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「よくわかる石油業界」5年ぶりの全面改訂 旧版の内容を削ることなく新項目追加で情報満載 |
全面改訂が正式に決まった 2016年12月19日が意味するもの著書「よくわかる石油業界」は、2012年2月に東日本大震災以降の日本のエネルギー
環境の激変に伴った全面改訂のあと2013年3月、2014年4月、2015年3月の増刷時に
無理をお願いし、延べ40頁近く微修正しましたが、それでも対応しきれない程、この
5年間の世界と日本の石油やエネルギー業界は、大激変に見舞われました。
例えば゛2012年当時は、原油並びにLNG等の資源価格が高いことを前提に書き
ましたが、その後米国に端を発したシェールガス革命、その技術を応用したシェール
オイルの大増産において、原油価格は、2008年の147ドルから、2009年に32ドルに
まで下落。その後 100ドルラインまでは回復するものの2016年2月には30ドルまで
下落するところまで再び軟化しました。
しかし中東情勢は決して安定している訳ではありません。IS問題。シリア問題。
また核開発制裁の終了で世界の原油市場に復帰したイラン。名手サウジとの国交
断絶等きな臭い状況が続くなかで、原油価格や資源価格は乱高下しています。
そして米国に過去の政治の常識が全く通用しないトランプ大統領が登場し、
政治も経済もエネルギー価格も先の見えない状況に替わりました。
もう一つは、日本の国内情勢の激変です。資源価格安で上流部門の収益悪化
が余儀なくされる中、国内は、少子高齢化、運転免許保有者の高齢化。ガソリン
自動車台数は微増しているものの、省燃費技術の進歩によりガソリン需要は
年々減少しています。
東日本大震災以降、原発の代替エネルギーとなった原油生焚きや石油火力等
の発電用の重油も、昨今は激減し、石油元売各社の収益も悪化しています。
これらの厳しい環境の結果、10年前には考えられなかった、JXと東燃ゼネラル
の経営統合の承認(2016/12/19)と出光による昭和シェル石油株の買収。
すなわちこの後者の元売再編最終章の流れが決定的になった12月19日を
持って出版社も全面改訂の最終結論を出されたのだと思います。
各章の章割りと 主な追加項目や追加内容は以下 下線 の通りです第1章 石油業界の最新常識 +シェールガスとシェールオイル
第2章 大きく変わる国際石油市場+欧米メジャーの栄枯盛衰+セブンシスターズ
体制の崩壊、イランの復帰、サウジVSイラン サウジの春は起こるのか
ロシアの対日姿勢は信じていいのか(プーチンの山口訪問で変わるか)
第3章 大きく変わる石油業界の構図+JX+東燃ゼネラル=JXTGの誕生
出光←昭和シェル子会社化、創業家の反対 石油元売業界最終再編
2008-10年頃のピーク時の製油所の能力と直近までの精製能力の推移
第4章 国内石油流通市場の動向 +ガソリンスタンド2017年激減問題
第5章 セルフSSの実力と今後のSS+これからの勝組SS像、人手不足問題、
社員募集、心をつかむ面接、信じて期待する、入社後の自発の気付き
第6章 近未来自動車とSS業界+次世代自動車振興センター表
新型トヨタPHV FCVに対する安全と安心の違いは次元の違い
日産Note e-Powerが水素社会に与える影響 東京水素戦略会議
水素スタンドの規制緩和のスピード感 (期待と現実の違い)
SS業界としての態度の表明は あくまで前向きアピールで
第7章 新設 震災と石油業界 東日本大震災と熊本地震の教訓をどう活かす
第8章 日本のエネルギーを考える電力・都市ガス自由化、原発費用も新電力負担
近未来の理想のSS像はハード+ソフトとハートが重要
大幅に上がった本書の情報密度上記の通り今回の全面改訂で、本当に多くの内容を追加させて頂きました。
では本の頁数は増やしたのかと言えば答えはNOです。正確には、増やしたくても
増やせなかったのです。通常は本は、16頁ごとの増減でその頁数が決まります。
今までの「よくわかる石油業界」は中身で240頁。それに表紙やカバーが付いて
更に今回はご丁寧に全面改訂を表す「赤い帯」までつけて頂きました。
この時点で厚みは既に17mmもあり、郵送用の封筒や挨拶状も含めると、ロー
コストでの配送を行うための厚み2cmを考えると事実上の限界なのです。
次の問題は、従来の本の内容のどこを削るのかです。これも結論から申し上げ
ると「削った部分はどこか」というクイズにしてもいいくらい削りませんでした。
要するに圧縮です。見開き8頁で書いていた内容は、6頁に圧縮。4頁で書いて
いたとすれば、3頁か2頁に圧縮しましたので、今回の全面改訂で、情報の詰まっ
た内容の濃い本になったと思います。その一方、ある元売の大幹部からのお言葉
「垣見さんの本やHPは、八百屋のおばちゃんが読んでも分かる」という読み易さや
分かり易さには、十分配慮して書いた次第です。是非ご購読頂きご感想など拝聴
出来れば幸いです。
その他 欄外の業界用語「word」の追加は、産油国共同備蓄、同時同量制度、
原発の過去分の値上げ、ダブル発電、揚水発電などです。
欧米メジャーの栄枯盛衰図 と 日本の製油所の精製能力の推移図本HPの読者の皆様には、特別に今回新しくなった項目を2点だけお見せしましょう。
一つは第2章に追加した欧米メジャーの栄枯盛衰再編図です。私自身も驚き、
ある意味反省したのですが、弊社の新人社員に「石油産業の発祥の地は」
と聞くと「中東ですか」という答えが返ってきました。古い業界人にとっては、
当たり前の米国が出てこないのです。そこで今回は、米国の石油産業の発祥
から7大メジャーの登場。それがオイルショックを契機に衰退し、再編を迫られる
流れなども記載しました。その縮図が上記の左図です。
もう一つは日本の製油所の能力図です。直近の能力なら石油連盟のHPでも
閲覧可能ですが、過去ピークからの現在までの推移を併記した本やHPは、少ない
と思います。その涙ぐましい削減の歴史から、元売のご苦労の一旦も分かります。
カバーデザインにも拘りました下記は、過去三回の本のカバーデザインの変遷です。
最初の2009年の下記左は、出版社が指定するイラストレ―ターにお任せというか
「よくわかる業界シリーズ本の共通イメージですから」と言われておしまいでした。
2012年の改訂時も同様ですが、どう見てもおかしなものがいくつもあります。
まずは石油のタンクは本来円筒形ですが、ガスタンクをイメージする球形です。
また砂漠と思われる左側で日本制を思わせるタンクローリーでSSに持って来る?
どう考えてもおかしいので、変更をお願いしたのですが、「業界を目指す学生さんが
迷っているイメージでお考え下さい」と言われて、その修正は実現しませんでした。
今回は三度目の正直です。イラストと
言えども、現実と矛盾がないようにお願
いしましたが、完成作品は大満足です。
まず左下の中東を思わせる砂漠から
スタートし、砂漠や海上油田で産出され
た原油が、タンカーを使って右上の日本
に到着。備蓄タンクの桟橋を経て、製油
所で精製され、タンクローリーでSSに
運ばれて車に給油されたり、空の飛行機
のジェット燃料にも使われているイメー
ジが伝われば大成功です。また中東と
極東にある日本の位置関係もOKです
よくわかる石油業界 2017年2月23日より発売です。アマゾンリンクも完成しました1冊から8冊以下は、アマゾンでお願いします。現在送料無料です。
9冊以上は、送料当社負担でお送りするとともに、日頃弊社HPをご覧頂いている
ことの御礼を考えたいと思いますので、こちらよりお問い合わせ下さい
↓全面改訂版↓↓ガス業界本↓↓旧版本です↓↓渡JX名誉顧問執筆
参考資料 コストの係る帯までつけて頂いたその内容はご存じの通り、出版業界は本離れ、活字離れ、かつネット購読等で極めて厳しい業界
ですが、今回の全面改訂には久しぶりに、赤帯までつけて頂きました。
その目的は、宣伝かつ、全面改訂本であることのアピールです。その内容は、私と
いうより編集部の方に作って頂きましたので、ある意味客観的に本書の内容を表して
いるかもしれません。ご参考までにご覧頂ければ幸いです。
↑表紙側帯 裏表紙側 帯 ↓
出版初日で、早くもアマゾンでの資源エネルギーカテゴリーで1位にランクアマゾンでは、予定通り2017年2月23日未明より、予約受付から購入可能になり
ました。また23日15時には、アマゾンの資源エネルギー分野でお陰様で第1位
ガスも2位となりました。記念画像です。 リアルタイムランクは下記をご覧下さい。
2017/2/27 17:00Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 3,435位 (本の売れ筋ランキング)