98年4月期の就職を目指す方々へ

どの業界がいいのか

 日本経済は今超低成長。それなら伸びる分野を就職先に選んでおけば、と思うのも無理はありません。 ではこれから伸びる分野とはどの業界でしょうか。
 例えばインターネット関連。まだ業界と呼べる程の地位は確立していないほやほやの分野ですが、 その代表としてプロバイダー会社を考えてみましょう。
 ここ数年で日本に300社とも500社とも言われる会社が出来て、その合計売上は、 数年前から比べると何%アップといよりは数倍という単位に伸びているでしょう。
 しかし、業界が若くその成長速度が大きいがゆえにその初期変動も大きい訳で、NTTのプロバイダー事業への 参入で半分はつぶれるかもしれない、というマイナス要素も考えておかなければなりません。
 そしてこの激変はどんなに能力のある人が入社しても、個人の能力を遙かに越えるレベルですので、 その激変を会社が乗り切れるかどうかは、事前に見極めておかなければなりません。
運が悪かった?。はいその通り。でもその会社を選んだのはあなたです。
 従って成長業界が、必ずしも良いとは言えないことを念頭に置いておくべきです。
 我々の石油業界は明らかに成熟業界で、激変といっても予想可能の範囲です。
自由化などはどの業界も一度は通る道ですし、規制緩和での大手スーパーの新規参入も 全国5万数千カ所のSSと比較すればせいぜい10数ヶ所。 上記のインターネット業界の激変シュミレーションに比べれば遙かに甘い訳で、 個人としてはむしろ実力の発揮機会が多い、ぐらい強気に思えればこれはすばらしいことです。

あなたの実力は?

 あなたの実力が、ビルゲイツ並なら、今このホームページは見ていないでしょう。 彼は10年先を見ているというより、10年先の世界に生きているという感じがします。
 かなりの実力と、そして大変失礼な言い方ですが、相応の毛並みをお持ちなら、お役所や有名上場企業がいいでしょう。 良い悪いは別として、入社前からの「超エリートコース」は一部でいまも存在しているように思えます。
 そこそこの実力もあるし、やる気もひと一倍、でも大学名や個人環境だけが今一歩、 という方を私は一番応援したいと思います。この方たちは上記の例ですと運がないと、 役員クラスまでは難しいようですので、会社の名前や大きさではなく、是非内容で選んでほしいと思います。

良い企業とはどの様な会社か

 ではその内容とはどんなことで判断すれば良いのでしょうか。
一般には、利益の出る会社。利益の出る良い部門を持っている。
資産、含み資産のある会社。多少の不況が続いても問題のない体力をもっている。
将来に夢がある会社。現状の利益部門に頼らず、多角化を目指している。
業界に影響力を持った会社。これは単に数量やシェアーではなく、ずはりその存在感。
さらに働く立場で言えば、若い皆さんを実力があればどんどん登用している会社。
そして近い将来会社の意志決定に参加出来るような会社が良い会社ではないでしょうか。
 しかし日本の一般の上場企業で社長になれるのは、大抵60歳をすぎてから。 一番バイタリティのある若い時には、あれもだめ、これもだめと、言われ続けて30年。 その間に新しいものへの挑戦意欲はどんどん衰えていき、60過ぎでは感覚は相当鈍っていると思います。 アメリカでは40代で大統領になっているのに、技術と人材しか資源を持たない日本としては、全くもったない話です。


石油、LPガス業界について

 業界については、公のものは、石油連盟石油公団を始め、 政府刊行書籍販売所や大手書店を探し歩けばかなりのものが、見つかると思います。
 さらに本気ならば業界新聞を半年ぐらい採ってみるというのもいいですし、 業界月刊雑誌は特集的に問題点ををまとめているので、情報収集には特におすすめです。
 買うのはちょっと、という方には、閲覧なら当社でご協力しますので、電話の上是非お越し下さい。
 公には書けない裏話は、当社ページの文章の行間で表現するものを感じて下さい。
 先日も都庁の方が、価格や流通の実体について生の声を聞きたいということでお見えになりましたが、 「その答えの多くが当社のホームページにあった」おっしゃって頂きました。

面接技術について

 ちょっと前、電子メールや掲示板で「背広」か「私服」かの議論がかなり皆さんを悩ましていましたね。 でもそういう本筋とはあまり関係ないところで悩まないで下さい。
 そもそも就職協定は事実上廃止ですし、5月になってもまだ私服にこだわる企業があったら、そんなところはあと回しにしましょう。 だいたい丸の内等のオフィス街を私服で歩く方が、私はよっぽど目立つと思いますが。
 またあまりマニュアルに頼り過ぎるのもかえって個性を無くすと思います。 大企業ならいざ知らず、中小企業なら最低限の礼儀作法と常識をわきまえた上での、 あなたしか出来ないパフォーマンス面接を身につけておいてはいかがですか。

自分の運命は自分で決めよう

 そんな訳で、いろいろ書いて来ましたが、もし私だったら、
 ある程度成熟した業界で、業界外からみれば大したことないのに、危機だなんだといって騒いでいるところで、 会社としてはそれなりに実績と歴史のある中小企業が良いと思います。
 中小企業のデメリットとして、経営安定性に欠ける、倒産の危険が残る、ワンマン社長が独裁経営をしている、 さらに社歴の長い会社はオーナー経営者が高齢で新しいことに挑戦していない、
などが上げられるのかもしれませんが、逆にこれをクリヤーしている、 存在感があり、絶対に潰れないくらい含み資産があり、新しい事に挑戦している若い経営者がいる会社があれば、 それは大企業やその子会社に入るより将来あなたが経営を任される可能性は遙かに大きいと思います。
そこなら、あなたが自分の給料を自分で決めることも可能かもしれません。

 これからは、だれも頼りにしてはいけない時代だと思います。
 お役所や年金や極端な話、自分がつとめている会社も頼りきってはいけないのです。
 自分に実力をつけ、自分がいるメリットを、A君B君ではなくてあなたが会社にいるメリットを常にアピール出来る 存在感があたなにあれば、もう怖いものはありません。
 また会社に入って必要なのは、大学で学んだ経済学でも数学でもありません。
「やる気」と「努力」と「皆に好かれる人柄」とちょつとだけ「感の良さ」があれば、 学歴などより遙かに役に立つと思います。
 就職は何回でも出来ます。でも97年の今日は一回しかありません。皆さんが悔いの無い就職活動が出来るよう応援しています。

会社見解としてのメッセージではないので、個人の文責とさせて頂きます。垣見裕司
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