瑞穂LPガス供給センター防災訓練写真報告
 福生消防様、レモンガス様、多摩荷役との合同で実施しました
あなたは、LPガス&ガス体エネルギー企画の 番目のお客様です。

弊社の東京都西多摩郡瑞穂町(横田基地近く)にある瑞穂LPガス供給センターで、
地域防災や災害時協力等を目的として、毎年この時期に防災訓練を行って来ました。
そして2014年2月、東京都の災害対応型中核充填所として指定されたこともあり、今年は
同供給センターをご利用して頂いている「レモンガス株式会社」様や当センターの物流を
担う「多摩荷役株式会社(垣見油化LPガス運送分門の子会社)」も含め3社合同とし、
福生消防署様にも全面的なご指導とご協力を頂き、総勢70名で本格的に実施しました。
少なくとも都内では、貯蔵量そして充填量も最大なので、業界の皆様のご参考に、そして
地域の皆様の安心につながればと思い、写真報告をさせて頂きたいと思います。
                         2015年11月2日 文責 垣見裕司 Ver2

災害発生要因は、震度6強の首都直下型地震、被害想定と訓練内容

まず今回の訓練の想定ですが、時期としては、これから忙しくなる正に今です。
首都直下型の震度6強の地震が発生。その結果、70トン地下タンクの地上元弁
付近からガスが漏洩。その後何らかの原因で火災が発生、複数箇所に拡大。
その初期消火中に自営消防隊員1名が火傷負傷。救護を必要とする状態。
また容器置き場では50kg容器が地上に転落。バルブが破損しLPガスが漏洩。
これらの色々な問題が同時に発生してしまう状況を想定しました。
 従ってその対処訓練としては、以下を考えて実施してみました。

  (1)消火訓練          @消火器による初期消火訓練
  (2)ガス漏洩容器処置訓練  @容器カプセルへの収納
  (3)通報訓練          @消防署への通報
                    A警察への通報
                    B東京都及びLPガス協会への通報
  (4)避難誘導訓練       @車両進入阻止
                    A近隣への通報
                    B構内関係会社避難誘導
  (5)救護訓練          @負傷者の救出
                    A負傷者への応急手当
  (6)消防連係訓練       @消防への状況説明、情報共有等の連携
                    A消防への消火連絡
防災訓練は午前10時、塚越エネルギー本部長訓示の後(写真a)、
一度通常業務の人員配置の状態に戻ってから始めました。

訓練開始 連続して発生する課題に 迅速に対処出来るか

1 まず構内アナウンスで震度6強の地震速報警報が発生したとの情報を放送。
  事務所社員は全員ヘルメットを着用机の下等、現場はヘルメットは着用済
  なので、強固な柱の近く等で、まずは自身の身の安全を確保する。

2 強い揺れが収まった後、緊急遮断弁近くにいる社員は緊急遮断弁を作動。
  そして構内指定場所に集合。布田自衛消防隊長の指揮で各班の対処開始。



3 消火班は、地下タンク上部の配管設備等からガス漏洩検知作業を開始。また
  容器置き場の安全点検を開始する。その結果、タンク元弁付近からの漏洩
  を発見、対処するも何らかの原因により出火。消化班は初期消火を開始。



4 通報班は、消防、警察及び関係省庁に連絡し消防車の出動を要請した。
  消防への電話とその会話内容を構内にも放送。見学者の臨場感が高まる。

5 連絡班は、構内に事務所のある各社に連絡。安全な場所へ非難誘導を開始。


6 容器置き場では、転倒し地上に転落した50kg容器からのガス漏れを発見。
  バルブ破損により漏えいが続くので、容器カプセルへの収納により対処


7 初期消火中の延焼時に 自衛消防隊員が火傷負傷。救護班に託した。


8 延焼防止のため、ローリー受入場所に停車中のバルクローリーの移動を指示

9 消化班は、延焼防止のため容器置き場とローリー受入場所の散水開始

福生消防署 消防車 ポンプ車とともに2台到着 本格的な消火に入る

そして通報から約5分。福生消防署の消防車もポンプ車とともに2台到着。
消防隊隊長に、当社の布田自衛消防隊長より状況報告。


素早い作業であっという間に放水を開始。


こんなことを申し上げたらお叱りを頂きそうですが、構内の散水装置に加えての
消防車からの一斉放水は、秋の青空によく映えて誠に美しい光景でした。
通常なら、放水の真似事だけです。わざわざお越し頂いた福生消防署の
諸角副署長、小野寺予防課長、また瑞穂出張所の麻生所長様、本当にあり
がとうございました。深く御礼申し上げる次第です。

各班からの連絡を受けた布田自衛消防隊長は、再集合、全員点呼し無事を確認。
塚越本部長に火災鎮火、救護終了、関係各所への火災鎮火報告終了を報告し
訓練は無事終了しました


垣見より御礼挨拶

当瑞穂充填所は、貯蔵量(140t)も充填量(月間3000t)も都内最大の充填所です。
そして昨年からは東京都指定の中核充填所となったので、私的民間企業では
ありますが、その社会的責任は極めて大きくなり、もはや重要な社会インフラ
とも言えるでしょう。またLPガスは災害に最も強いエネルギーと言われています。
しかしそれは、我々充填所や配送センター等の供給者が、震度7の首都直下型
地震が来ても、問題なく安全操業出来ることが大前提です。
 幸いにして当充填所は、昭和50年の開所以来、40年間一度も火災事故を
起こさず、東日本大震災も無事故で、更にの計画停電の際も、自家発電で
操業を継続することが出来ました。しかしその40年間の無事故は単に幸運に
恵まれただけかもしれれません。今までの無事故に安心・過信することなく、
今後も安全操業を続け、エネルギー供給者としての社会的使命を果たして
行きたいと思いますので、社員そして関係者の皆様よろしくお願いします。

訓練後のメニュー 太陽光見学 PA13A見学 AED操作訓練 初期消火訓練

 訓練後は、構内の事務系社員も参加して一般消火器による初期消火訓練や
AED操作訓練を行いました。また多くの取引先の方や業界新聞の方も多数
お集まり頂いたので、擬似都市ガス発生装置PA13Aの実演も行いました。
都市ガス機器でLPガスを燃焼させると、赤い長い炎になってしまうことを見て
頂き、PA13Aだと何の問題もなく燃焼出来ることの実演です。
この装置は電気等の動力が不要で、LPガスの圧力だけで動作するとご説明
すると消防関係の方も大変驚いていらっしゃいました。この実演はオプション
だったのですが、見学者が多かったことは関心の高さを示すものでしょう。
瑞穂近隣は、LPガスが圧倒的に多いのですが、23区の避難所等には
是非とも必要なのではないかと思います。




大切な地震直後の緊急遮断弁によるガス元弁閉鎖

今回火災は約2分で無事鎮火するという想定です。そんなに短時間で消せるのか。
ここで大切なのは、緊急遮断弁の作動が大前提だということです。もちろん本当の
地震では感震器つきなので自動遮断なのですが今回は手動で作動させました。
従ってタンクから新たなガスは供給されないので、配管内に残ったガスは数分で
なくなるとという想定です。その意味では容器置き場からの出火が心配ですが、
地下の防火水槽の容量は、時間にして20分以上の放水が可能なので、その間
に何とか鎮火させたいと思います。

その他の心配としては、首都直下地震で消防に多数の出動要請が入った時は
どうするのかとお伺いしましたが、管内の重要施設や危険物施設等は把握して
いるので、適切に対処するとのことでした。
今年は初めて業界新聞様にもお声がけしましたが、6社もお越し頂きました。
そして皆様からも高い評価を頂いたので、来年はより現実に近い、有意義な訓練
を計画してみたいと思います。