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新年ご挨拶と1月企画
変革を迫られる日本の常識? |
皆様 新年明けましておめでとうございます。あなたは1月企画の
番目のお客様です。
さて昨年一年は本当に激動の年でした。それを一言で申し上げるならば、良し悪しは別にして
今までの企業の、業界の、そして経済の常識が、実は島国日本だけの常識であって世界的には
通じなくなっていたことを、それぞれの外の世界から知らされた一年であったと思います。
島国日本の常識
- 一昔前なら、上場企業の総会対策も、企業の方が被害者、各社多少はやってる。
証券業界のVIP口座や利益補償も、我々庶民には悔しいけれど、やはりあるだろう。
業界と官界のそれなりの関係も、銀行が倒産しないのも、みな日本の常識でした。
そして我々一般国民も「それを許していた」とまでは言わないものの、暗黙のうちに認めていたことも含め
みな日本の常識だったのではないでしょうか。
しかし昨今の規制緩和。何も品物だけが入りやすくなってきたのではなく、
この商習慣的常識も、国際基準に合わせなければならないような気がします。
そして何かにつけ欧米からの「アンフェアーだ」といわせていたものが
いわゆるこの日本的商習慣だとすれば、彼らの怒りもようやく分かるような気がします。
お騒がせして申し訳ありません?
- 数年前のアメリカでちょっとしたことから巨額損失を出してしまった某銀行。その対処を日本的習慣でや
ろうとした結果、100万$?の罰金とアメリカから全面撤退を余儀なくされてしまったのは記憶に新し
いのに、何故そのような過去の反省や外部からの警告が全く活かされなかったのでしょうか。
その答えの一つに記者会見等でのトップの共通した発言に現れているような気がします。
誠に遺憾です。!「それ謝罪ですか。評論家じゃあるまいし、だれに対して言ってるのですか。」
世間をお騒がせして申し訳けありません。!「お騒がせしたことが問題なんじゃなくて、、
それともばれなきゃそのままなのですか。」この一般市民の当たり前の想いが、全く分かっておらず根本
的かつ具体的に対策を何もしてこなかったからではないでしょうか。
決定権は一般投資家に移った?
- しかしその一方で急速に進んだこともありました。例えば今までなら万が一銀行や証券会社が潰れる時も、
当局指導のもとに吸収合併等による再建シナリオを書いて発表。そして我々一般国民や消費者には全く分から
ないところで、解決?がなされてきました。
しかし、昨年は違います。明らかにシナリオを書くのも間に合わない早さで一般投資家や証券市場が、
「その会社の株を売る」というそれだけの抵抗?で、一気に上場企業の運命を決めてしまう。
これは今までには考えられなかった「主権在民ならぬ主権投資家」の資本民主主義の基本だと思います。
だからこそ情報開示が必要!
- 上場企業の存続の決定権が一般投資家に移った以上、今までの様に経営者は、親会社や安定株主、それに一
部の勢力だけに気を使った会社経営や総会対策ではなく、本当の意味での公明正大な経営がもとめられている
のではないでしょうか。
当局の指導だから情報開示「ディスクロージャー」をするのではなく、一般投資家が「次はどこだ」と言
うような魔女刈り的な流言飛語に惑わされないように、自社の内容を正しく伝え、投資対象としてふさわし
い健全経営している会社であることを正確に知らせするための情報開示なのです。
石油業界人として反省してみると
- この反省をもって石油業界や当社自身の行いに当てはめて考えてみると例えば、組合活動です。
「E石油は組合が不正をするしないに関わらずそういう誤解を招く会合には一切出席をしない」
という方針に昔は「おつき合いの悪い会社だなあ」と思ってしまいましたが、
世界的常識からいえばむしろその方が正しかったのかもしれないと思うこの頃です。
インターネットが担えるもの
- 12/10に実はちょっとしたパニックがありました。ある石油業界関連の会社のHPの掲示板に、
「J社とC社が合併で合意、25日にも正式発表という噂の信憑性は」という文が書かれていました。
それを見た業界紙の方から「垣見さんはどう思うか」との質問。そんなこと私に聞かれても分からない。
そこで別ルートで間接的にご当局の見解を聞いて戴いたら、
「役所は一切聞いてないし、J社はOBがいっているから必ず情報は入るはず。」
とノーコメントではなくきっぱり否定されておりました。(26日現在は噂で終わっております)
しかしこの程度の噂で上場企業の株価が100円を割ったりするのは、やはり日頃の情報
開示が少ないからでしょう。単なるコマーシャルの延長ではなく、本当の意味での情報提供や業界等が抱える
諸問題に向けての対処方針等を日頃から積極的に行っておく必要があると思います。
怪情報もあり、真偽は読み手が自己責任で判断しなくてはないインターネットではありますが、
これほどローコストで、なおかつ双方向でコミニュケーションが出来る
本当にいいメディアだと思うのですが、皆様はいかがですか?。
本年もどうぞよろしくお願いします。 97/12/27 文責 垣見裕司