SS新ビジネスモデル「あずかロッカー」NO4
マスコミ様懇談会報告とアンケートのお願い
あなたは 番目のお客様です。先日業界紙4社様と「あずかロッカー」の件で、記者様からの
ご質問にお答えする懇談会を開きました。その時「このサービスを思いついたきっかけは?」等、
情報は可能な限り提供してきたつもりの私としては、気がつかなかった基本的な質問がありました。
そこで今月は、HPで既に発表した内容と一部重複致しますが、そのQ&Aをご報告させて頂きます。
 2002/11/1 NO1 文責 垣 見 裕 司
 ご意見ご質問は yuji@kakimi.co.jp  までどうぞ
 昨今ロボット検索等による無承諾広告メールやウィルスメールに悩まされております。
 メールアドレスは公開を続けますが、自動メーラー立ち上げは、控えさせて頂きますのでご了承下さい。

Q1、「あずかロッカー」とは、一言で説明すると、どんなサービスなのですか

配送物品受取代行サービスです。ご不在がちで        イメージキャラクターのリス
宅配品を受取れずお困りの方の為に、あなたに
代わり配送品を受取り預かり、それをあなたの
ご都合の良い時に受取に来れる、最近の新築
マンションに設置されるようになった「宅配ボックス」
のようなサービスです。

Q2、どのようなきっかけでそのサービスを
    思いついたのですか

私自身がユーザーとして不満を感じていました。
具体的に申し上げると以前マンションに住んで
いましたが、私も嫁さんも、昼間は仕事で自宅
にいない。にもかかわらず宅配業者の
不在通知がよく入っています。忙しかったりして
連絡出来ないでいると、翌日また入っています。
これは結構プレッシャーです。そして休日午後に
再配送を頼んだら、来たのが夕方だったので
貴重な休日を潰してしまった。 これが最大の不満です。皆様もそんなご経験はありませんか?

Q3、でその解消方法を考えた というわけですね     発送時のイメージイラスト1

例えば郵便局からの荷物が不在で受け取れない場合、自分で取りに行きますね。実際休日の郵便局は、不在で受取れなかった郵送品をご自分で取りに来られた方で一杯ですが、 一般の宅配品まで郵便局では預かってくれせん。
「近くにあれば、都合のよい時に自分で取りに行きたい」。 このニーズにSS業界が、お答えすることは出来ないだろうかと思いました。 私は単に文句を言うのは嫌いなのでそれをどうしたら解消出来るか、
自分ならこうするという案を考えながら、試行錯誤してアイデアが出来上がりました。

Q4、不在が多く、なおかつ自分でそれを取りに行きたい。ニーズとしては少なくありませんか?

郵政を含む宅配市場の規模は年間30億個。そして宅配業者によれば、都心周辺部で不在で配達 出来ずに持ち戻る率は、なんと30%もあります。仮に最終ニーズが、全体の1%しかなくても需要は 3000万個、1個200円というコインロッカー並みの費用に抑えたとしても、その市場規模は、60億円。 SS業界として、もしローコストで出来るなら、挑戦してみたいと思いませんか。


Q5、なぜSS業界が「あずかロッカー」サービスに適しているのですか

流通業界の雄、コンビニと比較してみましょう。
1.SSの拠点数は全国約5万ヶ所で、郵便局やコンビニより多い。
2.SSの平均的な敷地面積(812m2(H12年度))はコンビニ店舗の数倍あり、預かり物品を
  受け取りに来た方の駐車スペースや、若干の倉庫スペースは確保出来る。
3.POS等の普及率が高くクレジットカード決済機能等を既に備えている
4.視認性等が高い好条件に立地している。
5.営業時間が比較的長い。
6.業界として多角化を摸索している。
等が上げられると思います。 しかし、これらの特徴があれば必ずしもSSのみに限るのではなく、
郊外型の大型コンビニ等には、加盟を呼びかけて行きたいと思います。

Q6、「あずかロッカー」のサービスの受渡拠点は全国に何箇所くらい必要とお考えですか

夢としては全国一斉のマクロ的な展開を図り          亀戸SS隣のマンション
例えばカーコンビニクラブさんのようにテレビCMも 打って、最終的に2-3万箇所くらい加盟店にご参加頂くのが理想だと思います。
またそれには 私どものような一特約店ではなく、どこかの大手企業か団体様にバックボーンになって頂いて、 展開を図る必要があると思います。  その一方で右の写真をご覧下さい。 これは弊社の亀戸SSですが、このSSだけで考えれば、その最も有力な見込みユーザーは 徒歩圏のお客様であり、更にはお隣のマンションにお住まいの方々です。従ってこのマンションの 宅配ボックス的な機能を、我々SSが果たせばよいそして地域貢献にもなるということも言えます。 我々はこれをミクロスタート法と呼んでいますがまず我々が実験して、そのノウハウをHP等で お知らせして、それなら私もやろうというSSが、全国各地に草の根的に広がって、それを後からフラン チャイズ的に連結していく。そんな今風な方法があっても良いのかと思います。

Q7、元売は(新日本石油は)どんな評価をされているのですか

実はHP発表前から大変ご評価頂いております。唯一意見が異なる点があるとすれば、元売としては、 他社との差別化の為出来れば単独系列内でやりたい。しかし我々としては、やる気のある方なら系列を 問わず参加して頂きたい。というのも発送元が郵便局、宅配会社、デパート、どこからでも受取れるのがこの サービスの特徴的コンセプトですから、受取れるのが、特定元売系列のSSだけというのは如何にも 残念です。それに個人的には、ITやECビジネスでは1周も2周も遅れを取ったコンビニ業界に対して、 SS業界が系列を超えて連携していけるビジネスが1つくらい、あってもよいと思います。

Q8、物流関係者にはお会いになりましたか             SSでのイメージイラスト2

弊社では、クロネコヤマトさんと、発送時の取次店として契約がありますのでご相談しました。
またN社さんは、知人の紹介でそして、神奈川石商の勉強会を通じで部長クラスの方々と、そしてS社に至っては役員クラスの方とお話させて頂きました。
各社様とも、都心周辺部の住宅地等での昼間の不在による持ち戻り率は30%前後とのことで、大変頭の痛い問題のようです。また不在時の預かりだけでなく、場所や時間を限定してでも、SS業界と宅配業界が、もっと深い提携が出来ないか等の、突っ込んだご提案も頂きました。
しかしそこから先は、全国にすでに2000箇所近い配送拠点をお持ちの会社と、300拠点でやりくりするシステムを構築された会社と、それぞれ微妙なご方針の違いがあり、宅配業界が一致団結して 連携し我々を応援?というところまでは無理なようです。 しかし宅配会社にとってみれば、SSと提携することは、末端に近い所できめ細かい最終物流拠点を、 初期コストなしで、そして低い従量費で持てることは、かなり魅力的なことであると実感しました。

Q9、全石連さんにはご説明されたのですか

昨年の2月には電子商取引委員会で、そして5月にはその上部委員会である事業多角化部会
で説明させて頂きました。二回とも参加された委員からは、大きな賛同を得ましたが、そこから
先がなかなか進まない。結果誰かが実現に向けて汗をかく必要があること実感しました。

Q10、神奈川石商の勉強会にも参加されていましたね       受渡のイメージイラスト3

昨年は、色々な意味で勉強の年でした。
2月から7月まではエネ庁の勉強会の委員として10数回の委員会に参加させて頂きました。
その時の議論もあって今年から企業グループでの補助金申請が、可能になったのかとも思います。そして前述の全石連での講演会、またエネ庁様や神奈川石商様のご理解もあって、2001年11月に、平成13年度地域消費者ニーズ把握等円滑化事業の一環として「SSにおける物流機能併設による共同事業の可能性」を検討する委員会が立ち上がり、11月から翌年の3月まで8回にも渡る委員会が開催され、
私も参加させて頂きました。

Q11、今回、補助金申請を考えたきっかけは何ですか

Q9の通り誰かが汗を書く必要がありそれは起案者の私しかない。しかし本当にニーズはあるのか。 多くの加盟店の参加が見込めるのか。やはりビジネスとして成り立たなければ、投資は出来ません。 しかし宅配品の受付代行が非常にローコストで始められ、そのサービスを継続するのに殆どランニング コストがかからないような本部システムが、我々「あずかロッカー」にあれば、十分実験してみる価値は あるのではないかと思いました。 そして、補助金の趣旨や支給内容を調べて見ると、物品の購入はかなりむずかしいものの、ソフトや システム開発等には大変理解があることが分かり、申請だけでもしてみようと思いました。

Q12、ハード先にありきではだめだということですね   SS併設スーパー来店客向けの横断幕

全くその通りだと思います。石油業界では、車検ビジネスにしろ、ECビジネスにしろ、先にハードありき の事例を良く見かけます。しかし肝心なのはその先のシステムやソフトです。 もし今回の実験を昔的な発想だと、例えば「300万円もするオンライン制御可能なロッカーを100箇所 配置したいので300万円x100SS = 3億円がほしい」ということになると思います。しかしロッカーの購入 は無理でもリース料の補助は対象ですが、最大でも2003年の2月末までです。従って無責任な計画を 立てると、せっかく意欲をもって参加したSSがその後のリース料を負担することとなります。
今回は「先にハードありき」の発想ではなく、ロッカーという名前こそ使っていますが、それは預かる という機能表現で、既存SSのアイドルタイムを利用して、新たなるコストの発生なしに、これを実現するものですから、SSにおいては新たなる投資は、必要ない訳です。
従ってもし本部も加盟SSもランニングコスト抑えられるような本部システムを補助金を利用して 構築出来るなら、私が汗をかいてみようと、覚悟を決めた次第です。
神奈川石商様の委員会がなければ、私自身が補助金を申請するという事もあり得なかったと思いますし、その委員会のメンバーから、なんと3グループも補助金事業者として、認定された事を 大変嬉しく思うと同時に、色々ご指導戴いたエネ庁様、関係者様、音頭を取って頂いた全石連関係者様に 深く御礼申し上げたいと思います。 

皆さんも一般ユーザーとして、アンケートにご協力下さい
最後にお願いです。 あずかロッカーのホームページにSS業者様向けのアンケートがあります。
これは単に本サービスへの感想をお伺いするだけでなく、どのくらいご興味があるか、
本サービスが立ち上がった場合は、参加のご意思があるか、その費用負担の許容範囲等
お伺いしております。ご利用頂く末端のお客様ニーズもそうですが、SS業界の皆様のニーズが
本当に高ければ、来年度ももう一度補助金を申請して、今年度は立ち上げと4SSでの実験で
終わってしまう本事業を、全国展開していくための費用、すなわちSS登録費や教育費、交通費、
本部運営費等を申請するかどうかの参考にさせて頂きますので是非ご協力下さい。
ご記入頂いた方への御礼としは、先着300名様に「あずかロッカー」サービスのノウハウが
ぎっしり?詰まった本補助事業の公式報告書を 来年2月末頃に送付させて頂きます。
また一般ユーザー様向けのアンケートページもありますので、こちらも是非ユーザーのお立場で
ご協力頂ければと思います。 どうもありがとうございました。

                          あずかロッカー実用実験グループ代表 垣見裕司

番外編追加レポート、今は値上げをさせて頂く時ではないでしようか
イラク問題等で原油価格が高値圏で不安定な中、元売各社は10月11月の連続値上げを発表。
その額は合計5円程度にもなります。そしてこれを後押しするかのように、東京電力の原発
問題による急な需要増でC重油の業転価格が6月比5-6円程度上昇したのを始め、A重油も
+3円、軽油は+4円、シーズン入りの灯油も6月5円程度UPしてきました。
しかしこれは精製元売の出荷価格の話で、大手需要家様や末端ユーザーへの転嫁は
正にこれからという感じで、商社や販売業者は苦しい対応をせまられています。
 またガソリンの業転価格の方は、6月の83円に対し、10月は82.4円とむしろ横ばいとなって
います。これに対し末端市況は、一部の超激戦区を除き、セルフも含め80円台の安値は
3-5円程度値上がりしたものの、98円以上の価格で販売していた地域は、更なる値上げも
出来ず、ガソリンに関しては、原油UPをほとんど転嫁出来ていないといのが実情です。
皆様もご存知の通り、石油価格は平常時は自由ですが、万一の有事は事実上統制価格に
なります。一般には米国が攻撃開始すれば、1週間か10日で終戦という楽観論が主流の
ようですが、イラクが周辺の石油産油施設へのテロ的攻撃や、ホルムズ海峡封鎖等の報復
攻撃に出れば、原油は、40$/Bとも$50/Bともいわれております。
もしその最悪の事態になれば、例えば10月末日の販売価格比、原油UP分のOO円しか
値上げは認めない等の価格指導になる訳で、元売がよく使う「過去の値上げの未達分の
値上げ」や我々の「過当競争の終結にともなう、適正利益への根戻し値上げ」まですべて
便乗値上げと認識されてしまうでしよう。その意味では今こそ適正価格での販売が望まれる
はずなのですがどうも欧米に比べ、戦争による価格高騰への危機感が少ない事を極めて
心配しております。