0.7メガソーラー発電開始(再生可能エネ事業)
垣見グループ電力カーボンニュートラル達成
あなたは再生可能エネルギー事業企画の番目のお客さまです。

垣見油化株式会社は、群馬県のみどり市において、かねてより建設していた
700kWの大陽光高圧発電所を無事完成させ、3月31日に東京電力に対する
系統連系売電を開始しました。当社は、2010年10月にオートジョイセルフ河辺
キャノピー上で10kW、2013年6月に瑞穂LPG供給センター事務所で16kW。
そして2014年9月は東京都内のLPガス充填所屋根では初となる26kWなど
再生可能エネルギーの太陽光発電においてはいち早く挑戦して参りました。
しかし今回は700kWの大型かつ6600Vの高圧で東京電力へ全量売電です。
また化石燃料を扱う会社としてSDGsや脱炭素は常に意識しておりましたが
今回の太陽光は単なる投資収益事業ではなく、垣見油化並びに子会社で
使用する電力を全てまかなえる容量なので、2050年を待たずして、少なくとも
電力においては、カーボンニュートラルを達成したとも言えるでしょう。
そしてこの再生可能エネルギーへの進出は、創業150周年として節目の記念
事業でもあり、今月はこの紹介とします。4月25日掲載 文責 垣見 裕司

太陽光高圧発電所の概要
 設備概要は以下の通りです
名称 垣見ソーラーパワー1 みどり市高圧発電所
場所  群馬県 みどり市(同市内の初事例です)
敷地面積   9267m2  30年間の地上権
太陽光性能  340W 34.2V 9.96A
太陽光枚数   2179枚、 総容量 740kW
パワコン   50kW 14台 合計 700kW
 接続枚数 1-7 19直8並列152枚 8-13 20直8並列160枚、14 155枚
キュービクル 1台 6600V 年間発電量 約93万kWh予定

この土地は元々は農地でした。これを太陽光発電所として利用するには
農地転用をしなければなりませんが、これはかなり大変な作業でした。
一方、太陽光発電の固定価格買取制度は20年という期限があります。
当社がお話を頂いた昨年の段階で、農地転用申請までに1年を要し、
更にみどり市においても、大規模の太陽光高圧発電所は初めての案件
だっので、大変時間がかかり、残り18年での運用開始となりました。

百聞は一見にしかず 地上写真とドローン写真

敷地は約9300m2と広いので水平位置では、かなり離れないと全景を
見るのは大変です(写真上)。従って下のドローン写真がベストです。
敷地は北西から南東に向けて若干傾斜がありますが、南に傾ける必要
がある太陽光事業としては全く問題のない土地とご縁がありました。


発電状況 4月22日11時24分690kW、5月23日11時に700kWを記録

設置した機器は順調で、4月22日には690kWを記録しました。
そして5月23日の11時20分に待望の700kWを記録しました。
太陽の位置は基本、夏至の時が一番高いのですか、その一方
パネル温度が高すぎると発電効率が落ちることが知らせれています。
年間の発電量も同様で、5月が年間最高月となる地域が多いようです

垣見油化並びに関連子会社の電気使用量 2020/10-2021/9まで

垣見油化並びに関連会社の1年間の電力使用量は以下の通りです
形態 店 舗 名 所在地 敷地面積 年間電力使用量

環七馬込屋内式NS 大田区 155坪 約 40000kWh
オートジョイ八王子 八王子市 266坪 約 38000kWh
吉祥寺 屋内式NS 武蔵野市 143坪 約 37000kWh
セルフ河辺 屋内式 青梅市 215坪 約 34000kWh
駒込 屋内式NS 文京区 122坪 約 30000kWh
洗車 南田無(洗車レンタ) 西東京市 145坪 約 25000kWh
工場 瑞穂LPガス充填所 瑞穂町 3300坪 約 208000kWh




瑞穂事務所棟 瑞穂町 100坪 約 8000kWh
大阪支店 大阪市  約 6000kWh
徳山営業所 周南市  約 8000kWh
本社8階当社使用分 千代田区 110坪 約 26000kWh
垣見油化  合計 約 460000kWh
子会社4社 合計  約 30000kWh
垣見グループ合計 約 490,000kWh


セルフ河辺屋根 10kW 実績値 約 10000kWh
瑞穂事務所屋根 16kW 実績値 約 12000kWh
瑞穂充填所屋根 26kW 実績値 約 28000kWh
垣見ソーラーパワー1  700kW  計画値  約 930000kWh
太陽光発電 合計 752kW 約 980000kWh
カーボンニュートラル貢献分  B-A=  約 490000kWh
よって垣見油化グループ全体の年間電力使用量約48.5万kWhの約
2倍の98万kWhを発電しているので約49.5万kWhが黒字となります。
ちなみに垣見麹町ビル本館の1-7階分が、約41.3万KWhなので、
垣見麹町ビルのお客様にもCN電力を提供出来ていることなります。
しかしこれは電力だけの話です。当社関連会社には東京都内最大の
LPガス配送子会社があり、石油とLPガスの約10台のタンクローリーと
約50台の配送トラックが、最後の砦の石油やLPガスの物流を支えて
います。この配送に使用する軽油やLPガスまで含めて考えるとあと
1メガ相当の太陽光発電が必要という計算になります。

太陽光事業は投資ビジネスとして採算に合うのか

では読者の皆様が一番お知りになりたいことは、太陽光発電は、投資
収益ビジネスとして成り立つのかどうかということでしょう。
当社が過去投資してきた、2013年6月瑞穂LPG供給センターの事務所の
16kWと、2014年9月、LPガス充填所屋根としては都内初の26kWの
FITの買い取り価格は36円でした。現在は新規だと恐らく10円程度
ですので、今から考えると高額ですが、当時はパネル代や工事費用も
まだ高く、採算としては当時もギリギリでした。
幸い太陽光の投資金額は、全額一括損金算入出来るという税制を使って
ようやく黒字かつ資金繰り的にもビジネスになったといえます。
しかし今回は借地で地代も発生します。遠方なので管理を委託しなくては
いけません。保険費用や除草費用もかかります。FIT価格は幸い32円
なのですが、FIT期間は20年ではなく18年しか残っていません。
 発電量は計画通り全て上手く行っての投資総額に対する表面利回りは
約9%ですが、設備費を定率で償却すると利益が出るのは5年目からです。
投資資金を仮に全額銀行借入として、税引後償却前利益で全額返済した
としても、当社の金利でも投資金額の回収には、約15年かかります。
そして32円で買い取ってもらえるのは、18年間だけで、それ以降は今なら
8.5円程度なので、地代他、維持管理費が出るかというところです。
不動産の例えばマンション投資等の利回りは物件にもよりますが、新築なら
表面利回りは3〜4%。中古等で5〜8%位でしょうか。一見太陽光より
少なくみえますが、FITのような20年とかの期限はないのでカーボン
ニュートラルを考えないなら、不動産投資の方がよいかもしれません。

化石燃料を扱う会社の責務としてSDGsや2050年CNを目指して

では投資回収に15年もかかる太陽光発電に当社は何故投資したのか。
それは化石燃料を扱う会社の責務として、収支トントンなら、販売した
化石燃料から出るCO2はSDGsの観点からお客様に考えて頂くとして
その販売に要した電力等は、カーボンニュートラルにしておきたいと強く
決意した次第です。前月HPでは、ロシアのウクライナ侵攻で脱炭素の
流れは遅くなったと申し上げましたが、その流れは変らないでしょう。

弊社は4月25日に151周年を迎えました。戦後、ガソリン、LPガス、
石油化学、不動産、洗車、コーティング、レンタカー等、10年毎に
新規事業を立ち上げてきました。そして160周年に向けて、ENEOSは
水素事業、コスモは風力、出光は地熱発電をされていますが、当社も
水素を始め再生可能エネルギー全般に挑戦して行きたいと思います。