「よくわかる石油業界2017」早くも増刷 通常では許されない20頁弱の改訂&データ更新 |
通常、本を増刷する場合は、コストの関係から、内容の修正やデータの更新を
ご了解頂けないのが普通です。しかし石油業界は、この2年で大変革を遂げました。
そう2年前の大改訂で書いたJX+東燃ゼネラル=JXTGの誕生に加え、出光と昭和
シェルが難産の末、本年4月から経営統合に成功したからです。
これで石油元売は、精製専業会社を除けば、JXTG、出光昭和シェル、コスモ、
そして太陽石油という、大中小+ワン体制になり、元売再編は、一応一段落した感が
あります。同時に精製能力の削減も、第二次高度化法の後押しもあって、交渉能力
のみの削減もありますが、間違いなく減って合理化、効率化してきたことも事実です。
またこれら元売本体の集約により、細部の流通段階でもかなりの効率化が進んで
います。これもあまり日の目を見ていないだけに、何としても説明したいのです
そして2016年4月の電力の自由化に加え、2018年4月からの都市ガスの自由化も
始まりました。電力こそ順調なスタートだったものの、都市ガスにおいては、当初は
関西電力と大阪ガスの競争のみで、関東では、本命の東京電力さえ、2018年の7月
からという、のんびりムードでした。しかし現在では、電力は27%、都市ガスでも15%
の消費者が契約変更を行い、料金を下げることに成功しているのです。
前回の2017年3月の全面改訂から、まだ2年しか経っていませんが、以上の項目だ
けでも、何とか書き直させてほしいと真摯に、何度もお願いし、約20頁の改訂・変更・
データ更新をお認め頂きました。日本実業出版社様、本当にありがとうこざいました。
昨今原油価格は再び、乱高下をともないがら上昇しています。トランプVSイラン。
どちらが正しいのかは分りませんが、トランプさんというか米国は、イランの核合意を
破棄したのみならず、同盟国に対し、イラン原油の輸入禁止を命令しています。
そう要請ではなく、命令のレベルです。
そんな訳で「よくわかる石油業界」27頁の世界の原油生産2015は最新の2018年
に更新したいと思っておりました。「今日の石油産業2018」を書いていらっしゃる
石油連盟広報室様にお願いして、OGJ2018年年末号を取り寄せたのですが、
データを見てびっくりです。
昨年発行の「今日の石油産業2018」では、 2017年の世界の原油生産を
78625千BD(OGJ2017年末)としているのに 今回頂いたOGJ2018年末号では
2018年 93574千BD、2017年 91711千BD と大幅にデータが増えていたのです。
ここ1〜2年でそんなに原油生産量が伸びたという話は、シェールオイル以外
聞いたことがない。何故と思い再び、石油連盟様にお伺いしました。
そうすると流石の即答です。近年は原油のみならず、右下の説明の通り
天然ガス液「NGL」、オイルサンド、リースコンデンセートなど、私の推定ですが
常温常圧で液体状の産出分も統計上いれることにしたようです。
一般に元売再編はよく語られます。そして石油精製能力の削減は、元売の
効率化や競争力を表し、一方SSの方は、SSの絶対数の減少は、よく報道
されています。
しかし、製油所からSSやお客様の工場までの物流力の効率化は、あまり
報道されません。そこで私は物流力を数字で、そして過去と比較することで
その変化が一目で分る15頁を、大切にしています。従って今回はこちらも更新
させて頂きました。例えば白物のタンクローリは、2010年6966台から、僅か8年で
5484台まで、1500台も削減されてしまったのです。
コストは下がったのかもしれませんが、東日本大震災で、ローリー自身が被災
してしまうこともあるので、安定供給という意味では、諸刃の剣かもしれません。
元売各社の精製能力は、石油連盟のHPにいけば、いつでもほぼ最新のものが
見られますが、重要なのは、その変化です。本書は拘ってここは更新しました。
これは本HPでも逐次更新していますが、よくわかる石油業界の方でも、
更新しました。石油の話ではないと思われるかもしれませんが、エネルギー
業界にもはや垣根はないが私の持論ですので、この更新も譲れないところです。
207頁はこの表にさせて頂きました。
最新本のご購入方法 書店で2019/6/1発行 第二刷を指定してご注文下さい
その他修正点は10数ヶ所あります。是非最新本をお求め頂き、どこを拘って
更新したのかを、お調べ頂ければ幸いです。
尚、今回の増刷については、全面改訂ではないので、書店は勿論、アマゾンの
在庫も最新版が置いてあるとは限りません。むしろ2017年3月版の確率の方が
遙かに高いのです。従って、今「よくわかる石油業界」置いていない書店で、2019年
6月版を指定して取り寄せて頂くのが確実かもしれません。
書店でのご注文が難しい場合は、当社からお送りします。通常は、9冊以上
送料無料でしたが、今月からは、2冊以上のご注文に限り送料無料で最新版を
お送りしたいと存じますので、こちらよりお申し込み下さい。
現在アマゾン注文で2019年6月最新本が届くかは不明です