2021年度の電源構成 再生可能エネルギーの実力は |
バイオマスって何、代表的なバイオマス燃料
バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称で、これらの
資源からつくる燃料をバイオマス燃料と呼びます。 つくられる燃料は、
間伐材などを細かく粉砕したペレットなどの固体燃料。
植物系原料から作られるとしてバイオエタノールや食糧用廃油等から
作られるBDF(バイオディーゼル燃料)などの液体燃料。
そして家畜糞尿や下水から取れるメタンガス等の気体燃料があります。
これらの燃料を燃やして発電しているのがバイオマス発電です。
木材は空気中のCO2を吸収しているので、燃やしてもCNという建前です。
電源構成費の時系列的変化を見る
下記表は過去5年間の電源構成の推移です。5年間で見ると化石燃料2010年からの再生可能エネルギーと原発割合の推移
は9.4%下落し、再生可能エネルギーが5.8%伸びたことが分かります。
上記表を見れば、もう少し遡って東日本大震災前まで見たくなります。再生可能エネルギー特に太陽光の設備導入容量(累積)推移
それを一目瞭然にしたのが下記グラフです。震災前は約25%もあった
原発ですが、2014年に一度ゼロとなり、その後6.6%まで回復しました。
再生可能エネルギーは、固定価格買取制度いわゆるFIT以降、毎年増える再生可能エネルギーの国民負担
太陽光を中心に爆発的に増加。1990年以降の導入容量は下記
グラフです。総容量は8000万kW、原発の80基分にも相当します。
しかし太陽光は最大発電容量なので実際に発電され、消費量は
前述の通り全体の9.3%です。雨の日は下がり、夜は全く発電しない
ので、どうしても火力で補う必要があるのです。
では固定価格買取り制度によって買われた電気の総額は、資源エネルギー庁発行「日本のエネルギー2021。10の質問」から
年間でどのくらいの金額になるのでしょうか。isepによれば、
下記グラフの通り、2022年度の計画は買取契約は4.2兆円。
国民が負担する賦課金は、約3.5兆円と読み取れます。
上記isep発行の資料とは少しデータが異なりますが、エネ庁発表の
資料では、2021年度で賦課金は約2.4兆円から2.7兆円に増額。
買取総額は3.8兆円。賦課金単価は、2.98円から2021年度は3.36円。
更に2022年度は5月から3.45円に値上げされています
バイオ発電の特に木質系チップ燃焼発電は本当に環境に優しいのか
さて今回、再生可能エネルギーを色々調べ直してみて一つ疑問に
感じることがありました。それはバイオ発電の特に木質チップ系燃料を
燃やして発電することは、本当に環境によいのかということです。
例えば、使用済み食糧油はゴミとして燃やすなら、バイオディーゼルとして
燃焼されるので、十分理解出来ます。
一方間伐材は、確かに空気中の二酸化炭素を集めましたが、そのまま
土に返せば、土中に炭酸ガスを貯留することになります。しかし燃やせば
間違いなく新たな二酸化炭素は出るはずです。それなら化石燃料の例えば
CCS原油やCCSLPG、CCSLNG、と同じ効果ではないかと思います。
同じカーボンニュートラルで、燃やせば炭酸ガスは出るのに、バイオ燃料が
再生可能エネルギーとしてもてはやされ、CCS燃料は、グレー燃料なのか。
業界人としては今一つ納得がいかないところです。尚、この疑問は決して
バイオ燃料発電を否定するものではありませんし、地産地消の地方活性化
事業としてはすばらしいと思います。
次回予告 日本のエネルギー国家戦略と環境問題をセットで考える
和歌山大学での講演内容も含めて以下の検討課題を紹介します
1 実現可能な両立モデルの立案方法と実施方法
2 政治家と国(官僚の皆様)への要望事項
3 垣見私見ベストミックス提案し国民にベストバランスを決めて頂く