SS跡地利用調査委員会 第1回活動報告
 
SS継続か廃業か、廃業後の新事業は何が良いのかのご参考に
あなたは、SS跡地利用調査企画の件目のご訪問者です。
実は皆様から「今年のエネ庁のSS経営高度化調査実現化事業は何をやるのですか」と多数の
お問い合わせを頂いておりました。「今年は、やらないの?」ではなくて、やることを前提にした
「何をやるの」は、若干プレッシャーではありましたが、6月に申請をした案件について、8月初旬
石油協会様より「交付決定通知書」を拝受しましたので、ここに発表させて頂きます。

我々は何をしたかったのか
改めて申し上げるまでもなく、自由化以降SS業界は誠に厳しい状況を迎えています。
平成7年に資源エネルギー庁が主催した「石油流通ビジョン研究会」の報告に今後SSの
進むべき選択肢の1つに「早期撤退型」があったことは、業界に衝撃を与えました。
その意味では現在の廃止SSの地下タンク撤去費用補助等も、転廃業支援と言えるでしょう。
ではSS数がピークであった平成6年度末の6万件から、本年3月末日の48,672件まで、
12,000以上も撤退した訳ですが、その跡地は現在どうなっているのでしょうか。
その土地の所有者が変わったかどうかは別として、新事業は、現在順調なのでしょうか。
廃業後の現状が業界新聞等で報告されたことはありますが、それはむしろ異例です。
また補助金申請前に調べた範囲では、公の調査もないようです。
我々はこの点に注目し、SS廃業後の跡地が、その後どのように有効利用されているのか。
その新事業は成功しているのか等の調査を、ある程度地価が高く、再利用が比較的容易
とされる都市部周辺のSS跡地の実態調査を行うことにしました。
これらの調査分析は、現在の悩めるSS経営者が、このままSS業を継続すべきか、或いは
廃業すべきか、新たに始める新事業は、何が良いのか等の判断材料の事例収集です。

しかしながらSSの立地は全て異なるので、廃業してからのことは、極端な話、実際にやって
みなければ分かりません。でも先に勇気ある決断をしてSSを廃業し、その後開始した新事業が
ある程度成功した方なら、書面や対面アンケートを通じて、新事業の現状をお伺いすることが
出来るのではないでしょうか。
その成功事例を多く集め、その土地の条件等で幾つかのケースにパターン化する一方、
同地域に進出する意欲がある、コンビ二業界や外食産業業界等他の業界の方から
出店希望条件等をお伺いし、これもSS跡地の立地条件毎に分類することで、SSを継続するか
廃業して新たなる事業を行うべきか、その場合はどのような事業が良いのかを報告書にまとめ
発表し、継続か撤退かを悩んでいらっしゃる経営者の良き参考材料となれば幸いです。
どんな調査をするのか
1.SS業界全体のマクロ調査
 全国のSS数が最多であった平成6年度以降の全国都道府県別の過去10年間のSS数の
 推移をまず調査します。可能なら元売別にも把握してみたいと思います。
 東京都においても同様に支部別等にSS数の推移を把握するとともに、我々の地元であるという
 その地の利を生かして、可能なら「撤退理由」 も把握してみたいと思います。
 
 また、全国、首都圏、東京都を問わずSSを撤退した後に始めた新事業の成功事例があり
 取材や対面アンケートが可能なら、そのお話をお伺いし報告書にてご紹介したいと思います。
 
2.ミクロ調査
 全国レベルで行うマクロ調査に対しては、本来なら東京都内全域において、完全な全数調査を
 行いたいところですが、時間と予算の関係から、東京都の「北多摩支部及びその隣接地区」に
 限定し、その地域における平成6年度等、SS数が最も多かったと思われる時期の立地状況を
 可能な限り把握するとともに、現在までの推移を把握し、転廃業したSSの全数調査をしたいと
 思います。
 
 具体的には、現在及び10年前の地図等より、現在SSであるところは勿論、過去SSであった
 土地や建物が現在どのように利用されているのか実態の把握をします。
 
 調査数目標は 100箇所。その内3割から4割近いSSが、廃業していると思われるので、
 最大40箇所のSS跡地の現在の利用状況を把握するとともに、その所有者や運営者の協力が
 得られる場合は、書面或いは対面アンケートを行い、現在の事業状況についてお伺いしたい
 と思います。

3.当該地区に進出を希望する他業界の企業から、その出店条件等のヒアリング
 その一方、他業界のどんな業種がSS用地に注目しているのか。一般的に考えられる
 コンビニ、外食産業、マンション(賃貸)、カーディーラー、中古車販売、貸しトランク業、その他
 各種ロードサイドビジネスから、ご協力頂けそうな10社くらいに、出店条件等をお伺いし、
 出来れば土地の持つ諸条件別に分類してみようと思います。
何故 北多摩支部及びその隣接地区なのか
全数調査(ミクロ調査)する地域のイメージですが、西東京市を中心に東は吉祥寺くらい、
西は国分寺駅、南はJR中央線、北は、東久留米市までの、大きな長方形を想定しています。

では何故この地域なのでしょうか。これはあくまで我々の判断ですが、吉祥寺駅周辺等は
オフィスもデパートもあり、賃貸ビルも可能な都心的な要素を満たしていると思います。
また西武新宿線等私鉄駅やJR中央線三鷹以西の駅から近い場所は、賃貸マンション等の
都市近郊的な事例が得らます。

また 青梅街道、新青梅街道、小金井街道、所沢街道等の国道都道が各種あり、素人目に
見ても外食産業や自動車販売業、中古車販売業、その他比較的大規模販売業者等、所謂
ロードサイドビジネスの激戦区でもあります。

その一方、それらの街道から少し中に入ると、畑等「郊外的要素」も存在し、賃貸駐車場や
倉庫業以外は、ちょっと難しい地区も含んでいます。

ようするにこの地域を調査すれば、東京都全域を調査したのと、同じような効果が得られる
と判断した訳ですが、やはり私どもの地元であり、土地勘が発揮出来ることもその選定理由の
大きな要素であることは、間違いありません。以下該当地域の概略地図を掲載します。


 
 
どのように分析するのか
ところで今回の調査結果は、各SSの立地条件等により大幅に異なる結果が予想されます。
それでも土地の用途や面積、駅からの距離、推定地価等を考慮してパターン化する一方
新規出店を希望する他業界のニーズもある程度項目化し、その対比が一目でわかるような
資料を作成してみたいと思っております。

またSS廃業後の新事業が成功しているのか、或いは失敗をしたのか、企業秘密に該当する
ような事項は、アンケートではなかなかお伺い出来ないと思います。
また新事業が経営者の能力の差によって、成功して、或いは失敗したという要因は、
土地や建物のパフォーマンスを純粋に判断する上で、除外しなくてはならないでしょう。

そこで、我々はその新事業そのものの収益ではなく、SS跡地と新事業に必要な建物等を建築し
それを新事業の経営者にお借り頂いたと仮定し、それが幾らの地代になるのか、家賃になるのか
建物を建てて貸す場合は、その回収年数は何年か、結果として不動産賃貸事業として見合うのか
それはSSを経営していた時の最終収益と比較して、プラスなのかマイナスなのか。
その要因で判断してみたいと思います。

アンケートへのご協力のお願い

我々委員会は、8月に設立し第1回の委員会を開催後、9月以降毎月1-2回のペースで開催し
来年1月末までにその事業を終了する予定です。
次回9月の委員会は、さし当たってマクロ調査を開始し、ミクロ調査のためのデータベースの作成
そして廃業された経営者等へのアンケート原案作成といったところが、9月から10月までの
委員会検討内容でしょう。
そこで、このHPをご覧の皆様にお願いがあります。御社で過去に廃業したSSがある方は、
そのSSが今どうなっているのか、特に土地を売却せず、外食産業等に貸して成功している
等の事例があったら、是非そのお話をお聞かせ頂けないでしょうか。
10月までには、アンケートを完成させて、お送りするか、本HPでの掲載も検討していますので
是非貴重なご意見や、他業界の成功事例を 最終的には匿名で結構ですので、お知らせ
頂ければ幸いだと思っております。

挨拶文とその後の質問例
 私どもは、資源エネルギー庁の石油販売業者の経営高度化を目的とした補助事業で
 「SS跡地利用調査委員会」と申します。御社(あなた)が、過去に閉鎖されたSSの跡地が
 その後どのように利用されているのか、その跡地を利用して新たに始められた事業は何か、
 可能ならその収益状況等を、お伺いしております。結果は報告書にして業界に発表させて
 頂きますが、勿論匿名で回答者が特定出来ないよう配慮いたしますので、SSを廃業された
 経験がある貴重な先輩のご意見を是非お聞かせ頂ければ幸いです。

1.SSだった土地の概略をお知らせ下さい。
   面積、形状、前面道路状況、接道状況、最寄駅、最寄駅からの距離、
   現在の土地価格(路線価)、廃業当時の土地価格

2.廃業直前1-2年の販売状況をお差し支えない範囲でお知らせ下さい。
 @ ガソリン販売数量、A軽油販売数量、B灯油販売数量(年間) Cその他燃料油数量
 C 洗車収益 Dオイル販売数量 E 油外粗利合計金額 F SSの想定家賃
 G 最終収益は、大幅黒字、やや黒字、収益均衡、やや赤字、大幅赤字
 H SSを廃業されると決定したのは、どのようなことからですか
    SSが厳しいから、新事業の目処がついたから、
 I 現在SSを継続するか廃業するか悩んでいらっしゃる経営者に一言お願いします。

3.新事業についてお伺いします。(既に売却された場合等は、推定の範囲で結構です)
 @ 新事業の業種は何ですか、回答例 外食産業、
 A 何故、その事業を選んだのですか。 前からやりたかった、業者から薦められた
 B 土地は全部使っていますか。貸し増し、同じ、縮小、土地、建物、駐車場等割合は
 C 建物は、新築ですか、SS当時の改装ですか。
 D 土地建物込みの月間家賃は、お幾らでしょうか
 E その家賃は、不動産賃貸業として、順調ですか。順調、ぎりぎり、非常に厳しい
 F 新事業全体としては収益はどうですか。黒字、やや黒字、収益均衡、やや赤字、大幅赤字
 G SSを廃業しこの新事業を始めてよかったですか。 よかった、なんとも言えない、失敗
 H SSを廃業されると決定したのは、どのようなことからですか
 I 同じ新事業を始めようと思っているSS経営者に一言お願いします。

全国レベルでも アンケートにご協力頂ける方大募集
日本国内であれば、場所を問いません。アンケートが完成次第お送りしますので、是非貴重な
ご意見をお聞かせ下さい。 住所 会社名 ご役職等を メールにてご連絡戴ければ幸いです。