷でいかせて下さい」。
とのことでした。 しかし石油業界のみならず、エネルギー業界全体が、あの大震災で大転換を
迫られているので、是非、全面改訂をさせてほしいと何度もお願いをしていたのです。
実はそんな微妙な時、出版社の社長が、たまたま入ったSSの販売室に、初版本が置いて
あったそうです。 「そうかSS業界に浸透したバイブルなのか」。この嘘のようなエピソードで
全面改訂のOKが出て、秋以降、寝る時間も惜しんで書き上げました。その意味でも、
この本が出せるのは、本書を買って頂いたSS業界の皆様のお陰と深く感謝する次第です。

主な改正点は、震災の総括や今後の対応策、近未来自動車そして原発代替エネルギー

主な改正点は、震災でSSの社会的インフラとしての重要性がより明らかとなったこと。
これを教訓いつかは来るであろう、関東、東海、東南海、南海地震に石油業界として
どう備えればいいのか。また脱原発を言うのは簡単だが、それで不足する電力をどう
補っていけばいいのか。耳に優しい太陽光や風力発電の本当の実力は。そして今は
それほど注目されていない燃料電池や水素社会の可能性まで踏み込みました。
 一番苦労した点は、ページ数をこれ以上増やせないという制約があったことでした。
しかし内容は減らしたくない。そこで平易な言葉は使いつつも、内容を圧縮。原則見開き
2ページで完結という本書のルールを守りながら、ページを増やすことなく、震災等や
その対応、脱原発問題にともなう代替エネルギーの本当の実力まで織り込んだので、
エネルギー業界全体を考える意味でも、そこそこ役に立つ参考書になったと思います。

また業界を目指す学生や業界の新人各位にも配慮しておりますので、用語解説も大幅に
増やし充実させました。追加項目も含めた主な用語は、次項目の通りですが、我々古い
業界人には、当たり前すぎて新人の皆様が分からないことすらわからなかった、業転とか
RG、WK、GO、AFOなどの略語についても解説も加えましたので、若い方は勿論、
ベテラン社員の参考書としてもお使い頂ければ幸いです。

10冊未満でしたらアマゾンへ、10冊以上は、当社HPのこちらよりお申込み下さい。
講演の依頼等も、弊社問い合わせページシステムブレーン様にお願いします。

目次と 主な用語解

第1章 知っておきたい 石油業界の最新常識 + 東日本大震災と石油業界
第2章 大きく変わる国際石油市場 + 北海ブレント>中東>WTI  の理由
第3章 大きく変わる石油業界の構図+新仕切+環境問題+東日本大震災とSS業界
第4章 国内石油流通市場の動向 +ガソリン大幅減販、一般財源化されたガソリン税
第5章 セルフSSの実力と今後のSS+格安レンタカー+CSESコーチング+社員育て
第6章 近未来自動車とSS業界 +大型発電機にもなるFCV+水素スタンドの可能性
第7章 将来の日本のエネルギーを考える 再生可能エネルギーの真の実力と水素社会

主な用語説明
1次エネルギー、石油とは、FOBとCIF、連産品、バレル、オイルシェール、上流部門
OPEC、IEA、業転(価格)、資源ナショナリズム、ヘッジ、プライスバンド、オイルサンド
カーゴとタンカー、サーキットブレイク、天然ガス随伴原油(コンデンセート)、蒸留
精販ギャップ、DPF、バイオETBE、COP効率、得率、原油の生炊き(その理由)
石油製品の名称略称、RIM、ローリーラック、コミッションエージェント(CA)、GSとSS
バーター、オクタン価、ジョバー、セミセルフ、格安レンタカー、カーシェアリングシステム
メンテナンスフリー、CSとES、JC08、ホイールインモーター、キャパシタ、太陽電池の種類
読者の皆様。上記説明に不安を感じるものがあれば、是非本書をお手元において下さい。
2012/2/3  油業報知新聞社様が本書を紹介して頂きました。記事はこちら

ページ数制限で唯一 いれられなかった図表をサービス公開

第3章 新仕切り体系の今後の課題のHで韓国等から入ってくる輸入ガソリンについて
触れていますが、ページ数の関係でその図表を入れ込むことが出来ませんでした。
よって本HPで大サービス公開です。更に直近2012年1月データまでいれておきました。



上記表の数字データ 及び 輸入数量を含めたエクセル表は こちら です

この問題は、単に輸入ガソリンが安いという話だけではありません。震災でJXの仙台やコスモの
千葉が停止しているにも関わらず、2011年5月以降は、需給に全く問題がないばかりでなく、
むしろ余剰感さえあることから、精製能力の削減の問題や究極的には「よくわかる石油業界」でも
触れている「消費地精製主義」という基本政策にも関わる非常に重要な問題です。機会を作り
この問題だけに絞って本HPで解説したいと思います。

渡様本と2書ット?で大変光栄です 八重洲日本ビル地下の本屋さんです 2/21追加



JX本社ビルにお勤めの方々の追加購入は、是非こちらの書店でお願いします。
右グラフは、2月中旬までのアマゾン全体でのランキングです。概ねですが、5000位以内
にいると資源エネルギー分野では1位にいれるようです。


エクソンモービル日本撤退報道とホルムズ海峡問題

皆様もご存じの通り 1月4日の昼、ロイター電を皮切りに、日経Webや日経、読売、朝日の夕刊に
「エクソンモービル事実上の日本撤退」、あるいは「米エクソン、日本事業縮小」等のニュースが流れ
ました。即座に日本のエクソンモービルや東燃ゼネラルはHP等で否定コメントを出しましたが、
業界は大騒ぎです。私のところにも、色々な業界人やマスコミ関係者からお問い合わせを頂き
ましたので、私の知りうる、かつ発表しても問題ないと思う範囲内ではありますが、冷静な解説を
させて頂ければと思います。 2012年1月6日 文責 垣見裕司 ver1

2012年1月30日にようやく、エクソンモービル及び東燃ゼネラルより正式発表されました。詳しくは、
東燃ゼネラルHPのPPT説明ファイル(PDF版)をご覧下さい。しかしその説明が客観的に正しいのか。
例えば日経新聞等の記事のニュアンスの方が、一般論的には近いのではないか。私個人としては、
かなり疑問に思うことが少なくないのですが、総合的判断においてこれ以上の解説は、今は見送り
たいと思います。        2012年2月1日 追加 

1月4日〜5日のかけてのマスコミ発表の内容を要約する

新聞記事は、独自取材に基づく一部の新発表に状況証拠的な周辺業界情報を継ぎ足して
報道するのが常です。しかし本HP読者の皆様は、周辺情報は十分ご存じだと思いますので
ロイターや日経が何を言っていのるかをまずは要約してみたいと思います。

1. 米エクソンモービルは、日本のエクソンモービル有限会社が保有している
  東燃ゼネラルの株式50.02%を東燃ゼネラルに売却する方針を決めた。
2. ロイター電は売却割合は示さず4000億円規模とするが、
  日経は売却後の割合は17%とし その額は千数百億円から2000億円としている。
3. 日本で展開するガソリンスタンドの「エッソ」や「モービル」等のブランドは残す。
  将来は販売機能の売却も検討する。
4. 東燃ゼネラルは、原油の供給は引き続き米エクソンから受けるとともに、
  製品の供給も提供し続けるとしている。

エクソンモービル有限会社(日)と東燃ゼネラルは 即時否定

当然両者は否定しました。全文はこちらですが、要約版は以下の通りです。
http://www.exxonmobil.com/Apps/Tonengeneral/pdf/2012-01-04_1ja.pdf

1. エクソンモービルが、日本から撤退する計画はない。

2. エクソンモービルは、東燃ゼネラルと日本における資本構成については検討中。

3. 今後もエクソンモービルのブランドや製品を利用できます。

4. 今後も株主価値を高めます。株主他に対し重要な決定をしたら速やかに開示します。

最初の感想  「十分ありうる話です

一言で申し上げれば、十分ありうる話だと思います。大昔は、LPGの小売部門から、突如
撤退しましたし、本国である米国やオーストラリアのSS小売部門からも撤退していますし、
アジアでは、マレーシアからの製油所や小売り事業の売却を発表していますので、全く
驚きません。また私は、古くは4〜5年前から、東燃や極東石油を売却したがっている
という話を複数の関係者から聞いていました。また2010年10月1日の読売新聞夕刊は、
さすがに書きすぎとは思いましたが、この時よりは情報精度はかなり高いと思います。

そして直近では、12月7日水曜日に関係会社の社内に禁足令が出て、重大発表を聞ける
ようにという話も漏れ聞いておりましたし、その後年内には発表がある。更には1月某日
まではに発表があると断続的な情報は入ってきておりましたので、正式発表も時間の問題
だと思います。もし発表が今後もなければ、東燃がその資金を用意出来なくなったとか、
EMが予想した株価を下回った等、前提条件が崩れたことが推測出来ると思います。

その一方、週刊誌ではなく大新聞が書く以上、「エッソやモービル、ゼネラル」のマークを
あげていらっしゃるSSもあることですから、慎重に言葉を選んで書いてほしいと思います。
例えば 「撤退」の定義です。一般紙的には既に撤退済の表現をしている北海道や九州
においても、エクソンモービルグループのマークを掲げ、立派に経営をされているSSも
まだ沢山あるので、そういう意味では、事業縮小とか軸足を移した等が適正表現でしょう。
 しかし資本に限ってみれば、間違いなく「撤退開始」と言えるでしょう。
エクソンモービルのブランドは引き続き、東燃ゼネラル指導のもと使っていいですよ。
製品も当然ながら東燃ゼネラルから供給します。でもエクソンとしての資本は可能な限り
引き揚げるかもしれません。

よく頂く質問と私の見方

1. 「子会社を売却」はよくある話だが、子会社に自分自身を買わせる理由。
  ずばり 売り手にとって希望条件に合う買い手がいなかったともいえるでしょう。
  私はその専門家ではありませんが、分類的には、MBOと呼ばれる手法です。
  MBOとは、企業の合併・買収(M&A)の手法のひとつで「マネジメント・バイ・アウト」
  (management buy-out)。経営陣やまれに従業員が自身の所属している企業や
  事業部門を買収して独立することです。本来は子会社の経営人が、自身の安泰や
  経営の独自性を発揮する目的で行うのが普通です。
  しかし東燃ゼネラルにオーナーになりたいようなカリスマ経営者がいる訳でもないので、
  必然的に親会社の資本引き揚げを目的として売却をしようと思ったが、条件に合う
  買い手がいなかったので 子会社自身に買わせたというのが事実に近いと思われます。
  TOBは「現在の経営陣ではない株主」が敵対等も含めて買収するのに対し、
  MBOは「現在の経営陣」が買収する側になるという違いがあります。

2. 売却後も17%を保有(日経)する意味は何か
  17%意味があるのではなく、50.02-17=33.02% ←こちらに意味があると思います。
  確か1/3未満ならTOBをかけなくてよいという法律だか東証の規定等があったと思います。

3. 自己株を取得する東燃ゼネラルにメリットはあるのか
  無利子負債である資本金(株による(額面)出資)を数倍の時価により、銀行等からの
  借り入れによる有利子負債で買わなくてはいけないのですから、微妙です。
  仮に1/6終値で一株753円の終値で 時価総額4256億円(5億6518万2千株)の33%
  すなわち=1404億円分を 銀行から金利1%の借入金で買ったとします。

  東燃と言えば、一株当たりの純資産(PBR)が1.15ととても高いのですが、それは
  純資産からみれば実力以上の株価がついている訳ですが、それを支えているのは
  38円/株という高配当です。仮に今後も今まで通りの利益を出し続け、この高配当を
  今後も継続出来るなら購入金額の750円に対し配当の年38円は5%となり、元本返済
  はまでは無理としても、金利と税金を払っても見掛け上の収支は合いそうです。
  また利益が出た時に、購入した自己株式の順次消却をすれば、一株当たりの純資産
  は上昇して、株主価値を高めることになるので、他の株主は大喜び。株価の下落も
  さけることが出来るでしょう。

傘下のプロパー特約店販売店の気持ちは複雑

今後の最大の問題は、撤退報道が繰り返し出てしまう元売に対し、特に自己資本系特約店
販売店がどのような対応を見せるかでしょう。2010年10月の読売新聞の時には、SSでも
店頭ポスター等で報道を否定しなければならないなど、それなりの労力とコストを必要とした
ようですので、そのご苦労をお察しするばかりです。
一方東燃ゼネラルの方も自己株式を購入した資金を数千億円かけたとしても、それで新たな
商圏や売り先が増える訳ではなく、現状の生産や販売権利を維持するためのコストなので、
やはり今後が大変なのではないかと思います。とにかく正式発表を見守りたいと思います。

ホルムズ海峡封鎖問題 イランとアメリカはどこまで本気か 1/18追加

昨今我々の業界人の話題の第一はEM日本撤退問題ですが、二番目はホルムズ海峡封鎖
問題になって来ました。それがあるかないかで言えば、90%はないと思いますが、イラン対
米国や欧州のチキンレース的になってきましたので、最悪の事態は想定しておかなければ
いけないでしょう。イランの核問題や石油以外の国際政治の話は、その解説を一般マスコミ
に譲るとして、私は石油問題に限定して解説しておきたいと思います。
下記は石油連盟「今日の石油産業2012」の地図をベースに私が加工したものです。

同地図の中で、パイプラインによるペルシャ湾以外からの出荷を除けば、オマーン以外の
全ての国が、ホルムズ海峡を通って出荷していると言っても過言ではありません。
(これらの国の中で、イランとイラクを除く、サウジ、クェート、バーレーン、カタール、UAE、
オマーンの6カ国で湾岸協力会議(GCC)を構成しています。)
ちなみに 2010年の日本の原油輸入量は、21436万KL、中東依存度は86.6%、OPEC
依存度は、84.0%、そしてホルムズ海峡依存度は約80%ですから、これが封鎖されれば
大変なことなります。そして世界でもホルムズ依存度の高さは日本と韓国が突出して
高く、逆にアメリカには、このホルムズ海峡には、全く依存していないのです。
アメリカの本音もイラクから撤退したばかりで、財政赤字の中、世論の余程の高揚でもない
限りは、アメリカからの武力行使はせず、外交による締め付けだけと私は考えます。
しかし、イランが本当にホルムズ海峡を封鎖すれば、アメリカ世論もOKをだし、イランへの
直接攻撃も十分あり、そうなれば、原油は200ドル/Bでしょう。しかしアメリカには安い天然
ガスがあるので、アメリカの軍事産業とエネルギー開発業界は潤うのかもしれません。