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2024年の賃上げは 何%だったのか 経団連、商工会議所、厚生省、国税庁数字から |
経団連は5月20日、2024年の春季労使交渉の1次集計結果を発表。
大手企業の定期昇給とベースアップの賃上げ率は5.58%。過去の集計
と比べると1991年の5.6%以来、33年ぶりの高水準 がヒットしました。
しかし経団連は、日本の代表的な企業1,542社と製造業やサービス業等
主要な業種別の全国団体が106団体、地方別の経済団体47団体などか
ら構成されています。従って日本のトップ企業が参加しているのです。
仮に1社当たりの社員数が1000人とすれば、154万人となります。
しかし日本の労働者数は推定6900万人なので、約2%しか反映して
いないことになります。
6月8日、日本商工会議所と東京商工会議所(ともに小林健会頭)が
下記の発表をしていましたので紹介します。
正社員の賃上げ率は 3.62%(加重平均)。
内従業員20人以下では賃上げ率 3.34%(加重平均)とやや低下した。
パート・アルバイト等の賃上げは 3.43%(加重平均)
内従業員20人以下では賃上げ率 3.88%(加重平均)だそうです。
調査地域は、全国47都道府県。回答企業数1979社だそうです。でも
逆に言えば、約2000社で1社50人としても10万人しか把握出来ていません。
また一般に商工会議所の加入会社は、大企業か中小企業かその大きさは
問わないとしても、勢いのあるいい会社だと思います。それでも、経団連の
5.5%という勇ましい数字から3.5%程度の現実的な数字になって来ました。
厚生労働省発表の実質賃金では
では視点を変えて、給与を出す会社側の発表ではなく、第三者としての
厚生労働省が9月5日発表した、7月の毎月勤労統計調査を見てみます。
従業員数5名以上の調査のようですから、かなりの零細企業のデータまで
データ収集していることが分かります。その発表は以下の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2407p/2407p.html
要約すると実質賃金は、前年同月から0.4%増加し3.6%増。
2年7カ月連続で増加し7月の消費者物価の上昇率(3.2%)を上回った。
現金給与総額の所定内給与は前年同月比2.7%増。
また所定内給与に残業代や休日手当などを加えた給与は2.5%増。
冒頭の3.6%とこの2.5%。どちらが正しいのか疑問がわいてきます。
また今後について厚生労働省は、以下のようにコメントしたと日経
電子版に書かれていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA046A10U4A900C2000000/
8月以降は名目賃金に占める賞与の割合が小さくなるので、このまま
物価高が落ち着かなければ、実質賃金のプラスを維持することは難しい。
この発言を深読みすると、本当の賃上げは、2〜3%しか上がっていない
のではないかと思ってしまいます。
令和5年分の国税庁発表の衝撃の数字
賃上げ問題の最後に、極め付けのデータをご紹介したいと思います。
それは財務省国税庁発表の「民間給与実態統計調査の令和5年分」の
調査報告です。国税庁は所得金額の大小に関わらず、ほぼ全ての国民の
収入を把握しています。対象期間は2023年1月から2023年12月末なので
半年遅れではありますが、ある意味一番正しい数字なのかもしれません。
全文は以下から閲覧出来ますが、その15ページから引用してみました。
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/pdf/R05_000.pdf
結論を先に申し上げると2022年〜2023年の上昇率は僅か0.4%なのです。
この数字が正しいとすれば、昨年も5%増という勇ましい数字が、新聞紙面
を飾りましたが、1年を通せば、僅か0.9%しか上がっていないのだと
政府の一機関である国税庁が認めているような気がします。
2平均給与
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は 460 万円
(対前年比 0.4% 増)であり、これを男女別にみると、男性 569 万円
(同 0.9%増)、女性 316 万円(同 0.7% 増)となっている。
1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢は 47.0 歳(男性 47.1 歳、
女性 47.0 歳)となっており、また、平均勤続年数は 12.5 年(男性 14.1 年、
女性 10.3 年)となっている。
正社員(正職員)、正社員(正職員)以外などについてみると、1年を
通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は正社員(正職員)
530 万円(同 1.3%増)、正社員(正職員)以外 202 万円(同 0.7%増)。
これを男女別にみると、正社員(正職員)については男性 594 万円
(同 1.7%増)、女性 413 万円(同 1.4%増)。
正社員(正職員)以外については男性 269 万円(同 0.7%減)、
女性 169 万円(同 1.7%増)となって いる。
乙欄適用者を除いてみると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人
当たりの平均給与は 465 万円(同 0.1%増)であり、これを男女別にみると
男性 577 万円(同 0.8%増)、女性 319 万円(同 0.1%増)となっている
(第8表及び第9図参照)。
国税庁発表 令和5年民間給与実態統計調査報告 15ページ表
2平均給与
2024年 自民党総裁選挙 石破 茂 政策集 の筆者抜粋 10月1日追加
本原稿を作成時に、5回目の総裁選挙で勝利した石破総理が誕生しました。
政治家は出来ないことまで平気で語りますが、ビジョンは必要です。
総裁選挙中の石破茂政策集を発見したので、要点のみ紹介します。
日本の未来を守り抜く。5つの柱で、未来を創り、未来を守る
T 未来を創る
謙虚な自民党 憲法改正 経済・物価高対策 地方創生2.0 危機管理大国
U ルールを守る 1 党改革 2 政治改革】
V 日本を守る 党是である憲法改正総理在任中の発議を実現
1 外交・安全保障
地域の多国間安全保障体制の構築を主導します。→アジア版NATO
日米地位協定の改定の検討を始めます。シェルター整備、
自衛官の給与の早急な引き上げを図ります。
ファイブアイズ米、英、加、豪、NZ5か国による機密情報共有の枠組み
2 人口減少対策
今の子育て世代に続く若者が増えるような子育て支援に全力
少子化の原因を仔細に分析、各要因に対して適切な対策を実施
未婚化・晩婚化への対策、子育て支援策を総合的に実施
手当より無償化 2020年代に全国平均1,500円、
勤務間インターバル制度導入 睡眠不足対策、
夫婦、家族の多様な在り方を尊重し、多様性を包摂する社会を目指す
ヒト・モノ・カネの東京一極集中を、デジタルインフラによって解消
3 経済・財政
経済@:コストカット型経済から高付加価値創出型経済への転換
経済A:持続可能なエネルギー政策など エネルギー自給率を抜本的に
上げる 安全を大前提とした原発の利活用、国内資源の探査・実用化、
地熱など採算性のある再生可能エネルギーの最適なエネルギーミックス
経済B:イノベーションとスタートアップ支援 *
4 財政・行政改革
W 国民を守る (物価に負けない賃上げ)
1 実質賃金生産性の向上、労働時間から成果重視、働き方改革所得向上
2 社会保障制度改革 子ども・子育て支援、結婚・出産支援
3 防災省庁の創設・事前防災 トイレ、キッチンカー、ベッド・バス
X 地方を守る
地方創生2. 中央省庁の地方移転を推進。情報格差ゼロ
食料安全保障 米の国内消費と輸出の拡大 自給率と自給力の向上
Y 若者女性の機会を守る 【令和の教育改革】 【女性活躍と女性参画】