よくわかる石油業界2017早くも増刷
通常では許されない20頁弱の改訂&データ更新
あなたは「よくわかる石油業界」企画の番目(39000開始)のお客様です。
2009年垣見初版、2012年東日本大震災対応全面改訂、そして2017年3月に全面改訂
したばかりの「よくわかる石油業界」が僅か2年で増刷して頂けることとなりました。
 初版本が売れ残らなければ大成功と言われる「業界本」のジャンルで2回の大改訂と
延べ5回の増刷は、ご購読頂いた皆様のお陰と厚く御礼申し上げます。
 今月は今回改定したところをご説明したいと思います。
                                      5月30日文責 垣見裕司

通常 増刷では許されない内容の変更改訂やデータ更新

 通常、本を増刷する場合は、コストの関係から、内容の修正やデータの更新を
ご了解頂けないのが普通です。しかし石油業界は、この2年で大変革を遂げました。
 そう2年前の大改訂で書いたJX+東燃ゼネラル=JXTGの誕生に加え、出光と昭和
シェルが難産の末、本年4月から経営統合に成功したからです。

 これで石油元売は、精製専業会社を除けば、JXTG、出光昭和シェル、コスモ、
そして太陽石油という、大中小+ワン体制になり、元売再編は、一応一段落した感が
あります。同時に精製能力の削減も、第二次高度化法の後押しもあって、交渉能力
のみの削減もありますが、間違いなく減って合理化、効率化してきたことも事実です。
 
 またこれら元売本体の集約により、細部の流通段階でもかなりの効率化が進んで
います。これもあまり日の目を見ていないだけに、何としても説明したいのです
 
 そして2016年4月の電力の自由化に加え、2018年4月からの都市ガスの自由化も
始まりました。電力こそ順調なスタートだったものの、都市ガスにおいては、当初は
関西電力と大阪ガスの競争のみで、関東では、本命の東京電力さえ、2018年の7月
からという、のんびりムードでした。しかし現在では、電力は27%、都市ガスでも15%
の消費者が契約変更を行い、料金を下げることに成功しているのです。
 
 前回の2017年3月の全面改訂から、まだ2年しか経っていませんが、以上の項目だ
けでも、何とか書き直させてほしいと真摯に、何度もお願いし、約20頁の改訂・変更・
データ更新をお認め頂きました。日本実業出版社様、本当にありがとうこざいました。

世界の原油生産は20%増? いえいえデータの前提が変わりました

 昨今原油価格は再び、乱高下をともないがら上昇しています。トランプVSイラン。
どちらが正しいのかは分りませんが、トランプさんというか米国は、イランの核合意を
破棄したのみならず、同盟国に対し、イラン原油の輸入禁止を命令しています。
 そう要請ではなく、命令のレベルです。
 そんな訳で「よくわかる石油業界」27頁の世界の原油生産2015は最新の2018年
に更新したいと思っておりました。「今日の石油産業2018」を書いていらっしゃる
石油連盟広報室様にお願いして、OGJ2018年年末号を取り寄せたのですが、
データを見てびっくりです。
 昨年発行の「今日の石油産業2018」では、 2017年の世界の原油生産を
78625千BD(OGJ2017年末)としているのに 今回頂いたOGJ2018年末号では
2018年 93574千BD、2017年 91711千BD と大幅にデータが増えていたのです。
 ここ1〜2年でそんなに原油生産量が伸びたという話は、シェールオイル以外
聞いたことがない。何故と思い再び、石油連盟様にお伺いしました。
 そうすると流石の即答です。近年は原油のみならず、右下の説明の通り
天然ガス液「NGL」、オイルサンド、リースコンデンセートなど、私の推定ですが
常温常圧で液体状の産出分も統計上いれることにしたようです。


世界の原油等生産量 2018 OGJ誌2018年末号より


石油製品の流通経路=物流効率化から見た石油産業の効率化


石油製品の物流効率化も進むが、それは万一の時の余裕の無さの現れでもある

 一般に元売再編はよく語られます。そして石油精製能力の削減は、元売の
効率化や競争力を表し、一方SSの方は、SSの絶対数の減少は、よく報道
されています。
 しかし、製油所からSSやお客様の工場までの物流力の効率化は、あまり
報道されません。そこで私は物流力を数字で、そして過去と比較することで
その変化が一目で分る15頁を、大切にしています。従って今回はこちらも更新
させて頂きました。例えば白物のタンクローリは、2010年6966台から、僅か8年で
5484台まで、1500台も削減されてしまったのです。
 コストは下がったのかもしれませんが、東日本大震災で、ローリー自身が被災
してしまうこともあるので、安定供給という意味では、諸刃の剣かもしれません。

精製能力も変化で見る 2017年3月 第二次高度化法対応で各社削減

 元売各社の精製能力は、石油連盟のHPにいけば、いつでもほぼ最新のものが
見られますが、重要なのは、その変化です。本書は拘ってここは更新しました。

電力と都市ガスの自由化の進捗状況

 これは本HPでも逐次更新していますが、よくわかる石油業界の方でも、
更新しました。石油の話ではないと思われるかもしれませんが、エネルギー
業界にもはや垣根はないが私の持論ですので、この更新も譲れないところです。
207頁はこの表にさせて頂きました。

最新本のご購入方法  書店で2019/6/1発行 第二刷を指定してご注文下さい

 その他修正点は10数ヶ所あります。是非最新本をお求め頂き、どこを拘って
更新したのかを、お調べ頂ければ幸いです。

 尚、今回の増刷については、全面改訂ではないので、書店は勿論、アマゾンの
在庫も最新版が置いてあるとは限りません。むしろ2017年3月版の確率の方が
遙かに高いのです。従って、今「よくわかる石油業界」置いていない書店で、2019年
6月版を指定して取り寄せて頂くのが確実かもしれません。
 
 書店でのご注文が難しい場合は、当社からお送りします。通常は、9冊以上
送料無料でしたが、今月からは、2冊以上のご注文に限り送料無料で最新版を
お送りしたいと存じますので、こちらよりお申し込み下さい


現在アマゾン注文で2019年6月最新本が届くかは不明です