能登半島震災、石油&エネルギー業界の活動
 石油&SS業界の奮闘のご紹介
あなたは能登半島震災企画の番目のお客さまです。
1月1日午後4時10分ごろ石川県能登地方で最大震度7、マグニチュード7.6(最大)
の大地震が発生しました。そして大津波警報も発令されました。
今回の震災は、東日本大震災の教訓を生かせた熊本地震とは違い、半島で発生し
道路が土砂崩れ等で寸断され、自衛隊や警察・消防ですら直ぐには現地入り出来
なかったという特殊性を感じました。東日本大震災の時は、1ヶ月後に現地入りした
私ですが、今回は東京からの距離や道路状況を考えると断念せざるを得ません。
 そんな中、今私に出来る事は何か。それは石油やLPガス、エネルギー業界人
としての情報発信だと思います。以下エネルギー業界に絞った出来事を纏めて
みました。 今後順次追加や更新をして参ります。

   初掲載 2024/1/25   2/1更新 文責 垣見 裕司

被害状況の把握は、石川県HPの防災/災害対応HPへ
石川県HPの>ホーム>防災・安全・安心・防災>防災 > 災害対応 >
令和6年(2024年)能登半島地震に関する情報 対策本部・被災状況

の下の方にある被害報告が大変詳しく、更新、更新ではなく、地震発生の
1月1日以降毎日掲載されかつ保存されているので、時系列的変化の例えば
避難者数が如何に減少していくのかが良く分かります。
直近の 2月1日14時発表内容は以下の通りです。





2 私が個人的に最も心配していた孤立集落は実質的にようやく解消
  されたようです。(1月21日データ)
  輪島市の孤立集落  大屋(5人)、南志見(1人)、西保(5人)、三井(3人)
   以上4地区 14人のみ。 珠洲市の孤立集落は既に解消済

3 地震の概要(最大震度7の地震)(1月21日データ)
 (1)発生時刻 令和6年1月1日16時10分頃
 (2)震源地 石川県能登地方(震源の深さ ごく浅い)
 (3)地震の規模 マグニチュード7.6(最大)
 (4)県内の震度
   震度7 : 志賀町 ・震度6強: 七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町
   震度6弱: 中能登町、能登町
   震度5強: 金沢市、小松市、加賀市、羽咋市、かほく市、能美市、
          宝達志水町
   震度5弱: 白山市、津幡町、内灘町 ・震度4 : 野々市市、川北町

4 災害本部の設置は2月1日は記載無 以下番号は2に繰り上がり


最後に【石川県からのお願い】を掲載します。
能登方面への不要不急の移動は控えて 義援物資は持ち込む前にご連絡を
※個人からの物資の提供は受け付けていません。 人命救助、物資支援
 優先のため、何とぞ、ご理解・ご協力お願いいたします。

企業・団体・自治体からのまとまった規模の義援物資のご提供を受け付け
ています。ご提供いただける企業・団体・自治体は、電話が大変混み合って
おりますので電子申請で県への受付をお願いします。現地への直接搬入は
交通渋滞等により救命活動等の妨げとなりますのでご遠慮ください。

電気やガソリン、灯油の供給は資源エネルギー庁HPで把握可能

大震災が起こると必ずと言って良い程ガソリンスタンドに行列が出来ます。
それは何故でしょうか。私が思うに、車には以下の災害時に必要な要素が
全て揃っているからだと思います。
テレビ、ラジオの情報、携帯への充電。暖冷房。家族単位の避難可能。
家族単位のプライバシーの確保。車中泊が可能。物資を求めての移動。
そのガソリンスタンドの営業等は、資源エネルギー庁HPが詳しいです。
https://www.enecho.meti.go.jp/notice/news_release/#main
こちらも石川県同様1月1日の地震発生直後から掲載されています。

電力について
震災発生時、石川県と新潟県で、約 34,000 戸の停電発生も
1月21日現在は、石川県内で約6,000戸(輪島市 約3,400戸、珠洲市
約2,200戸、能登町 約240戸、穴水町 約80戸、志賀町 約10戸、七尾市
約10戸)まで回復。尚、現在の停電は送電線や変電所の故障ではなく
配電設備の損傷によるものとしている。

都市ガスやLPガスについて
現時点で、ガス製造事業者、一般ガス導管事業の被害・供給支障に
ついては解消された。 ガス小売事業(簡易ガス)は住宅崩壊等により
復旧困難な場所を除き、供給再開。
熱供給事業は、現時点で、供給支障はなく、被害情報もなし。
LPガス、七尾基地において輸入や国家備蓄基地からの受入設備等の復旧
作業中。限定的な出荷(在庫分)や代替基地からの振替出荷により対応。

製油所・油槽所、SS 油槽所について
陸上出荷を再開済み。出荷再開の目処が立っていない油槽所1か所は、
近隣油槽所からの応援配送を実施。
SSについては1月7日のピーク時は32件が営業不可でしたが関係者各位の
賢明な努力により、能登半島の七尾市、志賀町、穴水町、輪島市、能登町
珠洲市の69SSのうち、31日現在、営業停止SSは11件に減少しています。
 
◆営業可能(給油・配送可能):58件←37件(1月7日)
◆営業停止(給油・配送不可):11件←32件(1月7日)

尚、現地の稼働中のSSについては、既に10Lの限定給油や金額指定の
給油は解消したとの連絡を受けています。
元売団体である石油連盟の発表は事実上1月4日のみ
石油業界では、発災直後から資源エネルギー庁、石油元売各社と石油連盟
事務局にて24時間体制で北陸地域に向けた緊急的な燃料供給に対応中。
【主な対応は以下の通り】
@発災直後より、元売各社の北陸地域における出荷基地被災状況等に
  係る情報収集を実施しました
A石川県よりドラム缶での燃料配送要請を受けたことから、政府、石川県、
  石川県トラック協会等との連携の元、3日(水)より元売出荷基地から
  燃料の入手が困難な被災地に向けてドラム缶(灯油)出荷を実施中。
B政府・自治体の支援を受けて、元売各社は販売業者の方々とも連携し、
  能登半島北部への配送拡大に努めています。現在、被災地への燃料
  供給は、道路損壊や停電による影響等から、一部地域において配送に
  遅れが生じていますが、元売出荷基地には十分な石油製品在庫が確保
  されています。被災地における消費者の皆様には大変ご不便をおかけ
  しておりますが、引き続き迅速な燃料供給に努めて参ります。皆様の
  ご理解を賜りたく、不要不急の給油はできるだけお控えいただきます
  よう、お願い申し上げます。

全国石油商業組合連合会の機関誌 ぜんせきweb の 震災特集

石油連盟に対しSS業界の団体機関誌ぜんせきWebは本当に小規模な
組織ながら1月1日より情報発信を始めております。
1月1日 石川県能登地方で最大震度7(令和6年能登半島地震)
1月2日 石川県能登地方で最大震度7、被害確認広がる
1月2日 『能登半島地震』SS被害の確認相次ぐ、在庫切れも次第に懸念大
1月3日 『能登半島地震』珠洲市・越後石油 自家発電機で給油中
1月6日 能登半島6市町の営業37SSにローリー配送
1月9日 タツノ 能登地震被害SS第3報
1月10日 能登地震 SSには車が殺到、SSの設備には被害も
 エネ庁「能登半島地震」北部69SS中48SSが営業再開(10日時点)
1月15日 能登半島地震から2週間 "最後の砦"奮闘続く
1月17日 富山 和田商会が支店通じて避難所に灯油を配送
1月17日 珠洲 越後石油が懸命の給油活動
1月22日 能登半島現地ルポ   22日 能登半島のSSを応援しよう
2月1日 地域再生に支援不可欠  1日 珠洲市の公衆浴場に燃料到着
上記せんせきWebは、本来は組合員向けの有料サイトですが、今回
文章については一般公開する運びとなりましたのでご紹介します。
全石連、森会長様、矢島広報部会長、ありがとうこざいました。

能登半島震災から学ぶこと(垣見私見)来月以降順次掲載したいです

以下は、今回の能登半島震災について、マスコミやSNS等で話題になって
いることへの私はこう思うという私見です。
1 熊本地震の道路寸断の特殊性
  今回の能登半島地震の特徴は、正に半島であること。液状化し易い
  地質も影響して、各地の道路が寸断されてしまったこと。特に沿岸部の
  半島外周部を通る道路は崖崩れ等甚大な被害で車が通れないこと。
  東日本大震災の時と同様の「くしの歯作戦」で開通を試みたのですが
  海岸部分まで達しても、沿岸道路が土砂くずれ等で通れないのです。
2 孤立集落が当初非常に多かった。
  上記の1の影響で、孤立集落が多かったのも今回の震災の特徴です。
3 自衛隊の投入人数約7000人は熊本地震の25000人に対して少ないのか
  マスコミは、救助に向かう自衛隊の絶対人数が少ないのではないか。
  また「逐次投入とは何事だ、最初から全力で救助に迎え」等の報道も
  一部あったように思います。
  でも私はむしろ、その「逐次投入」はやむを得なかったと思います。
  そこでまず自衛隊の隊員人数を調べて見ましたが、以下の通り
  約23万人しかいません。また熊本県には北熊本駐屯地の第8師団
  (6100名)と更に熊本駐屯地がありますが、石川県は金沢駐屯地
  に普通科連隊が約1200名いるだけです。
  また熊本市は人口74万人に対し、能登半島の北部の12市町村合計
  で約29万人です。更に今回の道路事情を考えると、逐次投入や
  7000人規模というのもやむを得ないと思います。

区分 陸上自衛隊 海上自衛隊 航空自衛隊 幕僚監部等 合計
定 員 150500 45293 46994 4367 247154
現 員 137024 43106 43964 4019 227843

4 以下は、今後調査研究して、ご報告したい内容です。
@ 1次避難、1.5次避難、2次避難、集団避難、断水問題
A 人口減少下の復興。平時でも水道事業の維持には困難が多い
B 快適な2次避難場所があるのに、地元に残りたい方々への対応
C 仮設住宅も山と海の間で平地が少ないという課題
D 液状化問題。海底隆起で港が使えない。ホバークラフトも同様
E 最後の砦は、ガソリンや灯油、LPガスの石油系燃料
F 考えて 事前の準備と訓練を
G 垣見油化も麹町本館に石油ストーブ
H 東京消防庁出初め式 & 東京消防庁地震火災体験VR車訓練報告