SSをより魅力ある職場にするために
 驚愕の求人倍率、始まった24時間営業の時間短縮
あなたは、人手不足関連企画の 番目のお客様です。
厚生労働省の発表によれば、2018年9月の求人倍率は1.64で、前年同月比0.11
ポイントの上昇となりました。しかしこの数字はあくまで日本全体の平均です。
 東京の求人倍率は、2.18で、1年前の同月比、0.09の上昇です。しかしこの2.18
という数字でも、まだ今の我々の求人の苦労を物語っているとはとても思えません。
 そこで今月は、東京都内の職安別求人倍率に見る深刻さと、SS経営者として
今何をすべきか、そして少し動き出したSS業界の対応を紹介したいと思います。
                         2018年10月31日 文責 垣見裕司 Ver1

求人 求職及び求人倍率の推移 厚生労働省発表

下記グラフは厚生労働省から発表された有効求人倍率と月間有効求職者数
(水色)と月間有効求人数(紺色)の平成17〜29年度までの12年間の推移と、
平成29年9月から平成30年9月までの13ヶ月間の推移です。(ここの有効求人
倍率は、新規学卒者を除きパートタイムを含み、月別は季節調整値である)



このグラフの特に左の年度別推移では、平成21年度の0.45からたった8年で
有効求人倍率が3倍以上の1.54まで急速に上昇していることが分かります。
この数字はバブル期の平成2年度の1.43を越える高い数値なのです。
そして更に深刻なのは、薄い水色の棒グラフで表される月間有効求職者数
の推移です。即ち8年前は約280万人の仕事を求める求職者数に対して、求人
数が約130万人しかいなかったのが、現在は求職者数が約180万人まで100
万人も減少、求人数は約270万人まで増加しバランスが取れていないことです。
 一方右グラフは平成29年9月から平成30年の9月までの1年間の推移ですが、
高い求人数に対して、求職者はむしろじりじり減っているのが分ります。
 では次に本年9月の受理値別のデータを都道府県別に見てみましょう。
東京2.18、広島2.14、福井2.09、岐阜2.02、石川2.00、と続いています。
一方、最も低いのは、北海道1.19や沖縄1.25ですが、1を上回っています。
詳細は厚生労働省ホーム > 報道・広報 > 報道発表資料 > 2018年10月 >
一般職業紹介状況(平成30年9月分)をご覧下さい。

都道府県・地域別有効求人倍率(受理地別・季節調整値)新規学卒除き




最も深刻な東京の求人環境を東京のパートタイムの職安別で見る

しかし我々東京で採用を考える者にとって東京の大変さは2.18では、とても
表されていないように思います。そこで東京の職安別のアルバイトの募集に
近い、パートタイムで調べて見ました。その結果は下記の通りです。高額を
出して求人誌や求人サイトに出しても、電話もない現実はここにあります。
安定所 H29 H29 H29 H29 H30 H30 H30 H30 H30 H30 H30 H30 H30
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
飯田橋 5.63 5.74 5.91 6.16 6.01 6.13 6.16 6.00 6.29 6.41 6.73 6.86 6.86
上野 2.90 2.84 2.92 2.86 2.80 2.85 2.85 2.65 2.61 2.64 2.66 2.69 2.69
品川 8.45 8.42 8.43 8.99 8.64 8.46 8.05 7.34 7.38 7.57 7.71 7.84 7.84
大森 1.19 1.19 1.22 1.31 1.25 1.30 1.29 1.20 1.24 1.22 1.34 1.35 1.35
渋谷 3.74 3.98 3.96 3.97 3.76 3.71 3.61 3.32 3.24 3.23 3.26 3.10 3.10
新宿 2.12 2.15 2.35 2.56 2.51 2.59 2.48 2.26 2.15 2.28 2.37 2.42 2.42
池袋 1.46 1.52 1.60 1.71 1.63 1.67 1.65 1.57 1.52 1.51 1.48 1.46 1.46
王子 1.04 1.08 1.12 1.22 1.20 1.22 1.12 0.99 0.98 0.98 1.01 1.02 1.02
足立 1.04 1.04 1.08 1.08 1.10 1.03 1.01 0.92 0.96 1.01 1.05 1.10 1.10
墨田 0.93 0.97 0.99 0.99 1.01 1.01 1.01 0.92 0.92 0.91 0.95 0.94 0.94
木場 1.33 1.38 1.44 1.57 1.52 1.56 1.53 1.42 1.39 1.41 1.40 1.50 1.50
八王子 0.86 0.85 0.83 0.86 0.90 0.90 0.87 0.83 0.83 0.87 0.92 0.95 0.95
立川 0.87 0.90 0.97 1.01 1.00 0.96 0.93 0.84 0.84 0.86 0.88 0.87 0.87
青梅 1.06 1.18 1.22 1.30 1.38 1.40 1.39 1.20 1.16 1.24 1.27 1.36 1.36
三鷹 2.09 2.23 2.17 2.49 2.39 2.29 2.26 2.05 2.03 2.06 2.10 2.12 2.12
町田 0.67 0.65 0.65 0.68 0.70 0.70 0.67 0.59 0.55 0.56 0.68 0.71 0.71
府中 1.04 1.07 1.09 1.13 1.12 1.12 1.06 0.97 0.94 0.96 1.01 1.02 1.02

問題の深刻さは、人口ピラミッドを見れば一目で分かる

 下記は、総務省統計局のホーム > 統計データ > 人口推計 >人口推計から
得た2015年の人口推計から当社システム部が作成した人口ピラミッドです。
要するにこれから就職をしようとする20〜24歳の男性人口(304万人)が直近の
ピーク年代である40〜44歳(491万人)の極端な話、5分の3しかいないのです。

私、組合、そして業界として出来ることは何か

1 東京都石油商業組合の講演会でこの問題をお話しました。
  2017年3月14日の組合主催の大手会です。この大手会とは組合理事幹部
  の他、主にSS数4〜5ヶ所以上の組合員を対象とした研修会です。
  この日は当時の資源エネルギー庁石油流通課の小山課長様との
  ジョイント講演だったので本当に多くの方が参加されました。下記参照
2 その懇親会でのことです。ある大手フリートの幹部から、実は当社も
  24時間営業の維持に本当に苦労している。自社だけで営業時間短縮を
  始めると一人負けになるので、組合主導で始めてもらえれば本当に助かる。
  それを聞いた元売販社の幹部も、あの大手フリートが24時間営業の自粛
  や短縮を始めるなら当社も追随する。声をかけて頂いたのです。実は、
  皆様本当に困っていたのだと思います。
3 この大手会をきっかけに、元売販社とフリート系は、業界の会合等で会う
  度に真剣に討議したという話も、もれ聞いております。私の講演がその
  きっかけとなったとすれば大変光栄です。
4 2018年度に入ってからは、組合として「職場改善宣言」をしてはどうかと
  都石の「新燃料経営情報委員会」で提案させて頂きました。
  色々勉強してみると、組合として24時間営業の自粛活動を積極的にやる
  には、公正取引委員会的には注意を要することも判明してきました。
  そこで24時間の自粛や営業時間の短縮ではなく、あくまで労働環境の
  改善に絞った提言をまとめるべく、現在も継続審議をしております。
  正式に都石としての宣言となりましたら 本HPでも紹介させて頂きます。
5 そして本年10月29日の燃料油脂新聞に大変嬉しい記事が載りました。
  そのタイトルは「首都圏元売販社やフリート系 24時間を22時間へ」
  「休んだほうが効率アップ」です。特別に許可を頂き下記に掲載させて
  頂きます。SS業界も職場環境の改善に少しは動き出したのを実感し
  本当に嬉しく思います。2017年の大手会の記事ぜんせき新聞はこちらです