SSをより魅力ある職場に致します バブル期並みの求人倍率と待ったなしの人口ピラミッド |
下記グラフは厚生労働省から発表された平成16年度から平成28年度までの
12年間の推移と、平成28年度の平成28年4月から平成29年3月までの推移です。
このグラフの特に左の年度別推移では、平成21年度の0.45からたった7年で
有効求人倍率が3倍以上の1.39まで急速に上昇していることが分かります。
この数字はバブル期の平成2年度の1.43に匹敵する高い数値なのです。
そして更に深刻なのは、薄い水色の棒グラフで表される月間有効求職者数の
推移です。即ち7年前は、約280万人の仕事を求める人がいたのに対して、
月間有効求人数が約130万人しかいなかったというバランスが、現在は、
求職者数が約100万人まで、180万人も減少していることが分かります。
一方右グラフは平成28年度の1年間の推移ですが、求人数は増えるのに対して
求職者はじりじり減っていることは一目瞭然です。
では次に平成28年度の3月データで都道府県別に見てみましょう。
高い方から、東京2.06、福井1.94、石川1.82、愛知1.77、岐阜1.75、富山1.75
岡山1.71 広島1.70と続いています。最低の沖縄でも1.01と1を上回っています。
詳細は厚生労働省ホーム > 報道・広報 > 報道発表資料 > 2017年4月 >
一般職業紹介状況(平成29年3月分及び平成28年度分)をご覧下さい。
しかし我々東京で採用を考える者にとって東京の大変さは2.06では、とても
表されていないように思います。そこで東京の職安別のアルバイトの募集に
近い、パートタイムで調べて見ました。その結果は下記の通りです。
高額を出して求人誌や求人サイトに出しても、1本の電話もかかってこない
現実はここにあるのでしょう。もはや下記の数値に解説はいらないでしょう。
では何故こんなに求人倍率が上がってしまったのか。利益を出している大企業が
大量採用しているとも思えませんが、その答えの一つが下記のグラフでしょう。
これは総務省統計局のホーム > 統計データ > 人口推計 >人口推計から得た
2015年の人口推計から当社システム部が作成した人口ピラミッドです。
要するにこれから就職をしようとする20〜24歳までの人口が直近のピーク年代
である40〜44歳の極端な話、約半分しかいないのです。
こうなると会社が社員やアルバイトを選ぶのではなく、若者が自分の希望に
あった会社や職場を探すという風に主語を替えた方がいいかもしれません。
もちろん人手不足は全業界に通じるテーマですが、他業界はどのような対応を
しているのでしょうか。以下新聞情報程度ですが、列挙してみました。
1 宅配便業界
宅配便業界の最大手のヤマトHDは、現在約20万人から新たに1万人の従業員を
採用して、 (退職者を勘案して9200人の純増)既存従業員の負担を軽減する。
人件費は昨年比+160億円増加の見込む。
また12-14時という配送員の昼食時間の重なる時間指定を廃止するとともに
夜の配送時間指定も短縮する。
またこれらの人件費増に対応するため、25年ぶりとなる料金の値上げを発表。
特にネット通販のアマゾン等、格安な運賃を提供していた大口取引先については
契約解除も辞さない覚悟で値上げにのぞむとのこと。
2 外食産業
2014年牛丼チェーン「すき家」の深夜時間帯のワンオペの常態の過酷労働が
問題になった外食産業は、人手不足と従業員の負担軽減の対策に乗り出した。
「ロイヤルホスト」は2017年1月までに24時間営業を廃止した。
「すかいらーくグループ」は2013年3千店中620店で時間短縮。
2017年は深夜営業を約1割にまで縮小した。
「マクドナルド」は、2012年1857店あった24H店を2016/9月末809店に大幅縮小。
「ジョナサン」は、2017年4月までに順次深夜営業の時間短縮した。
3 スーパー 小売り業界
東武ストアは2014-2015年に全60店のうち26店で24時間営業を廃止した。
4 LPガス業界の末端配送分野
当社が関係するLPガス業界では、LPガスの配送業務も人手不足と高齢化が
深刻な問題になって来ました。50kg容器というのは、LPガスの中身だけの重さで
鉄製の容器を含めると総重量は約100kg弱になります。これを毎日3tトラックで
30数本積んで、一日1回から、シーズンのピークは3回配送することもあります。
若い頃からやっていれば、60数歳まで仕事は可能ですが、55歳を過ぎてから
始めるには相当な苦労が伴います。この辺が65歳からでも始められるタクシー
と違うところだと思います。
5 SS業界の対応 これは最後に纏めて提言したいと思います。
以上のように7年間も求人倍率が上がり続けているのだから、働く方々の年収は
上がったのでしょうか。全産業で平成27年度の平均年収が444万円で前年比
2.28%上がったと聞いてもピンとこないので、よいデータはないか探したところ
一般社団方法人全国 ハイヤータクシー連合会様HPに貴重な資料がありました。
ズバリ平成28年の男性タクシー運転者の賃金と労働時間の都道府県別表です。
また平成27年のデータも入手出来ましたので変化も分析してみたいと思います。
平成28年のタクシーハイヤードライバー様年収は、全国平均ですが、月間193
時間労働で賞与込み年収317万円、前年比22万2千円、率にして7.2%のUPです。
317万円は安すぎるのではないかと思いましたが、あくまで全国平均の話でした。
最も高い東京を見ると443万円で前年比約50万円も上がっているのは驚きです。
反面、神奈川は、前年410万円から50万円近くも落ちて360万円となっているので
個々で見ると異常値はありそうなので、あくまで傾向として見るのがよさそうです。
しかし間違いなく言えることは、平成26年から平成27年の1年間で75100円、比率で
2.4%しか上がらなかったのに昨年は7.2%上がったという事実は参考になるでしょう。
決して比較している訳ではありませんがSS業界も負けてはいられないと思います。
SS業界の給与データは、一般社団法人全国石油協会が実施している
「石油製品販売業経営実態調査報告書」の中で報告されています。但し
一般にはごく一部しか公表されていないので、ここでは概略のみご報告します。
同報告書では平成27年のデータとして45才で375万円。41才の一般社員は
約314万円。また約49才の所長クラスで432万円という記載がありますが、
本資料は月間労働時間は不明でした。あくまでタクシーハイヤー業界様よりは
高かったということでお許し頂ければと思います。ただ過去6年のデータがあるの
ですが、平成22年度比較してほとんど上昇していないのがとても残念です。
今までSS業界は持続可能な利益をあげられず、正直申し上げれば、給与
Upどころではありませんでした。しかしJXTG誕生で、業転市況も、系列卸市場も
末端市況も少しは正常化しつつあります。 それは当然利益の改善へと繋がり
ますので、あるべき最低限の企業存続のための利益はしっかり頂いて、それを
今度は従業員に少しでも還元すべきでしょう。
年収面だけでなく、労働環境も改善しなければなりません。屋内で業務をする
外食産業さえ、24時間営業や深夜営業は大幅に自粛しているのですから、
SS業界も深夜営業が不採算のSSは、どんどん時間短縮すべきです。
一部の24時間店が閉鎖したとしても、全体の需要は変わらないでしょうから、
SSの営業効率は全体としては、必ず上がるはずです。実際かなり大手の元売
子会社やフリート会社SSも徐々に24H運営店を減らしているように思います。
当SSの深夜は派遣会社に委託しているから関係ないなどと言わずに、将来
ある若い貴重な若者達に、夢の持てる人生を歩んでほしいと思います。
当社の場合、収入Upは勿論ですが、究極には、私が今の立場でなく、一フリータ
として生まれて来ても、給与、職場環境、未来の人生設計まで含めて、垣見油化に
入ってよかったと働くスタッフの方に思って頂ける会社にしたいと思います。
2018年4月の入社の新卒、2017年度の中途採用もまだ募集して
おりますので、是非当社にお越し下さい。詳細はこちら。