ホームページに何が出来るか

あなたはこの項目に興味を持って戴いた2月1日以降 番目のお客様です。
 昨年7月に全くの素人集団で立ちあげた垣見油化のホームページ。
しかし、わずか5ヶ月で7000件のアクセスを突破する快挙を見せた。
上場企業のページでも人気無いものが多い中、その人気の秘密はどこにあるのか。
 前回立ち上げまでを書いた「あなたの会社もホームページ1.2」が ご好評を戴いた
のに引き続き、立ち上げ後の苦労や同社の試行錯誤を再度 ご投稿戴いた。
(産業報道出版社1月25日発行、97年プロパン産業白書より)
1.育つホームページを心がけ毎月増えて来た企画の紹介です
2.アクセス数と人気のページ何度か来ている方はここからどうぞ
3.ネットサーファーはどんな人?
4.電子メールがなぜ真実を伝えるのか
5.通信販売は成功するのか
6.子供(HP)が一人歩きを始めた日
7.ホームページに何が出来るか

1.育つホームページを心がけ、当社ページをご存じの方は2からどうぞ

 7月の開始の時は全部で15ページでしたが、その内容を簡単にご紹介すると
表紙=ホームページが1ページと会社案内コーナーが次の11ページ。
目次、会社概要、社長挨拶、石油、ガス3枚、合成樹脂、不動産経理部、社歴、関連会社紹介。
それに求人案内 瑞穂見学受付 東京ガソリン価格は各1ページの構成です。
 しかし一度来て戴いた方に「また見に来よう」という「リピーター」になって戴く為 「生きて育つホームページ」を心がけ、毎月新しい企画を追加しようと誓いました。
 その最初の追加は、弊社の立上げを各業界紙様に記事として紹介戴いたので、 お礼を込めてこれを逆に紹介する 新聞記事紹介コーナーが7/中旬に完成。 これは以外にも記者の方々から好評でした。
 8月は、以前から考えていた企画で「石油、LPガスの業界リンク集」です。 これは業界関連でホームページを立上げた会社の言わば電子電話帳を当社で 作成したものですが、画面上の社名をクリックするとその会社のホームページに すぐにアクセス出来るという優れものです。
 9月企画はプロパン新聞の記事にもして戴いた「あなたの会社もホームページ」。
 10月は好評だった7月企画の 「東京ガソリン価格」を神奈川、千葉、埼玉、 山梨等首都圏に拡大するとともに全国都道府県別ガソリン価格にバージョンアップ。 これは価格データを更新し続けなければならないという苦労を背負うとになりました が、飛んでもないよい結果を生むことになりました。
 11月企画は 「3回働くポリ袋」と題して袋の広告宣伝効果を紹介するページです。 業界向けに周知の義務内容入りのゴミ袋の提案するし初の通信販売にも挑戦しました。
 12月企画は 「あなたが決める12企画」と称して自分が見たい選んで頂き、 要望の高かったものから順に作っていく参加型の企画です。 内容は多角化の成功例合成樹脂部紹介、こんなにきれいなSSがなぜ潰れる、 弊社社員結婚披露宴画像中継などです。

2.アクセス数と人気のページ

 では当社ホームページに7月以来、何人の方が来てくれたのでしょうか。
それは最初のページに設置してあるカウンターで近似値がわかり12月15日現在で 6500人でした。さらに詳細数字はサーバの集計データで分かりますが、送付総数は56728枚、 1人1回のアクセスで平均8.6ページご覧戴いていることが分かります。
 さてそれではどのページに人気があるのでしょうか。
一番人気はやはり「ガソリン価格」で3573枚。
二番目は「石油LPG業界リンク」で1384枚。
三番目にやっと「会社概要関連合計」で721枚です。
この会社概要は内容が毎月変わるものではないので、7/1-8/15こそ240枚ですが、 8/16-9/15は140枚、9/16-10/15は104枚とどんどん落ちていきます。
アクセス絶対数が向上した10/16-11/15でも123枚、11/16-12/15で140枚ですから 変わらない情報へのアクセスはこの程度と考えるべきでしょう。
逆に言えばこの数字が始めて当社に来た人なのかもしれません。
 さてそれに比較して「ガソリン価格」や「業界リンク」ページは 新しい情報が入りしだい更新しているので、同じ企画でもアクセス数が落ちない。
インターネットを動き回っている方々は「生きた情報」を求めている極めて高い 知的水準の方々で、怠慢なページは閲覧数の減少という形で指摘される 「神様の様」な存在だと思います。

3.ネットサーファーはどんな人?

 ではその神様の正体を少し探ってみましょう。
アクセスした来た方はその時利用したサーバーに世界で一つ割り当てられた「ドメイン名」(サーバー名) で概略は分かります。同じ名前は何度来ても1回としか数えなくても以下の通り。
大学では国立、私立の超一級大学を始め128校以上(末尾ac.jpドメイン)
企業においては大手新聞社や上場企業を始め346社以上(co.jpドメイン)
政府や団体なども首相官邸や業界の監督官庁など20部署(go.jpドメイン)
さらに、会社員や学生の方でも一般のプロバイダー経由(or.jpドメイン)で 見ている方はこれには含まれない訳で実際はこの数倍はおられると思います。
 もしこれらの会社等にお伺いしょうと思っても、アポイントすら戴けないでしょう。 運良く会社概要なら見てもらえるとしても6500部を郵送したら1冊千円と して総コスト650万円です。しかしインターネットではこれが月額2万円で出来る。皆さんどっちを選びますか?
 さてアクセスして戴いた方々の年齢構成までは分かりませんが、9月に実施された インターネット検索会社yahoo殿が実施したアンケートによると、 ネットサーファーの年齢は、
10代5%、20代43%、30代38%、40代12%、それ以上が2%
となっており想像の通り、若い年代に偏っています。 その方の住所は東京が20%、東京以外の関東が30%となぜか首都圏集中で、 近畿圏の17%を大きく上回っています。
職業は学生が17%、専門技術職が40%、事務職14%、管理職役員は10%です。
否定的見方をする方にとってインターネットは、今は一部の若者のおもちゃ かもしれませんが、あと5年たって「株式会社日本」の意思決定層といわれる 40代管理職に30代の半分がシフトしたら、インターネットは間違いなく 日本を変えるでしょう。

4.電子メールがなぜ真実を伝えるのか。

 当社のホームページは、見に来た方がその場で電子メールを送れるように 設計されているので、一般消費者としての生の声が直接届きますが、 ここが普通のメディアと違って細いながらも双方向であるインターネットの良い点で しょう。しかしこのレベルの高いはずの消費者でさえも、業界の大問題である ガソリン税を知っている人は皆無に近く、こんなに乱売して下がった市況への評価も 「下がる時は遅く、上がる時は早く価格も一緒なのはなぜか」という感じで やはり立場が違うことを痛感させられます。従ってLPガスの輸入価格と小売価格の 分析でもやったらその反響は一層大きなものになるでしょう。
 また消費者だけでなく、元売社員の方や特約店販売店の経営者から色々なメールを戴きます。
中には「販売店政策を教えてほしい」とか元売対策や仕入れ価格、 マーク替えの相談とか、とても始めて戴くメールしては考えられないような 内容の深いものが多々あります。これらのメールは担当者が返事をかけるレベルでは ないので、結果として全メールに私が最初に目を通し、必要なものは 私が返事メールを書くようにしています。
顔が見えないからこそ、真実が言えるのか。それとも弊社ホームページから 社風を読み取って共感してくれた結果なのか。
ただ返事を出す私としても、自宅のパソコンで家族が寝てから書くこともあり、 その時は遠い昔の修学旅行のひそひそ話の様につい本音を書いてしまうことが あります。すると翌日それを読んだ方から、 「代表取締役から返事をもらえただけでなく、突っ込んだ内容で感激です」 という感謝メールが届くと、こちらも「そのなに喜んで戴き恐縮です」 とまた返事をだすこととなり、これはもう顔こそ知らないものの 「業界での親友がまた増えました」という心境です。

5.通信販売は成功するのか

 私は以前も申し上げましたがインターネットは近い将来流通革命を起こすと 思います。メーカー、問屋、販売店、消費者という形態を完全に打破し、 宅配便にのるものなら、何でも通信販売が可能なのです。
 弱小メーカーや生産者には絶対有利で、本、花、酒、から普通のものなら 現実の店舗を持つ必要がなくなるのかもしれません。
 唯一危険とされてきたクレジットカード番号送付による悪用防止策としては、 宅配業者による代金引き換え制度が最も手軽です。宅配会社の審査が厳しいと 覚悟していたのですが、弊社でも十分可能でした。
 石油やガスは宅配は出来ませんが、得意のポリ袋では、灯油缶用ポリ袋や ガス業界向けに周知の義務内容入りのゴミ袋の提案し、初の通信販売にも 挑戦しました。このポリ袋も一般の方、例えば大学の学園祭等でで統一ロゴの袋を 作ろうした人が、どこに頼んだら良いかも分からないでしょう。 インターネットで運良く当社を探しあてれば、ローコスト汎用品から自社ブランド入りの 高級品まで何でも対応しるという仕掛けです。

6.子供(HP)が一人歩きを始めた日

 11月に4つの嬉しいパニックが重なりました。
 一つは日本のホームページ検索会社として最も権威のあるYahooJapanの 今週のお勧めにあの苦労した「ガソリン価格」のページが紹介されたところ、 今まで3000件達成に4ケ月を要したアクセスペースが、その後1ヶ月で 6500件を突破するという快挙を見せました。
これは検索専門ホームページYahooの影響がいかにすごいかを物語っていると 思いますが誠に嬉しい限りです。
 二つ目は日本経済新聞社発行のインターネットイエローページに掲載されました。 国内最大7500社完全網羅というサブタイトルがついていたのですが 「電力、ガス、エネルギー」という項目で僅か26社。 元売では唯一JoMoだけですが、東京電力、東京ガスと並んで 垣見油化やガステックやカナジュウコーポレーションが紹介されていました。 ガステックさんは上場企業ですが、カナジュウの牧野社長、さすがですね。 これらは本当に快挙なことだと思います。
 これに対して大企業は不振ですが、なぜでしようか。 大企業ホームページを私が一般人として見るとカードやバッテリー、 灯油缶の宣伝だけ等、企業側の言いたいことばかり。 普通の人では入手しにくい業界情報を提供して社会に貢献しようとか、 業界の現状や危機を訴え理解を求めるとか、そういうポリシーが少しも感じられません。 そればかりでなく会社概要や求人情報すらなければ、日経新聞としても推薦 できなかったのかもしれません。
 皆様から来るなメールに対しても担当者レベルに答える権限があたえられていない という内情があるかもしれませんが、同じ業界人としては、本当に寂しい限りです。
 三つ目はソフトバンク社ポケット版インターネットイエローページ厳選1000件 という本で、CNNワールドワイドニュースやニューヨークメトロポリタン美術館の ホームページとともに弊社が写真いりで紹介されました。 日本企業はわずか109社の中からの驚異です。 ちなみにこの本は11月15日発売ですが、わずか半月で初版1万部完売で このペースだとブックランキングにのるベストセラー候補だとソフトバンクの方の お話でした。
 四つ目は当社11月「周知の義務内容入りキッチンパック紹介」の企画が 恐れ多くもご当局の目にとまり、サンプル送付依頼があったことです。 まさに一中小企業としては光栄の至りです。
 またパニック程ではありませんが、静かな変化を見せたものに「業界リンク」 があります。最初のころはホームページをお持ちの会社にメールを出して 「貴社のアドレスを当社リンク集にのせてもいいですか」とお伺いを出していたのが、 いまでは「垣見さんに刺激され現在作成中です。完成したら是非登録して下さい」 というメールを戴けるようになりました。
 従ってホームページ立上げ情報だけで言えば新聞各社様より弊社の方が早いかもしれません。
 また業界でインターネットをやっている方は「垣見油化のページに行けば どこの会社がホームページを出したかだいたい分かる」という事が認知されつつあるのではないかと思います。
 実はここまでの効果は正直申し上げ、最初の予想を遙に超えるというか、 予想すらしなかったことであります。
 今の私の心境は、インターネット上に生み落とした我が子「ホームページ君」 に私がしたことは「新しい企画」というやる気と「その企画に対する新しいデータ」 という食事を与えただけですが、たった半年で親の期待を越え一人歩きを始めて くれた感があります。何度も申し上ますが、ミルク代おむつ代は月額たったの2万円 ですよ。皆さん。

7.ホームページに何が出来るか

 私は人からホームページ立上げを相談された時、前は絶対やるべきだと お答えしてきました。
しかし今は大変失礼な言い方ですが相手を見てお答えするようにしています。
 文頭でもご説明したようにホームページは正に生き物です。
親に否定的な見方をされた子供はすね、まともに育たないのは当然です。 親はきっと私に文句を言うでしょう。
 「ほら見ろおれの思った通り、アクセスも伸びなければ求人も効果がないじゃないか」 やる気も食事もあたえていなければ一部上場企業という恵まれた環境ですら、 オープンして3ヶ月してもアクセス100件なんていう企業もあります。 見れば確かにつまらない。そんなページなら私はむしろ止めた方がいいと思います。 アクセス数は正にその会社のやる気への評価で、自分を表わす鏡なのです。
 また求人効果にしても前述の通り学生割合は17%。就職適齢期を考えれば 対象はその1/4。また学生以外の方々はすでに就職しおり、 その会社のインターネットに携わっているいわばエリートです。 従ってホームページ内容の行間に存在するその社風を読み取る能力は有しているので 、否定論の経営者のにはメールすら出さないでしょう。ですから 単に求人ページを作れば応募がどんどん来るというものではないので 過度の期待はしない方が良いでしょう。
 では一体インターネットで何が出来るのでしょうか。一般的には企業PRと 求人活動、それに粗品をつけてアンケート等もローコストで出来るでしょう。 インターネット掲示板をつくれば消費者の声が聞けるかもしれません。 また他では買えない様な物の通販もいいでしょう。しかしネットサーファーは、 買うことを目的にしている通販会社のページに来ている訳ではないので、 程ほどにしないと、ホームページとしてはマイナスかもしれません。
 でも私はこの様な一般的な答えを並べるより、

あなたは何をしたいのですかを問いたいと思います。
それが出来るかどうかはの答えは簡単、やる気があれば何でもできます。
 でももっと大きな効果は、、、
 私は本当に様々な規制や系列や取引先がどうのというしがらみが多い日本にとって 、このインターネットの世界だけは大企業と中小企業が対等な関係で、 知的な自由競争が出来る唯一の場ではないかと思っております。 正にインターネット上のバーチャル競争!。 しかしそのゲームで勝ってアクセス件数が大企業より伸びたにしても、 この架空?の世界の成果が実際の商売や取引に影響してくるでしょうか。
 それは皆さんがどう考えるかですが、ひとつの例として、今年の資源エネルギー庁の SS表彰に全国6万の中から37SSが選ばれましたが、 その中にホームページを立上げている会社が2社も入賞しています。 (弊社も13年前戴きました)業界でホームページ立上げ会社は15社なので インターネットグループからの表彰確立は2/15。 他方は35/60000です。 サンプル数が少ないので統計学の有意差の議論は申しませんし、 優秀なSSがたまたまインターネットにとり組んだ?という「卵とにわとり」の 関係もあるでしょうから、一応偶然ということにしておきましょう。
 最も顕著な効果がありますが、これは紙上でご報告する内容ではないので、 知りたい方は電子メールで直接お問い合わせ下さい。
 しかし私にとっての最大の喜びは、皆様のお役に立つ業界の情報の提供や 会社のポリシーを全世界に向け発信するという手段をローコストで得られたというと ころです。
 私的な話で恐縮ですが、私は親子二代に渡ってロータリークラブに属しております。 このクラブの精神は「会員のひとりひとりが自分の職業を通じて社会に奉仕しなさい」 といっており、皆で集まって何かの奉仕をするという他の団体と最も異なるなる点です。 このロータリーの職業奉仕の精神と原則無料で情報提供というインターネットの習慣は とても共通しており、この精神がもっと日常生活にももっと広がれば 本当にいい世の中が来ると思うのですが、皆さんはどう思われますか。
 ではこの次はインターネットでお会いしましょう。
電子メールでの感想をお待ちしています。    平成9年1月 垣見裕司  
こちらからどうぞ